
岐阜県岐阜市・岐阜メモリアルセンターで開催されている平成24年度全日本学生テニス選手権(インカレ)は8月21日、本戦2日目の戦いが行われ、シングルスの2回戦とダブルスの1回戦が行われた。山梨学院大勢は、前日の1回戦で勝利したシングルスの松田望実、田村実里、岡田優里の3人と、ダブルスの田村実里・下道愛里紗組が登場した。シングルス3人のうち、最後の夏に賭ける4年の松田望実が2日連続で大健闘した。今大会最長時間の4時間37分の激闘の末に松蔭女子大の岩崎枝里子を下し、自身初の3回戦に駒を進めた。また、体力の限界と負傷を乗り越え強行出場したダブルスの田村・下道組が1回戦を突破した。
本戦2日目の21日も、岐阜市は最高気温32度の高温多湿、選手は熱中症を避けるために水分を頻繁補給、この日も相手だけでなく暑さとも戦う炎天下の戦いとなった。
山学勢の先陣を切り、まず岡田優里(2年 四日市商)が登場した。対戦相手は、前年2冠覇者で優勝候補筆頭の第1シード桑田寛子(早大)、プロプレーヤーになる最強女王とセンターコートで対戦した。戦前にはまったく歯が立たないと予想されたが、岡田は良く食い下がった。パワーとスピードを兼ね備えた桑田の豪打に柔らかく対抗した。第2セットに入ると岡田の強烈なファーストサーブが決まり出し、第2ゲームをブレークするなど一時は対等に打ち合った。結果的にはストレート負けしたが、2年生レフティーは明日につながる最高の勉強をした。
岡田に続き、田村実里(3年 神奈川・弥栄)が右足をテーピングで固めて登場した。田村は、予選でダブルス2試合を戦ったあと、東京・有明で国体予選を5試合戦い、とんぼ返りして前日のシングルス1回戦に勝利し2回戦に進出した。午後からのダブルスにも登場したので、8日間で実に10試合も戦うという超ハードスケジュールをこなした。鉄人としか言いようがない。田村は実力上位のシード選手伊従智子(早大)に敢然と立ち向かった。第1セットは2−6で奪われたが、第2セットは一歩も引けを取らなかった。相手サーブの第12ゲームをブレークし6−6としてタイブレークに持ち込んだ。最後は及ばなかったが、鉄人田村は疲労困憊の体で実に良く戦った。
シングルス3人目に登場した松田望実(4年 鳥取中央育英)が前日に続き再び大激闘を演じた。対戦相手の岩崎枝里子(松蔭女子大)は、ベースラインから前に出ずに、松田がミスするのを待つ持久戦戦法、炎天下で長いラリーの応酬を延々と繰り広げる体力消耗戦となった。試合は第1セット7−5で松田、第2セット6−7で岩崎、最終第3セット6−3で松田が勝利した。試合開始時間は午前11時10分、終了時間は午後3時47分、今大会最長ゲームの4時間37分に及んだ戦いに勝利、2年時の2回戦を上回り、自身最高の3回戦進出を決めた。
松田望実選手は「山学大は他の大学よりかなり厳しい練習量をこなしていると思います。横根の山の坂道を走り込み、コートでインターバル、持久系と瞬発系のトレーニングを継続的に続けてきたので、体力負けは絶対しない自信があります。明日の相手は今日と違って打ってくる相手、絶対勝てない相手ではないので1回戦と同じように挑戦者の気持ちで挑みます」。初日3時間越え、2日目4時間超えの激闘を演じた松田に、4年間練習に打ち込んで身に付けた技術と体力が、勝利という賜物を2日連続で贈った。
ダブルス1回戦に登場した田村実里・下道愛里紗組の戦いは、予想に反しあっけない戦いとなった。下道愛里紗(2年 福井・仁愛女子)は、前日のシングルス1回戦で股関節を痛め途中棄権しており、田村は前述したように超過密スケジュールで疲労困憊の体、直前まで出場するかどうか悩んだが「行けるところまで行って見よう」と強行出場に踏み切った。結果的には、対戦相手の高橋美琴・菅野瑛梨ペア(富士大・東北福祉大)を寄せつけずに6−2、6−0と一方的な試合で勝利した。
田村実里・下道愛里紗ペアは「今の体の状態で出来ることをやろうと試合に臨みました。明日の試合については、体の様子を見て判断したい」と慎重に語った。
平成24年度全日本学生テニス選手権 本戦2日目(8/21) S2R・D1R結果 |
● |
岡田優里 |
3−6
2−6 |
桑田寛子
(早稲田大) |
2R敗退 |
● |
田村実里 |
2−6
6−7 |
伊従智子
(早稲田大) |
2R敗退 |
○ |
松田望実 |
7−5
6−7
6−3 |
岩崎枝里子
(松蔭女子大) |
3R進出 |
○ |
田村実里
下道愛里紗 |
6−2
6−0 |
高橋美琴
菅野瑛梨 |
2R進出 |
本戦3日目の22日は、シングルス3Rとダブルス2Rが行われる。山学大からはシングルスに松田望実、ダブルス2Rに田村実里・下道愛里紗組と1Rシードの岡田優里・久次米夏海組が出場する。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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アルバム岡田 |
アルバム田村 |
アルバム松田 |
アルバム田村・下道(ダブルス) |