山梨学院パブリシティセンター
全日本学生レスリング選手権が開幕
〜金澤勝利が最後のインカレで念願の初優勝〜
〜1年の高橋侑希と2年の亀山晃弘が準優勝〜

文部科学大臣杯2012全日本学生レスリング選手権大会(インカレ)が、8月23日から26日の日程で大阪・堺市金岡公園体育館で開幕した。全7階級の学生チャンピオンを決める大会に、山学大からはフリースタイルに23人、グレコローマンスタイルに13人が出場する。大会前半の23・24両日は、フリースタイルの1回戦から決勝までが行われた。山学勢のうち、最上級生になった金澤勝利(120s級)が、最後のインカレで昨年決勝で敗れた岡倫之(日大)にリベンジを果たし、念願の学生チャンピオンの称号を手にした。また、高校時代5冠王の1年高橋侑希(55s級)が新人でいきなり準優勝、2年の亀山晃弘(84s級)も準優勝を獲得した。この他、鴨居正和(60s級)と鈴木友希(84s級)が3位に入り、フリーの山学勢は5人が表彰台に上った。
≪フリー120s級決勝 金澤勝利vs岡倫之(日大)≫
金澤勝利(4年 岩手・種市)の対戦相手岡倫之は昨年の優勝者で、6月の全日本選抜選手権の優勝者でもある強敵。昨年は決勝でこの岡に敗れ準優勝に終った金澤は、リベンジを胸に最後のインカレの決勝マットに上った。両者の実力はまさに伯仲、第1ピリオドも、第2ピリオドも、ともにポイントを奪えず、ボールピックアップの末に、1Pは岡、2Pは金澤が取り、決着は3Pに持ち込まれた。そして、残り5秒だった。もろ差しの状態から相手を振り、渾身の力で岡を場外に押し出した。勝った瞬間、いつもは感情を表に出さない金澤の目から涙が溢れ出た、顔をくしゃくしゃにして小幡邦彦コーチの元に走った。ついに念願だったインカレ優勝の金メダルが、鍛え上げたその首にかけられた。金澤勝利選手は「いい流れで決勝に進んだ。1Pをクリンチを外しながら取られ、心が落ちそうになったが、2Pで奪い返して奮い立った。最後は作戦通り、残り20秒にもろ差しになり、攻めてくる相手を振って場外に押し出した。自分の中では、グレコしか勝てないと思っていたので満足です。次のグレコは絶対優勝したい」。金澤は得意のグレコローマンでも初優勝を目指す、勝つと卒業した先輩のムジコフ・ボリスの記録に並ぶ二冠覇者となる。

≪フリー55s級決勝 高橋侑希vs森下史崇(日体大)≫
インターハイ3連覇の実績を持つ高橋侑希(1年 三重・いなべ総合)は強敵を次々に下した。3回戦で全日本大学選手権3位の桑木黎(中京学院大)、準々決勝で山学大の先輩水越智也(4年 霞ヶ浦)、準決勝で2010年の学生王者で、昨年の全日本大学選手権優勝者の半田守(専大)を下した。初出場のインカレで堂々と決勝に進み、4月のJOC杯ジュニアで2年連続優勝した森下史崇(日体大)と対戦した。1Pを取られた後、2Pをがぶり返しで取り返し、3Pは両者ポイントなしからボールピックアップ。赤が出て、青の高橋は不利な守りの体制、タックルを返せず敗れたが、実力は優勝者と遜色なかった。高橋侑希選手は「3Pはクリンチになり、もったいなかった。悔しさは残ったが、まだ1年生なので、大学、両親、母校に恩返しが出来るように頑張って行きたい」。高田裕司監督を慕い入部した高橋侑希の将来目標は、五輪金メダル、新星は高みを目指し一歩一歩努力の階段を上っていく。

≪フリー84s級決勝 亀山晃弘vs赤熊猶弥(拓大)≫
亀山晃弘(2年 群馬・大泉) は、1年だった昨年この大会3位に入り、今年4月のJOC杯ジュニアでは優勝を飾った。山学大に入り急速に力を伸ばしている。準決勝で昨年の大会亀山同様3位の山学大の先輩鈴木友希(4年 青森・八戸工大一)との同門対決を制し決勝に進出した。しかし、赤熊猶弥との決勝は思うような試合が出来なかった。1Pはバックを取られ0−1、2Pはバックと場外で0−2、いい場面を一度も作れずに準優勝に終った。亀山晃弘選手は「勝つつもりで行ったのに、不甲斐ない試合をしてしまった。相手の力が強くて、技を仕掛けられなかった。自分はまだ体力が弱い、走り込みとウエイトトレーニングで体力をつけなければいけない、精神的にも強くならなければいけない」。亀山は悔しさを胸に、自らに厳しい練習を課して優勝を目指す。

この他の山学勢は、準決勝の亀山戦で勝利目前に勝ちを逃した鈴木友希(84s級)と、準決勝で右手を負傷して敗れた鴨居正和(60s級)の2人が3位の表彰を受け、準々決勝まで進んだ水越智也(55s級)・倉持祐貴(55s級)・濱本豊(66s級)・野間一輝(74s級)が5位入賞した。

試合後、選手を集めた高田裕司監督は「レスリングは、残り30秒からが勝負の競技だ。練習量の多い選手が勝つ、どこかで手を抜いたものが敗れる。何のために毎日毎日タックルの練習をするのか、練習の全てが残り30秒に凝縮されて表れる。そこで力を発揮するためにしっかり練習してもらいたい」と選手を励ました。大会後半の25・26両日はグレコローマンスタイルと女子(フリースタイル)の7階級で学生日本一が競われる。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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