山梨学院パブリシティセンター
関東大学テニスリーグが開幕
〜昨年準優勝の亜細亜大に勝利し白星発進〜
〜D戦2連敗のあとS戦4連勝で逆転勝ち〜

学生テニス界最高峰リーグ戦"平成24年度関東大学テニスリーグが9月4日に開幕した。1部リーグの試合は、テニスの聖地有明テニスの森公園が舞台となる。リーグ戦は4日から12日までの間に1部の6校が総当りで各5試合を戦う短期決戦。山梨学院大テニス部女子は創部わずか4年で1部に昇格し、7年目の今年は3年連続1部校として、伝統校と対等にリーグ戦を戦う。試合方法は、ダブルス戦2試合・シングルス戦5試合を行って勝敗を決める団体戦。開幕戦の対戦相手は、優勝10回を誇る昨年度準優勝の亜細亜大、これまで一度も勝ったことがない相手、厳しい戦いが予想された。しかし、ダブルス戦2連敗の後、シングルス戦なんと4連勝で逆転勝ちした。最初の試合が始まったのは午前 10時、最後の試合が終ったのは午後7時半過ぎ、9時間半を超える激闘の末に勝利、白星で発進した。
山梨学院大テニス部女子は、2006年に強化育成クラブとして誕生した。関東大学テニスリーグ5部からスタート、初年度5部優勝、2007年4部優勝、2008年3部優勝、2009年2部準優勝入れ替え戦勝利で1部昇格、2010年1部4位、2011年1部5位、創部7年目の今年の目標は、上位2校に出場権が与えられる"王座"(全日本大学対抗テニス王座決定試合)への進出、出場選手は全力プレー、応援に回るものは全力応援、大会運営に当たるものは全力支援をモットーに、21人のチーム全員で戦う。

初戦の対戦相手亜細亜大は、昨年の準優勝校で優勝10回を誇る伝統校、これまで一度も勝ったことがない相手。2週間前に行われたインカレでは、D1山本祥子・伊波佳苗組がダブルス準優勝、S1山本祥子がシングルで準優勝したばかり、S2の伊波佳苗は対戦する田村実里にとって2戦2敗の相手、当然苦しい戦いになると予想された。事実、午前10時から行なわれたダブルス戦2試合は善戦しながらも一歩及ばず、2連敗となった。しかし、シングルスは違った。最初にS5久次米夏海(1年 大阪・城南学園)とS4下道愛里紗(2年 福井・仁愛女子)の2試合が同時進行で行なわれ、2人ともに勝利した。続いて、午後1時前後にS3岡田優里(2年 三重・四日市商)とS2田村実里(3年 神奈川・弥栄)が相次いでコートに立った。S2の田村は5月の春関で敗れた過去2戦2敗の伊波に対し、一歩も引かずに強打で対抗、6−4、6−1とストレート勝ち、予想を覆す圧勝でチームに勇気を与え、3勝2敗と逆転し王手をかけた。S3の岡田と伊東優花の試合は長時間の戦いとなった。第1セットは互いに激しく打ち合い岡田が6−2で奪った。第2セットに入り伊藤が作戦を変えた。打ち合っては負けるとベースラインから前に出ずにひたすらロブを上げ、岡田のミスを待つ作戦に切り替えた。岡田は無理に打って出てミスが続き2−4と劣勢に立たされた。ここで午後5時が過ぎ、コートチェンジで中断した。予定したコートの試合が長引き、再び元のコートに戻り午後6時前に試合が再開された 。この間に岡田は冷静さを取り戻した。相手のロブに対し、無理に打って出ずにロブで対抗、落ち着いて3ゲーム連取し5−4と逆転、第10ゲームでブレーク寸前に追い込みゲームポイントを握ったが、デュースの末にキープを許し5−5に追いつかれた。逆に第11ゲームをブレークされて5−6、一転して絶体絶命のピンチに立たされた。しかし、岡田の精神力は凄い、相手にキープされるとチームの敗戦が決まる場面で、少しも慌てなかった。研ぎ澄まされたショットを連発してブレーク、6−6のタイブレークに持ち込んだ。そして、試合の結末は、体力差で決着した。2週間前のインカレで、シングルスとダブルスの両方で勝ち進み、特に久次米夏海と組んだダブルスではベスト16まで進出した岡田は 、両足と膝をテーピングで固めての出場だったが、最後まで崩れなかった。3−0とリードしたところで、相手の伊藤の足が中断をはさみ6時間に及んだ試合に耐えられなくなりつってしまった。後は一方的に7−0として勝利、この瞬間に山学大の勝利が決定した。コートだけでなく、横根の山道を走り、持久力と瞬発力の両方を鍛える練習に取り組む努力が、大事な場面で成果という形になって表れた。最後のS1の試合、松田望実(4年 鳥取中央育英)と山本祥子の試合は、最初からナイター照明の下での戦いとなった。インカレ準優勝の山本には、歯が立たないと予想されたが、松田は一歩も引けを取らなかった。第1セットは競り合って4−6、第2セットはタイブレークに持ち込んだ。最後は、タイブレーク5−7で敗れたが、インカレでシングルスベスト16に入った実力を十分に証明した。亜細亜大に勝ったのは創部初、1部リーグの初戦を白星でスタートしたのも創部初だった。試合開始は午前10時、試合終了は午後7時半過ぎ、9時間半の激闘の末の白星発進だが、この試合だけが長いのではない。テニス団体戦はすべての試合が一日掛かりとなる。8日間の短期決戦5連戦、技術と体力の両方が求められる競技 。その過酷な競技で、山学大は創部初の"王座"を目指す。

平成24年度関東大学テニスリーグ開幕戦
山梨学院大VS亜細亜大 (9/4) 於有明テニスの森公園
  勝敗 山梨学院大   亜細亜大
D1 下道愛里紗
久次米夏海
1−6
6−7
山本祥子
伊波佳苗
D2 田村実里
泉水玖瑠美
1−6
6−3
4−6
伊藤優花
松本千広
S5 久次米夏海 6−4
6−1
松本千広
S4 下道愛里紗 6−1
6−4
安野聡美
S3 岡田優里 6−2
7−6
伊藤優花
S2 田村実里 6−4
6−1
伊波佳苗
S1 松田望実 4−6
6−7
山本祥子
総計 D0−2
S4−1

田村実里選手は「ダブルスはいい戦いをしながら負けて悔しかったが、シングルスは三好コーチの作戦アドバイス通りやれて、2回負けている相手に勝てて良かった」と話し、岡田優里選手は「中断で逆に切り替えが出来た。ラリー戦では、相手より1球多く返せばチャンスが来ると思って粘った」と振り返った。羽川沙織主将は「この1勝が全てではなく、これで1部リーグのスタートラインに立ったかなと思う。ダブルスの悔しさを反省して次の一戦に向かっていきたい」と先を見詰めた。

山学大2戦目以降の日程は、6日(木)早稲田大、8日(土)駒澤大、10日(月)慶応大、12日(水)専修大となっている。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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