
第88回日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)競泳競技が、東京・辰巳国際水泳場を舞台に9月7日から9日の日程で開幕した。今年はロンドン五輪が開催され、五輪出場スイマーも数多くエントリーしており注目が集まっている。競泳のインカレは個人戦の成績を集計して学校別得点を競う大学対抗戦。大会1日目は男女6種目の予選・決勝が行われた。初日の山梨学院勢は6人が決勝に進出。このうち最初の決勝レース、女子50m自由形では下中千明が自己ベストを更新し25秒49で初優勝。女子200m背泳ぎでは、山下安輝が初のインカレで3位表彰台。さらに、女子100m平泳ぎに出場したロンドン五輪メダリストの鈴木聡美は、予選5位通過で決勝に進出。鈴木は、観衆の注目を一心に集めレースをスタート。同じロンドン五輪 代表の松島美菜(日大)に、100分の2秒差まで追い上げられたものの、見事振り切り優勝。1年からの連覇を4連覇に伸ばし、最後のインカレで意地を見せ、インカレ史に名を残した。
■下中千明、インカレ初優勝、チームを勢いづける(女子50m自由形)
インカレ最初の決勝種目、50m女子自由形で下中千明(4年 北陸大谷高)が25秒49の自己ベストで初優勝。予選を3位で通過した下中は、初のインカレ優勝を目標にレースに臨んだ。スタートの反応は0秒66で全体の3番目の好スタート。ほぼ横一千に並んでレースは展開し、下中は夢中でゴールを目指した。ゴールにタッチするまで自分が何位か分からなかったという下中。何度も電光掲示板を確認した。
下中千明選手は「今までは周りを気にしすぎてレースに集中できないことがあったので、今回はとにかく自分のレースに集中するために周りを見ないようにしました。スタートのリアクションも早く、自分の感覚としてイケると思いました。高校時代からいつも2番でこういう舞台で優勝できて良かったです」と喜びを噛み締めながら語った。
■山下安輝、インカレデビュー戦で3位表彰台(女子200m背泳ぎ)
女子200m背泳ぎでは、山下安輝(1年 豊浦高)が予選6位で決勝進出。山下は100mを5位で折り返すものの粘りの泳ぎで順位を上げ、150mのターンで3位に浮上。そのまま順位を維持し、2分11秒81で3位を獲得した。
山下安輝選手は「表彰台に乗ることができて嬉しかったが、目標にしていたインターの標準記録(日本水泳連盟・インターナショナル標準記録)が切れなくて悔しかった。大勢の仲間の応援があって独特の雰囲気のレースで自己ベストは出せなかったが表彰台に乗れたので良かった。鈴木聡美選手とは同じコースで練習したりもしていて、ロンドンでの活躍は自分も頑張らなきゃと励みになった」と述べた。
■鈴木聡美、貫禄の4連覇を達成(女子100m平泳ぎ決勝)
鈴木聡美(4年 九産大九州高)は、3年前のこの大会で1分06秒32の日本新を出して優勝、無名選手からいきなり日本を代表する選手となった。この夏のロンドン五輪では、100m平泳ぎで銅メダル、200m平泳ぎでは銀メダル、400mメドレーリレーでは、日本新で銅メダルを獲得し躍動。この日もどんなレースをするか注目が集まった。予選を5位で通過した鈴木。スタートは2番目の反応の0秒65、50mのターンを1位で折り返すものの、2位の松島美菜(日体大)に猛烈に追い上げられ苦しいレース展開。仲間の応援を受け最後まで諦めずに力泳し、1分07秒17でゴールし優勝。見事4連覇を飾り、インカレ史に名を残した。
鈴木聡美選手は「凄く不安な気持ちがいっぱいで、最後に周りを見たい気持ちを抑えて、自分の泳ぎをしっかりやろうという思いで泳ぎました。2位の松島さんと100分の2秒差でしたが、4連覇を飾ることができてよかったです。ロンドンから帰国して、気持ちでオフになった部分があったので自信はなかったが、チーム一丸となって頑張る大会なので、出せる力を出そうと思い、泳ぎました。メダリストというよりは、山梨学院大学の水泳部の一員として臨んだレースで優勝でき、チームに貢献できて良かったです。明日のメドレーリレーでは、自分が引っ張る気持ちで泳ぎ、最終日の200mは気持ちで負けずに自分のレースをしっかりやりたいと思います」と笑顔で語った
この他、山学勢では、女子50m自由形で
本間あかり(1年)が自己ベストの25秒98で8位入賞。女子400m自由形では
野中瑞姫(4年)が4分16秒81で6位入賞。男子400自由形では
江原騎士(1年)が自己ベストの3分51秒82で予選2位通過したものの、決勝では奮わず3分54秒00の7位入賞。
第1日目山学勢の結果
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)
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アルバム下中選手 |
アルバム山下選手 |
アルバム鈴木選手 |