
第88回日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)競泳競技、大会2日目の8日、個人種目5種目の予選・決勝と男女400mメドレーリレーが行われた。初日の学校対抗得点山梨学院女子は、1位の中京大に21点差の2位。2日目もチーム一丸となりレースに臨んだ。この日の山梨学院勢は、200m個人メドレーの加藤和、女子400mメドレーリレーチームが決勝に進出。予選6位の加藤は仲間からのメッセージが書かれたTシャツを持って入場。仲間の声援を受け、後半追い上げ、3位表彰台を獲得。女子400mメドレーリレーでは、山下安輝・鈴木聡美・中坊彩・下中千明がチームのために力泳。第1泳者の山下が2番で鈴木に繋ぐと、鈴木は五輪メダリストの意地を見せ1位に浮上。第3泳者の中坊はチームに貢献することだけを頭に 積極的にレースを進め1位を死守してアンカー下中へ。下中は残り50mで2位の筑波大に100分の3秒差まで追い上げられるが周りを見ずに集中してゴールを目指す。その結果、2位とはわずか100分の5秒差だが、山学女子は2年ぶり3度目の優勝を果たし、女子総合優勝に望みを繋いだ。
■加藤 和、仲間の応援を受け3位表彰台(女子200m個人メドレー)
ロンドン五輪出場の加藤和(4年 桜の聖母短大)は、予選6位で決勝に進出。先月29日にぎっくり腰を発症し、5日間練習ができない日が続いた。加藤は、同じ個人メドレーの後輩から贈られた応援メッセージが書かれたTシャツを握り締め入場。バタフライと背泳ぎを終えた段階では5位だったが、後半に強い加藤は得意の平泳ぎで3位に浮上。最後のクロールでも順位を維持し、予選から2秒近くタイムを上げ、2分13秒79で3位表彰台を獲得した。レース後、
加藤 和選手は「タイムも予選の15秒台から13秒台まで上げられて表彰台に乗れたので良かった。後輩が書いてくれたメッセージが力になり、励みになりました。学校対抗で1位の隣のコースの中京には負けられないという思いで泳ぎきりました。ぎっくり腰をやって、5日間泳げなくて、自分でどこまでできるか分かりませんでしたが、水の感覚や泳ぎのキレも出てきたので、400につながるレースができました」と語った。
■山下・鈴木・中坊・下中で優勝(女子400mメドレーリレー)
昨年、この種目の優勝を逃し、王者奪還を目指した山梨学院女子。
リレーメンバーの山下・鈴木・中坊・下中は、チームお揃いのマスコットを握り締め、応援席の仲間にハイタッチしながらの入場。第1泳者は、昨日の100m背泳ぎ3位の山下安輝(1年 豊浦高)。50mを5位で折り返すものの、じりじりと追い上げ、2位で第2泳者・平泳ぎの鈴木聡美(4年 九産大九州高)へバトンを繋いだ。鈴木は、快調に飛ばし1位で50mを折り返すと75mからは2位と体半分リード。1位でバトンを受けた第3泳者・バタフライの中坊彩(4年 京都外大西高)はチームに貢献することだけを頭に積極的にレースを進める。中坊は、優勝を信じ1位を死守して泳ぎきり、アンカー・自由形の下中千明(4年 北陸大谷高)にバトンを繋ぐ。下中は、昨日の50m自由形を初優勝した実力者。残り50mで2位 の筑波大に100分の3秒差まで追い上げられるが、50mの時と同様、周りを見ずに集中してゴールを目指した。勝敗はタッチの差に委ねられたが、普段の練習からタッチには気を遣っているという下中が、100分の5秒上回り、2年ぶり3度目の優勝を果たした。歓喜の瞬間、プールサイドの3人は両腕を上げてガッツポーズし、喜びを表現。下中がプールから上がると4人は、応援席の仲間に手を振り、喜びを共有した。
山下安輝選手は「タッチしてタイムを見るまで自分が何位か分からなかった。こんなに素晴らしい4年生とリレーが組めただけで嬉しいのに優勝できてありがとうございました。次が聡美さんなので心配なく自分が精一杯頑張るだけでした。泳ぎ終わったあとは、絶対優勝できると思って先輩方の泳ぎを見ていました」と涙ながらに語り、
鈴木聡美選手は「1年からメドレーリレーには出ていて、今年は4年生で最後なので強い気持ちで泳ぎました。インカレで優勝するのは格別です。残り1日、これから控えている選手もいるので、総合優勝を目指して頑張りたい」と笑顔で語った。
中坊 彩選手は「このメンバーで戦うことをずっと前から思っていて、このメンバーで優勝できて嬉しいです。この大会、個人で成績を残せなくて、リレーはチーム順位に大きく加算されるのでチームに貢献できて良かったです。3年間ずっと聡美が引っ張っていて、そのリードを保てないこともありチームには迷惑をかけていたので、今年こそはリードを保って繋げることができてよかったです」と目を潤ませながら語り、
下中千明選手は「1年間、メドレーリレーで優勝することを考えて練習してきてその結果が出せて良かったです。泳ぎながら周りを見なかったので順位は分からなかったですが、ラスト15mは絶対優勝する気持ちで泳ぎました。3人までは絶対に1番で帰ってくることを信じていたので、1位でゴールできて嬉しいです」と目を輝かせながら話した。
この他、山学勢では、女子800m自由形で野中瑞姫(4年)が予選2位、男子1500m自由形で自己ベストをマークした江原騎士(1年)が予選6位で明日の決勝進出を決めた。また、女子主将の村上優海(4年)が女子200m個人メドレーB決勝で健闘。B決勝の順位も学校対抗得点に加算されるため、村上は総合優勝を目指し自己ベストの2分15秒62のトップでゴール、チームに貢献。
村上優海主将は「B決勝だったけど絶対にチームで総合優勝をしたかったのでラストまで全力で泳ぎました。神田監督に入場前に"頑張って"と声をかけてもらえて、一言だったけど重みがあり、リラックスできました」と述べ、主将として臨んだ最後のインカレについて「どうしても最後に自分のレースでチームに勢いをつけて欲しかったので頑張りました。個人メドレー決勝では加藤が表彰台に上がり、リレーでは優勝し、みんなに良い流れを示せて良かったです」と晴れやかな笑顔で語った。
大会2日目が終わり、学校対抗得点で山学女子は1位と32点差の168点で4位、男子は11位となっている。大会は明日9日が最終日、山学勢は、鈴木聡美が2冠を目指して200mに、50m自由形を制した下中千明が100mに出場。個人メドレーでは加藤和が400mに登場。選手、マネージャー全部員が心ひとつに総合優勝を目指し健闘、躍動する。
第2日目山学勢の結果
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)
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アルバム加藤選手 |
アルバム女子400mメドレーリレー |