山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球秋季リーグ戦(第2節)
~山学 初戦の平成国際に1対0で白星スタート ~
~エース・高梨 延長15回を熱投『完封勝利』~

2012年関甲新学生野球秋季リーグ戦(第2節1戦目)は9月8日、埼玉県の平成国際大学野球場で2試合を行った。第2試合は2年連続関東大会出場を目指す山梨学院大学と、今季第1節で春季優勝の上武大学に2連勝し波に乗る平成国際大学が対戦。両校エースの投手戦で延長15回の死闘の末に、開幕第一戦となる山梨学院が1対0で勝ち白星スタートとなった。山梨学院のマウンドには公式戦1年ぶりのエース・高梨裕稔が上がった。高梨は13回裏に二死満塁のピンチに追い込まれるも後続を内野ゴロに仕留める力投。打撃陣は15回表の二死から、6番・加賀美祐樹が右前安打で出塁し相手投手の暴投で一気に三塁を陥れ、7番・大丸浩平の中前安打で生還し1対0とし高梨を援護した。その裏、高梨はクリーンナップトリオを難無く3者凡退に退け、168球の熱投で完封し見事に復帰戦を飾るとともにチームに貴重な白星をプレゼントした。


□山梨学院のエース・高梨裕稔(3年・土気高)が1年ぶりに関甲新のマウンドに向かう。高梨は昨秋季に最多勝利投手(6勝)となる活躍で関東大会初出場の立役者となり、関東大会でも好投し1勝をあげた勢いそのままに、4月開幕の春季リーグにチーム一丸となり初優勝し神宮出場を目指そうとしていた。その矢先の3月27日、プロ・大学野球交流戦の巨人軍第2二軍戦で先発し、高梨は右腕に違和感を覚え降板。それ以来、公式戦や対外試合から姿を消した。高梨は焦ることなく調整を続け、7月14日の国際親善試合で初先発するなどの実践感覚を掴み、満を持して山梨学院の開幕投手となった。


 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
合計
山梨学院
0
0
0
0
0
0

0

0
0
0
0
0
0
0
1
1
平成国際
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0

●【山梨学院】
●【投手】高梨(勝ち投手)投球回数15、打者50、打数46、投球数168、安打5、犠打1、四球3、三振7、失点0
●【捕手】田中
●【長打】〈二塁打〉高田
●【気象状況】天気(晴れ)、気温(26度)、湿度(86%)、風向(東) 


◆先攻の山梨学院は1回表、一死から主将の2番・高田千暉(3年・木更津総合高)がフルカウントから左フェンスに到達する二塁打で出塁。続く春季首位打者の3番・中村圭輔(2年・熊本国府高)がストレートの死球を選び一死一二塁としたが、後続が倒れチャンスを逸する。

◆1回裏、エース・高梨が1番・2番打者を伸びのあるストレートとキレのある変化球で連続三振とし、3番打者をピッチャーゴロに仕留め危なげのない立ち上がりを披露。

◆5回表、先頭打者の6番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府高)が中前安打で出塁するが牽制でタッチアウト。二死後、8番・田中貴也(八重山商工高)が中前安打で出塁するものの後続が倒れるちぐはぐな攻め。

◆6回表、二死後に3番・中村が左前安打で出塁し、透かさず盗塁し二死二塁としたが得点できない。

◆8回表の一死後、9番・渡辺晶也(3年・山梨学院高)が右前安打で出塁。続く1番・平井慎也(3年・富士学苑高)の犠打で二死二塁としたが、後続が倒れまたもや無得点。

◆13回裏にエース高梨が、先頭の2番打者の右前安打と犠打で一死二塁とされると、無安打に抑えている4番打者に守りやすさを考慮しての四球を与え一死一二塁とする。続く5番打者を中飛で打ち取り二死一二塁としたが、6番打者に四球を与え二死満塁のピンチ。しかし、7番打者を三塁ゴロに仕留めるマウンド裁きでピンチを切り抜ける。

◆15回表の二死後、6番・加賀美が1ー0から右前安打で出塁すると、相手投手が途中出場で初打席の7番・大丸浩平(2年・甲府商業高)への初球を暴投、その間に加賀美が俊足を生かし一気に三塁へ。大丸の右前安打で加賀美が生還し1対0とする。

◆15回裏、味方の援護を受けたエース・高梨が、クリーンナップトリオを迎え、先頭の3番打者を空振り三振、4番を右飛に、5番を二塁ゴロに打ち取り、168球の熱投の完封勝利をあげるとともにチームに白星をもたらした。


□延長15回二死から右前安打で出塁し、相手投手の暴投で三塁を陥れ決勝打のお膳立てをした6番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府高)は「自分が出て、相手投手にプレッシャーを与え、相手投手が崩れてくれればと思い、球に逆らわず右前安打した」。続く7番打者・大丸への初球がワイルドピッチとなり、「捕手の追い方が遅かったので、三塁に行けると判断し迷わず三塁に滑り込んだ」。「大丸とはいつも全体練習の終わった後、2人でティーバッティングしていたので、必ず打ってくれると信じていた」。大丸の中前安打で「ホームを踏んだ時の気持ちは言葉では表せない」と満面に笑みを浮かべて答えた。

□14回の守備からの途中出場で15回初打席で決勝打を放った大丸浩平(2年・甲府商業高)は「とにかく、高梨さんも頑張っていて、ベンチに居て厳しい試合だったので、このチャンスに加賀美を本塁に還すことだけを考えて集中してバッターボックスに立った」。「加賀美が二塁ではなく、三塁に進塁してくれたことで打者優位になり、バッティングに迷いが無くなった」。カウント2ー0から甘い球を見逃さず「真ん中のストレートを迷わず振り抜いた」。大丸の打球は中前適時打となり加賀美をホームに生還させた。「後は裏をしっかり守ろうと気を引き締め守備についた」と汗を拭いながら喜びを語った。

□公式戦は右腕の違和感で1年ぶりの登板となった昨秋の最多勝利投手のエース・高梨裕稔(3年・土気高)は「2月下旬の巨人軍第2二軍戦で右腕に違和感を覚え、春に出場できなかったので悔しい思いをした」と感慨にひたる。そのぶん「点を取ってもらうまで、何回でも行こうと思い、気持ちはキレなかった。自分の球をしっかり投げれば抑えられると自分を信じて投げ続けた」と振り返った。味方が15回の表に1点取ってくれたとき、「裏をしっかり抑えようと集中した」と、気持ちがプラスに高揚した。「今日は、変化球のキレが良く、ストレートは伸びていた。15回投げても球威が落ちることはなかった。合格点をつけたい」と熱投を自賛。「明日も『投げろ』と言われれば投げたい。今日、 宿に戻って何時でも投げられる準備をしたい」と公式戦で投げられる喜びを手放しで語った。

□初回に二塁打を放ち、守備では併殺などの堅守を披露した主将・高田千暉(3年・木更津総合高)は「しんどかった。チームは初戦という硬さと、好投している高梨を早く援護したいという気持ちが入り過ぎ、ここ一本がなかなか出なかった。明日は良い意味でリラックスして、チームスローガン『AGGRESSIVE BASEBALL~挑戦~』を実践できるように、積極的で攻撃的な野球をしたい」と述べた。

高橋一三監督は「今日のゲームは一番大事だった」と開口一番。「うちの持ち味であるバッテリーを中心に、しっかり守り切り勝てた」と微笑んだ。攻めては、「加賀美と大丸は、全体練習が終わった後に何時でも一緒に夜遅くまでバットを振っている。そういう姿勢が決勝点となって表れた」と頷いた。「加賀美が安打で出塁し、ワイルドピッチで思い切り躊躇なくスタートを切り、セカンドを勢い良くまわっていたので、止めずに三塁を積極的に狙わせた。大丸は2ボールの3球目を見逃さずに良く打った」と2人を誉め称えた。山梨学院の開幕戦投手は「絶対落とせない第1戦、最初から高梨で行くと決めていた」ときっぱり。「高梨には4回ほど練習試合で投げさせ復調を確信していた」。延長15回 、「高梨を代える必要はなかった。高梨の変化球があれだけ決まれば、持ち味のストレートも生きてくる。申し分ない投球内容だった」とエースの168球の熱投での完封に目を細めた。「明日は4年生の穴田で行く。攻撃陣には繋ぐ野球を期待したい」と球場を後にした。

文(H.K)、カメラ(深瀬真治)
| アルバム1 | アルバム2 |

Copyright (C) 2012 YGUPC. All Rights Reserved.