山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球秋季リーグ戦(第2節)
〜山梨学院 平成国際に4対2で2連勝勝ち点1〜
〜高橋采配が相手を撹乱 8回に四球で勝ち越し〜

2012年関甲新学生野球秋季リーグ戦(第2節2戦目)は9月9日、埼玉県の平成国際大学野球場で2試合を行った。第2試合は両エースが延長15回の死闘を繰り広げた山梨学院大学と平成国際大学戦。山梨学院が8回逆転で一挙4得点を奪い4対1で勝ち、このカード連勝で勝ち点1を収めた。高橋監督は早めの投手交代で最少失点の1点と踏み止まった8回裏、先頭が四球で出塁「ここしかチャンスはない」と、代走を送り犠打で二塁に進塁させ、代打・宮澤嵐の左前安打で1対1とした。両陣営の目まぐるしい采配の中、相手ベンチがたまらず昨日15回の死闘を演じたエースをマウンドに上げた。ここで高橋監督は前打席で安打を放っている4番に敢えて、昨日「このエースから決勝打を放って ヒーローになっている大丸に、相手が意識するだろう」と、大丸浩平を当て込んだ。監督の読みどおり、大丸がストレートの四球で2対1と勝ち越すと、5番・菊池紳弥の初球を狙い澄ましての左前安打で2者が生還。この回、高橋采配が相手を撹乱し一挙4得点を奪い試合を決めた。


□昨日の、延長15回の攻防戦の興奮冷めやらぬ平成国際野球場。薄曇りで湿度の高い昨日とは打って変わって秋晴れの球場。延長15回の死闘の末に勝利し勝ち点に王手をかけた山梨学院は、2連勝を目論み試合に挑んだ。高橋監督は春季リーグで防御率チームナンバーワンの穴田真太郎(4年・PL学園高)を「春季より直球、変化球ともに球威が増している」と先発に指名した。

 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
平成国際
0
0
0
0
1
0

0

0
1
2
山梨学院
0
0
0
0
0
0
0
4
0
4

●【山梨学院】
●【投手】穴田 投球回数4回1/3、打者18、打数14、投球数63、安打2、四球3、死球1、三振3、自責点1
●【投手】山田 投球回数 2/3、打者5、打数5、投球数13、安打2、三振1、失点1
●【投手】松尾(勝ち投手)投球回数4、打者15、打数12、投球数40、安打2、犠打2、犠飛1、三振2
●【捕手】田中
●【気象状況】天気(晴れ)、気温(32度)、湿度(60%)、風向(南) 


◆後攻の山梨学院は1回表、技巧派・穴田真太郎(4年・PL学園高)が先発。1番打者を見逃し三振、2番・3番打者に連続安打され一死二三塁とされるも、4番打者を空振り三振に斬って取り、5番打者を見逃しの三振に仕留める。

◆5回表に技巧派・穴田が、先頭の8番打者をストレートの四球で歩かせ、9番打者の犠打を二塁へ悪送球し無死一二塁とした所で、春季リーグ最多勝利投手の山田祐也へスイッチ。山田が1番打者の犠打を落ち着いて処理し三塁封殺で一死一二塁。続く2番打者の右前安打で満塁とされ、3番打者に右前適時打を放たれ先取点を許す。

◆6回表、マウンドに大型新人・松尾勇太(1年・米子西高)が上がり、6番打者を三飛に7番打者を見逃し三振に、8番打者を右飛に打ち取る1年生らしからぬマウンド裁きを披露。

◆8回裏、先頭の7番DH・坂田親哉(4年・済美高)が四球で出塁。高橋監督は代走に中川誠士郎(2年・熊本工業高)を起用。8番・田中貴也(2年・八重山商工高)の犠打で代走・中川が二塁へ進塁。高橋監督は9番に代打・宮澤嵐(3年・佐久長聖高)を起用。「思い切って行け」とバッターボックスへ送ると、代打・宮澤はベンチに応える左前安打を放ち。代走・中川が二塁から一気に生還し1対1の同点とした。高橋監督は間髪容れず、一塁ランナーとなった宮澤に、代走・古屋啓輔(2年・巨摩高)を起用。1番・平井慎也(3年・富士学苑高)の犠打で代走・古屋が二塁へ。主将の2番・高田千暉(3年・木更津総合高)がフルカウントから死球を受け二死一二塁。春季リーグ首位打者の3番・中 村圭輔(2年・熊本国府高)。ここで相手ベンチも動き、先発投手を降板。代わった投手の中村への初球暴投で二死二三塁とし、さらに中村がストレートの四球で満塁。相手ベンチがたまらず、昨日15回の死闘を演じたエースをマウンドに上げた。これを見た高橋監督は前打席にヒットを放っている4番に敢えて、昨日延長15回二死三塁で代打での決勝打を放った大丸浩平(2年・甲府商業高)を当て込んだ。大丸は相手エースからストレートの四球を引き出し、押し出しで2対1と勝ち越し点をあげる。さらに今日3打数2安打の5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)の、初球を狙い澄ましての左前安打で2者が生還。高橋采配が相手を撹乱し、一挙に4得点を奪い試合を決めた。


□緊迫するマウンドを1年生ながら任された大型投手・松尾勇太(1年・米子西高)は「1対0とまだチャンスがある状況だったので、1点も追加点をやらない気概で投げた。しっかりストライクが先攻でほうれたので調子は悪くなかった。ストレート、カーブ、スライダー、フォークボールと自分の思うような投球ができた」と大役を成し遂げた満足げな表情で振り返った。

□同点打を放った代打・宮澤嵐(3年・佐久長聖高)は「監督に告げられた時は多少緊張した。絶対打ってやろうと打席に立った。一球目のボール球を落ち着いて見逃し、2球目の外低目の真っ直ぐを振り抜いた。これからも期待に応えて行きたい」と淡々と述べた。

□4打数3安打2打点と猛打の5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)は、猛打について「昨日、6打席立って一本も打てなかったので、昨日に脇の空きだけを修正して今日の試合に臨んだ。それが良かった」と、8回の駄目押し点については「前の打者(大丸)が四球で出塁したので、初球に絶対甘い球が来ると思い打席に立った。初球、低目の真っ直ぐを逆らわずに逆方向に、理想どおり上手く打てた」と晴れ晴れと笑顔で述べた。

主将・高田千暉(3年・木更津総合高)は「昨日も今日も苦しかったけれど、この様な粘りの野球ができて、次に繋がる戦いだった」とカードを振り返り、次回の白鴎戦について「特に苦手意識もないので、相手を意識せずに自分達のできることをしっかりやり、悔いの残らない戦いにしたい」とキャプテンシーを覗かせた。

伊藤彰コーチは平成国際戦を振り返り「2戦ともに厳しい戦いだった。延長15回と8回裏に逆転という厳しい戦いの中で選手は良く勝ち切ってくれた」としみじみと頷いた。来週の白鴎戦に向けて「白鴎は必ず優勝や上位に入ってくるチームなので、今回のカードの様な戦いができるかどうか真価が問われる」と厳しい形相に変わった。決戦まで「白鴎戦に向けた実践を選手とともに行いたい」と述べた。

高橋一三監督は「相手投手を打ちあぐんでいたが、投手陣が頑張って最少失点の1点に抑えてくれ、8回に4点をあげ逃げ切れ計算通りだった」と述べた。継投した投手について「先発の穴田は状態は決して悪くなかったが、バント処理で二塁へのフィルダーズチョイス(野手選択)で無死一二塁としたので、早めに山田にスイッチした。山田はあの場面で勢いづく相手を1失点に抑えてくれた。後、1年生ながら松尾が良く投げてくれた」と投手陣の踏ん張りを振り返った。8回の攻防について「ここしかチャンスがないと思い、代打・代走と積極的に仕掛けた。代打・宮澤で同点として、相手が昨日のエースをつぎこんで来たので、15回二死から代打でこのエースから決勝打を放ってヒーローになって いる大丸に、相手が意識するだろうと読み迷わず代えた。四球での勝ち越し、そして菊池が駄目押しの2点打で、今日は3安打と昨日の打たなかった分の帳尻を合わせてくれた」と8回の攻防に満悦の表情。「来週、ホームでの白鴎戦、ここも大きな山、どうしても越えたい」と顔を引き締め球場を後にした。

文(H.K)、カメラ(深瀬真治)
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