
平成24年司法試験の合格者が9月11日、法務省から発表された。今年から新旧司法試験の併行実施が終了したことに伴い、新司法試験は司法試験に名称が変更。平成24年司法試験は、受験者8,387人に対し最終合格者は2,102人、合格率は25.06%。山梨学院大学法科大学院からは49人が受験し8人(男性5人、女性3人)が合格。合格者数8人という数字は、全国74校中39位。合格率は16.63%、これは全国74校中32位、私学順位で見ると49校中17位。合格者数、合格率ともに昨年を上回る結果となった。合格者8人には、山梨学院大学法学部出身者も2人含まれており、会見で荒牧重人法務研究科長は「山梨学院大法学部出身者の合格は初の快挙。学部でも研鑽を積み、法科大学院でも一生懸命努力した結果で、本当に心から嬉しく思う」と生え抜きの合格者誕生に喜びを語った。会見には合格した山学大法学部出身の藤本紗季さんと中川佳治さんも同席し、合格の喜びや今後の抱負を語り、恩師と喜びを分かち合った。
平成24年司法試験は8,387人が受験し最終合格者は2,102人。合格率は25.06%。合格者の平均年齢は28.54歳で最高年齢63歳、最低年齢21歳。合格者の性別は男性1,557人(74.07%)、女性545人(25.93%)。山梨学院大学法科大学院からは49人が受験、このうち男性5人、女性3人の8人が合格し合格率は16.33%。合格者8人は全員法学未修者を対象とした3年コース修了者。合格者8人のうち2人は、初の山梨学院大学法学部出身。山学大法学部出身者からは初の合格者の誕生で、このことについて
荒牧重人法務研究科長は「山梨学院大法学部出身者の合格は初の快挙。学部でも研鑽を積み、法科大学院でも一生懸命努力した結果で、本当に心から嬉しく思う」と生え抜きの合格者誕生に喜びを語り、毎年着実に安定して合格者を輩出していることについては「1つ目には学生の努力。2つ目に法科大学院の教職員をはじめとする学園をあげてのバックアップ。3つ目には山梨県弁護士会をはじめとする県内法曹界のサポートが合格に結びついていると思います。8人という数字は必ずしも多いとはいえないかもしれませんが、着実に法曹界に優秀な人材を送り出せたと今年も思っています。修了した学生が実際に法曹になって、しっかりと自分の目指す法曹や社会に貢献できる法曹になることで、山梨学院大法科大学院の評価が出てくると思ので、今後8人には法曹になってからも注目し、期待していきたい」と述べた。
この日の記者会見には合格した山学大法学部出身者の2人も同席し喜びや今後の抱負を語った。今年2回目の受験で合格を果たした
藤本紗季さんは、山梨県西桂町出身の27歳。桂高校を卒業後、山学大法学部に進学。高校時代、大学の進路選択で迷っている時に、少年の実名報道の問題をニュースで見て法曹を目指そうと思い法学部進学を決めた。合格発表までは、結果を知りたい気持ちと知りたくない気持ちと複雑な日々を過ごした藤本さん。合格発表の前日はあまり眠れず、深く考えないようにしたという。合格発表はスマートフォンで確認。自分の受験番号があったものの信じられずに父親に電話で再確認をお願いした。父親からは「信じられない。合格して良かったね」と言葉をかけてもらった。藤本さんは「自分でもまだ受かったことが信じられずにいます。自分ひとりの力ではなく、学部時代からご指導いただいた先生方のおかげだと思っています」と喜びを語った。法科大学院での思い出を尋ねると「勉強が進まず、単位を落としそうになり、進級できない危機があったのが思い出にあります。その時も学部の先生方が、読みやすい本を紹介してくれたり、様々なフォローをしてくれたおかげで無事進級することができました」と懐古した。
一方、初めての受験で合格を射止めた
中川佳治さんは、山梨県甲府市出身の25歳。甲府南高校を卒業後、山学大法学部に進学。学部1年生から司法研究室(現在の法科大学院研究室)に所属。都内の大学に進学した兄が先に司法試験に合格しており、兄の背中を追いかけ法曹を目指し、勉強を重ねた。大学時代は、弓道部にも所属。大学1年の時には、全関東学生選手権に出場し、武道の聖地・日本武道館で弓を引いた。苦しい受験勉強も弓道部時代の楽しい思い出があったからこそ乗り越えられたという中川さん。試験終了後から合格発表までは、旅行などに行きリラックスして過ごしていたが、合格発表当日になって食事が喉を通らず、手も震え出したという。中川さんは「山梨学院大学に入学した時から司法試験の合格だけを考えて勉強してきました。なんとか一発で合格できて嬉しく思います。学部時代から沢山の先生方に支えられて今の自分があると思っているので、自分ひとりの力ではないと思います」と涙ながらに喜び語った。また、中川さんは苦しい時の心の支えになった弓道部の仲間に対し「1年の時から司法研究室に所属して、あまり練習に参加できない自分を温かく迎えてくれて嬉しかった。弓道部の仲間と過ごした楽しい思い出があったから辛い勉強も乗り越えることができた。この合格は、弓道部のみんなのおかげでもあります」と晴れやかな笑顔で述べた。
二人とも将来は山梨県内での弁護士を志望しており、藤本さんは「山梨学院大法科大学院 の"地域に根ざした地域に貢献できる法曹養成"という理念に共感があり、自分もそうなりたいと思っているので、色々な人が相談しやすい弁護士になりたいです。また、チャンスがあれば、少年の人権に関わる仕事や少年事件も担当したい」と話し、中川さんは「司法試験の科目で「環境法」を専攻していたので、環境法の分野に精通した弁護士を視野に入れて勉強をしていきたい」と抱負を語った。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)
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