
法学部政治行政学科江藤俊昭教授のゼミナール生6人グループが、山梨学院学生チャレンジ制度の認定を受けて、「学生が創る一票〜高校生に政治・社会の仕組みを若者自身が教える〜」活動に取り組んでいる。活動の内容は、県内の高校を訪問して選挙制度について考える出前講座を実施するもの。講座内容は、若者の投票率の低さに着目し若者が投票に行かないとどのような結果になってしまうかを、若い大学生の観点から若い高校生に伝えようというもの。7月に甲府商業高校で実施したのに続き、9月14・15の両日、山梨学院高校1年8組の生徒を対象に2度目の出前講座を実施した。日本の選挙制度と海外との違いなどを伝えるとともに、本当の選挙活動と投票行動を知ってもらうために立会演説会と模擬投票を実施、高校生に選挙と投票の大切さを訴えた。
研究グループは、代表の清水勇希さん・高梨達也さん・瀧口真理子さん・澤登浩陽さん・村松光祐さん・佐野航大さんの6人。ゼミの先輩たちの活動を見て、学生の活動や研究を資金面でサポートする山梨学院学生チャレンジ制度を活用して、大学生のうちに大学生だから出来る何か変わったことに挑戦してみようと始めた。政府が選挙権を現行の20歳以上から18歳以上への引き下げを検討していることや、総務省が若年層の選挙認識を高める活動を推奨しているのを知り、卒業するとすぐに投票所に行くことになるかも知れない高校生を対象にした"大学生による高校出前講座"にチャレンジしている。
2度目の出前講座は、山梨学院高校1年8組の生徒40人を対象に、14日3時限と15日1時限の授業で2日間にわたり実施された。7月の甲府商業高校の時は、メンバー全員が上がり気味で、やや滑ったところもあったが、今回は全員が落ち着いていた。前回の反省点を生かし、うまく行かなかったところを改善して、誰もがグンと成長した姿を見せた。「習うより、慣れろ」を絵に描いたような出来の出前講座となった。講座の内容は、選挙制度の誕生から現行制度の仕組み、国政と地方政治の違い、世界の選挙年齢や投票率の推移などを紹介するもの。政治への関心が低い高校生に判りやすく伝える事に工夫を凝らした。最も力を入れて訴えたのは、「若者が投票に行かないと若者向けの政策が作られ にくい」ので、「若者の意見も政治に取り入れてもらうために、選挙権を得たら選挙に行こう」と訴え、若い高校生の共感を得ていた。最後に、4人の学生が「きずな党」「未来党」「みどり党」「希望党」代表として立候補演説を行い、甲府市選挙管理委員会からお借りした投票所セットで実際の投票と同じ手順で生徒に投票してもらった。開票作業の結果は、年金改革で財政破綻を打破しようと訴えた「希望党・村松光祐さん」が21票を獲得して当選となった。
受講した女子生徒3人は「判りやすく説明してくれて、知らなかったことが良く分かりました」、「新聞やニュースに関心がなかったけど、見ようと思います」、「18歳以上に引き下げてもらいたい」とそれぞれ話し、野球部員の岩本俊一君は「大人になったら、打席に入る時のように緊張感を持って、政治や選挙について良く考えて投票したい」と語った。メンバーの代表清水勇希さんは「生徒の反応が良くて、前回より上手く行ったと思います。世の中が解散総選挙に向けて動いている丁度良い時にチャレンジ出来て良かった」と感想を述べた。
研究グループは、今回の経験を踏まえて、選挙の仕組みや歴史についての冊子作成を計画している他、ヒヤリング調査などを行ない、最終的には活動報告会を実施する。政治や選挙への関心を高める取り組みを、学生の立場から社会に発信していくことにしている。
文・カメラ(M.T)
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山梨学院高出前講座アルバム]