山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球秋季リーグ戦(第4節)
〜山学先勝 打線奮起「繋げる野球爆発」松本に6対0〜
〜7番・田中 本塁打含む4の4サイクル安打捨て繋ぐ〜

2012年関甲新学生野球秋季リーグ戦(第4節1戦目)は9月22日、栃木県の小山市運動公園野球場で2試合を行った。第2試合は暫定3位の山梨学院大学と暫定6位の松本大学が対戦。2年連続2回目の関東大会出場を目指す山梨学院は打線が奮起。長短14安打2四球3盗塁と繋げる野球が爆発し6対0で勝ち初戦を制した。山梨学院は2回表に5番、6番、7番の連続安打で一死満塁続とし、9番・平井慎也の左前適時打で先制点を奪うと、続く1番主将・高田千暉の左前適時打で加点し2対0とした。続く3回表、3番が安打で出塁し盗塁を決め無死二塁、6番・加賀美の中前安打で3対0、さらに4回表には1番主将の三塁打と3番・中村圭輔の四球と中村の二塁へのスチールが相手失策を誘い4対0と、一変して足を絡める攻撃で相手を圧倒。5回表には、7番・田中貴也が1ー0からの2球目「真ん中、低目のカーブ」をジャストミートし右越え芝生席に突き刺さる本塁打を放ち5対0とする。その田中が7回表には一二塁で三塁打が出るとサイクル安打の記録達成となる場面で、あえて記録への挑戦をかなぐり捨て「繋ぐというチームバッティングを意識して」、4打席4安打となる右前安打を放ち6対0として試合を決めた。守ってはエース・高梨裕稔と期待の新人・花城大輔の継投で完封し松本大に先勝した。


□山梨学院大学は、平成国際大学に2連勝したあと、ホーム球場で白鴎大学に手痛い2連敗を喫して、勝ち点1の2勝2敗で上武大学とともに暫定3位となった。2年連続2回目の関東大会出場を目指す山梨学院は、暫定1位・白鴎(勝ち点2の4勝0敗)、2位・作新(勝ち点2の4勝2敗)を追う展開となった。あとがなくなった山梨学院は、暫定6位の松本大学(勝ち点0の0勝4敗)には是が非でも連勝して勝ち点をあげたいところ。山梨学院は、エース・高梨裕稔(3年・土気高)をマウンドに上げた。

 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
山梨学院
0
2
1
1
1
0

1

0
0
6
松本大学
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0

●【山梨学院】
●【投手】
☆高梨(勝ち投手)投球回数7、打者25、打数21、投球数107、安打3、犠打1、四球2、死球1、三振8
☆花城 投球回数2、打者8、打数8、投球数27、安打3
●【捕手】田中
●【長打】〈二塁打 田中、三塁打 高田、本塁打 田中〉
●【気象状況】天気(曇り)、気温(23度)、湿度(64%)、風向(北東) 


◆先攻の山梨学院は1回裏、エース・高梨裕稔(3年・土気高)が、先頭打者を3ー2から遊ゴロに、2番打者を2ー2から見送り三振、3番打者を1ー2から見送り三振に斬って取る上上の立ち上がり。

◆2回表の一死後、5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)が左前安打で出塁すると、6番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府高)、7番・田中貴也(2年・八重山商工高)の連続安打で一死満塁。続く8番の遊ゴロで本塁封殺とし二死満塁。9番・平井慎也(3年・富士学苑高)が2ー2からの「外の配球で甘めに入ってきた直球」を左前適時打し、加賀美を生還させ先制点を奪う。続く1番主将・高田千暉(3年・木更津総合高)の左前適時打で追加得点し2対0とする。

◆2回裏一死後、エース高梨が4番打者に右前安打、5番打者に四球を与え一死一二塁とするも、7番打者を空振り三振に打ち取り、8番・右打者の0ー1から、サインプレーで高梨がアウトコースへストレートの速球を投げ、捕手・田中貴也(2年・八重山商工高)が一塁手・菊池紳弥(3年・学法石川高)へ矢のような送球、菊池がキャッチしてすかさず一塁走者へタッチ、目の覚めるような3人の連携プレーで相手の攻撃の芽を摘む。

◆3回表、先頭の3番・中村圭輔(2年・熊本国府高)が右前安打で出塁して盗塁を決め無死二塁、4番・5番が倒れ二死二塁とするも、6番・加賀美の中前安打で、中村が二塁から一気に本塁を突き3対0と追加得点をあげる。

◆4回表、先頭の1番主将・高田が右翼手への三塁打で出塁。一死後、3番・中村が四球で出塁すると、中村の二塁へのスチールが、捕手の中前に転がる悪送球を誘い、それを見て高田が生還し4対0とする。

◆5回表の一死後、7番・田中が1ー0からの2球目「真ん中、低目のカーブ」をジャストミートすると右越え芝生席に突き刺さる本塁打となり5対0とさらに引き離す。

◆7回表の一死後、5番・菊池の中前安打、6番・加賀美の中前安打、7番・田中の右前安打の3連打で6対0。

◆7回裏、エース・高梨が、先頭の5番打者を遊ゴロに、6番打者を三飛に、7番打者を遊ゴロと3者凡退に打ち取る。

◆8回裏、マウンドに期待の新人・花城大輔(1年・八重山商工高)を送る。花城が先頭の8番打者に左前安打されるが、9番打者を6ー4ー3の併殺に仕留める。続く1番打者に中前安打されるも、2番打者を遊ゴロに打ち取る力投。

◆9回裏、花城が先頭の3番打者の意表をつくセーフティーバントで出塁をされ、盗塁で進塁を許すが、続く4番打者を二飛、5番打者を遊ゴロ、6番DHを左飛に打ち取り6対0で松本大との第1戦を制した。

◆山梨学院大学は、明日の第一試合で松本大学に連勝し、勝ち点2の4勝2敗として暫定2位の作新学院大学と並びたいところ。

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□左安打、左中間を破る二塁打、右越え芝席に運ぶ本塁打、右前適時打と4打数4安打の大活躍した7番・田中貴也(2年・八重山商工高)の口から飛び出したのは、まず「投手が抑えて、打者が繋いで、チームが勝てて良かった」と大きく息を吐き出した。4打数4安打は「繋ぐ野球に徹した結果」と至って謙虚。ホームランは「真ん中、低目のカーブ。感触は十分あった」と白球が右越えの芝生席に突き刺さった。三塁打でサイクル安打の記録が成立する第4打席「ベンチに居る時は、サイクル安打が頭をよぎったが、いざ打席に向かうと自然に繋ぐというチームバッティングを意識して、球に逆らわずに打てた」と満面に笑みを浮かべた。「こういう試合の次が大事。チームともども頑張ります」と気を引き締めていた。

□2回表の二死満塁で左前に先制打を放った9番俊足・平井慎也(3年・富士学苑高)は「前の打者が、全力疾走(内野ゴロで懸命に一塁に走り、併殺を逃れ本塁封殺に)して繋いでくれたので、その気持ちを汲んで打席に向かった」。「今季、一本もヒットが出ていなかったので、得点チャンスの場面で打席がまわってきたが、1点というより、次の打者に繋げようという意識で打席に立った」。それが力みなく「2ストライクに追い込まれてからの、外の配球で甘めに来たストレート」を「繋ぐチームバッティングで打てた」と率直に心境を振り返った。

□松本打線を7回0点に抑え力投したエース・高梨裕稔(3年・土気高)は「今日の調子は良くなかった。結果は0点に抑えたが、内容が悪かった」と表情が冴えない。一呼吸して「制球力がなかった」と吐き出し、「コントロールがなく四死球を出した」と言葉を重ね四球2と死球1を悔いた。エースとして「次の登板までに調整したい」と苦苦しい顔つきで述べた。

主将・高田千暉(3年・木更津総合高)は「久しぶりに自分達の形で勝てた」と安堵の表情を浮かべた。「攻撃面で繋ぐ、守備面では投手を中心に守り抜く、自分達の野球がやっとできた」と刹那、噛み締めた。投手陣の踏ん張りに応えることができなかった白鴎戦、「1イニングでは得点が少ないが、終わってみれば6得点を相手から奪う理想的な攻め、これが前節(白鴎戦)にできていたら」と、ぽろりと後悔の念。「この前の試合で上武が白鴎に1敗した。まだ関東出場へのチャンスは多いにある」と目を輝かせる。「明日もしっかり繋いで勝って、勝ち星を繋いで行きたい」と語った。

高橋一三監督は「打者の課題として、繋ぐということを重点に置いて戦った。それが上手く行った」と開口一番。「今日は内野フライが非常に少なく、それが間を抜けるヒットに繋がった」と、5回の「田中のホームランもあったが、ホームランはあまり計算にいれていない」と、きっぱり。「うちは飽くまでも繋ぐ野球。今日は(2・3・4・7回と)非常に良い攻撃だった」と攻撃陣を称えた。投手陣について「高梨は、めずらしくストライク球とボール球がはっきりしていて本調子ではなかった。しかし、エースらしく苦しみながらも失点0に抑えてくれた」と評した。8回からマウンドに送った「花城には、白鴎戦での悪いイメージを払拭させるために投げさせた。今日はコントロールも良く、 ランナーを背負っても、慌てずに落ち着いて自分のピッチングをしてくれた。これで、使える」と太鼓判を押した。チームには「明日も、繋ぐ野球に期待したい」と球場をあとにした。

文(H.K)、カメラ(平川大雪)
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