
山梨学院大学ホッケー部女子が、9月23日に行われた平成24年度秋季関東学生ホッケー1部リーグ第3戦対成城大戦に勝利し、関東リーグの連勝記録を区切りの200連勝に伸ばした。この記録は、創部初年度の1994年4月に始まり、春季リーグと秋季リーグで37季連続・実に18年以上もの間、ただの一度も負けることなく、引き分けもなく成しとげた大記録。代々の選手たちが「優勝はもちろん、連勝記録を自分たちの代で終わらせてはいけない」と歯を食いしばり引き継いできた努力の結晶。チームの原点は旧白根町・白根中央公園の土のグラウンド、当時30歳の寺本祐治総監督が、毎朝・毎夕バスで選手を送り迎えして白根と酒折を往復し練習に取り組んだ。あれから18年、チー ムはロンドン五輪に選手6人・審判員1人を送り込む日本を代表するチームとなった。現役選手たちは、さらなる連勝とインカレ奪還を胸に、日本一の拠点山梨学院ホッケースタジアムで努力を重ねている。200連勝目となった成城大戦は23日午後、秋雨が降りしきる中、東京町田・法政大多摩グラウンドで行なわれた。力の差は歴然としていた。試合開始早々から山学大が一方的に攻める展開、序盤こそ相手GK小山の攻守に阻まれたが、16分に得たペナルティーコーナー(PC)からロンドン五輪出場の田中泉樹(2年 岩手・不来方)がプッシュシュートを決め先制、岡田彩果(2年 富山・石動)が18分と20分にPCのフェイントから連続ヒットシュート、32分に主将の一人伴田久美(4年 京都・須知)が6点目を奪い前半を6-0で折り返した。後半も一方的に攻め続け、中畝地里沙(4年 鹿児島・樋脇)の2得点などで5−0、前後半合わせて11点の猛攻で、成城大に攻撃の機会すら与えずに200連勝を達成させた。
秋季関東学生ホッケーリーグ第3戦
≪山梨学院大vs成城大≫(9/23)於 法政大学多摩グラウンド |
○ 山梨学院大 11 |
前半 6−0
後半 5−0 |
0 成城大 ● |
得点 田中3・中畝地2・岡田2・伴田・佐藤・米永・西永 |
試合後、選手たちはジョン・シアン監督を胴上げし、この日のために作成した"祝200連勝"のメッセージ文字を手に、喜びと笑顔と歴史を写真に収めた。2004年から監督を務める
ジョン・シアン監督は「200連勝は、ホッケー部が19年かけて、200人以上の人が貢献して作った記録。これからの選手にも頑張ってもらい、さらに続けるよう努力して行きたい」と語った。二人の主将の一人
伴田久美主将は「プレッシャーはありましたが、今迄の先輩方が作って下さった歴史を止めるわけにはいかないので、何が何でも勝たないといけないと思っていました。今の自分たちのチームで200連勝を迎えられたことを幸せに思います。前半戦はいい結果が出せなかったけれど、後半戦は、関東1位の誇りを持ってインカレで優勝できるように頑張りたい」とインカレ奪還に向けて気持ちを引き締めていた。
第1期生で、ロンドン五輪でアテネ・北京に続き3度目の五輪レフリーを務めた相馬知恵子さん(36才)を勤務先のNPO法人山梨スポーツアカデミー(南アルプス市)にお訪ねした。
相馬知恵子さんは「目の前のこの
白根中央公園の土のグラウンドが、自分たちの練習場でした。白根の寮と大学の間を、寺本先生がバスで送り迎えしてくれてナイター練習を重ねました」と創部当時を振り返り、
第1期メンバーの写真(前列右隅が相馬さん)を探し出してくれた。「学生時代に資格を取り、3年の時から審判になりましたが、その後チームの練習場は、現在は山梨学院小学校になっている所になり、9年目の2002年にホッケースタジアムが出来た時は夢のようだと思いました」と語ってくれた。同じ職場で働く4期生の椙浦真代さん(33歳)は「オリンピックに6人も選手を送り出すチームになり、後輩の頑張りに驚いていますし、自分も頑張らなくてはと励まされます」と話す。たまたま里帰りした五輪代表の6期生藤尾香織選手(31才)は「自分たちの時よりも連勝のプレッシャーは厳しいと思うが、それを達成している後輩たちは素晴らしいと思います。他の大学も強化してくると 思うけれど、連勝と関東No1を続けてほしい」と語り、
3人(写真左から椙浦さん・相馬さん・藤尾さん)はガッツポーズを作って後輩たちにエールを送った。そして、「卒業後は全国に散るけれど、故郷や就職した地域で、現役でプレーをしたり、ホッケー協会の一員として子どもたちの育成や審判・指導者としてホッケーに関わっている者がたくさんいます。全国にホッケーの仲間がいます。現役の学生たちも、卒業したらそれぞれの地で働きながら、生涯ホッケーを愛してほしい」と言葉を揃えた。
文・カメラ(M.T)
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