山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球秋季リーグ戦(第4節)
〜山梨学院 松本に2対1で連勝し勝ち点1〜
〜4番・坂田 勝ち越しの右越え適時二塁打〜

2012年関甲新学生野球秋季リーグ戦(第4節2戦目)は9月24日、栃木県の小山市運動公園野球場で昨日雨天で順延になった2試合を行った。第1試合は2年連続2回目の関東大会出場を目指す山梨学院大学(暫定3位)と松本大学(暫定6位)が対戦。山梨学院は松本大に先攻されたものの2対1と逆転勝ちし勝ち点1を獲得した。山梨学院は2回表に1点先攻された4回裏の二死後、3番・中村圭輔が左前安打で出塁するとすかさず盗塁、4番・坂田親哉の振り逃げで一三塁とし、5番・菊池紳弥の三塁線への左前適時打で1対1の同点。6回裏には、3番・中村が4回と同様に二死から左前安打と盗塁してのチャンスをつくると、4回には振り逃げでチャンスを繋いだ4番・坂田が「伊藤コーチ から『三振してもいいから自分のスイングを三つしてこい』と言われ」打席に向かい、「真ん中に甘いスライダーがきたので振り抜いた」と、右越え適時二塁打で2対1と逆転した。投げては先発の技巧派・穴田真太郎が6回をキレのある変化球で翻弄しての3安打1四球で最小失点の1点、7回から継投した大型新人投手・松尾勇太が伸びのあるストレートで無安打無四球2三振と、両投手が持ち味をだして松本打線を押え込んだ。これで、山梨学院は暫定2位の作新学院大学に並んだ。


□山梨学院大学は、暫定3位で上武大学とともに暫定1位の白鴎大学と2位の作新学院大学を追う展開。山梨学院は2年連続2回目の関東大会出場に向け、もう星を落とすわけにはいかないと挑んだ22日の松本戦1戦目。今秋季、打線に繋がりを欠く山梨学院は、打線が奮起し長短14安打2四球3盗塁と繋げる野球を爆発させて初戦を制した。この勢いで連勝し勝ち点をあげたい山梨学院はマウンドへ技巧派・穴田真太郎(4年・PL学園高)を送った。

 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
松本大学
0
1
0
0
0
0

0

0
0
1
山梨学院
0
0
0
1
0
1
0
0
×
2

●【山梨学院】
●【投手】
☆穴田(勝ち投手)投球回数6、打者22、打数20、投球数74、安打3、犠打1、四球1、三振2、失点1、自責点1
☆松尾 投球回数3、打者9、打数9、投球数38、三振2
●【捕手】田中
●【長打】二塁打 坂田
●【気象状況】天気(晴れ)、気温(23度)、湿度(64%)、風向(西南西) 


◆後攻の山梨学院は1回表、技巧派・穴田真太郎(4年・PL学園高)が1番打者を遊ゴロ、2番打者を中飛に、3番打者を2ー2からの変化球で空振り三振に斬って取る立ち上がり。

◆2回表、技巧派・穴田が先頭の4番打者に四球を与えると、犠打と二ゴロで二死三塁とされ、7番打者に右前適時打を許し0対1と先攻される。

◆4回裏二死後、3番・中村圭輔(2年・熊本国府高)が、チーム初安打となる左前安打で出塁するとすかさず盗塁、4番・坂田親哉(4年・済美高)のワイルドピッチによる振り逃げで三塁へ進塁。続く、5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)の三塁線を抜ける左前適時打で中村が生還し1対1の同点とする。

◆6回表の一死後、技巧派・穴田が2番打者に左への二塁打を許すものの、4年生投手の貫禄で立ち向かい3番打者を二飛に、4番打者を空振り三振に斬って取る力投で勝ち越し点を許さない。

◆その6回裏の二死後、3番・中村圭輔が左前安打で出塁し盗塁すると、4番・坂田の右越え適時二塁打で一気に二塁から本塁を突き2対1と逆転する。

◆7回表、マウンドに好投の穴田から受け継いだ大型新人投手・松尾勇太(1年・米子西高)が上がる。松尾は5番打者を二ゴロに、6番打者を1ー2から空振りの三振に、7番打者を二ゴロに仕留める、テンポの良いピッチング。

◆8回裏・先頭の9番DH代打・相馬彰吾(2年・山梨学院高)が中前安打で出塁、相馬への代走・大丸浩平(2年・甲府商業高)が犠打と犠飛で三塁に進塁するも後続が断たれ追加得点できない。

◆9回表、1年生投手の松尾がわずか1点リードを背負い松本打線と対峙する。松尾が先頭の2番打者を捕飛に、3番打者を中飛に、4番打者を遊ゴロに仕留める堂々としたマウンド裁きでリードを守り、山梨学院大学は2対1で松本大学に連勝した。


□4回に振り逃げで同点チャンスを広げ、6回裏には逆転の右越え適時二塁打を放った坂田親哉(4年・済美高)は「チームもこれ以上、負けられない状況だったし、今日は4年生の穴田が先発で投げていたので勝ち星をつけてあげたかった」と気持ちの高ぶりを抑えながら答えた。「今日、4番に入ったが、打つだけでなくて、三振した後もキャッチャーが逸らしたら、全力で一塁に走りチャンスを広げようとゲームに臨んだ」と気負いも驕りもない、ただ繋ぐ野球に執念を燃やす。6回の裏二死二塁で「伊藤コーチから『三振してもいいから自分のスイングを三つしてこい』と言われ、相手投手が1打席2打席ともにスライダーでカウントを取って来ていたので、スライダーに一点張りをした」と頷くと、 「真ん中に甘いスライダーがきたので振り抜いた」と口元に笑みをたたえる。「4年生で最後のシーズンなので完全燃焼したい」と述べた。

□4回裏二死二塁で三塁線を抜ける左前適時打で同点とした菊池紳弥(3年・学法石川高)は「4年生の坂田さんが振り逃げで、意地で繋いでくれたので、後輩の自分が絶対打たなければと気持ちを奮い立たせた」と振り返る。「甘い球は、こないと思ったので、ストライクゾーンにきた球を全て打ちに行こうと打席に立った」と一息して、「積極的に行った結果が良い方にでた」と息を大きく吐き、「アウトローの厳しいスライダーを逆らわずに上手く打てた」と自画自賛。「これからもチームのために頑張りたい」と謙虚に述べた。

□7回からリリーフし無安打・無四球・無失点に抑えた大型新人投手・松尾勇太(1年・米子西高)は「監督さんに『自分のピッチングをするだけだ』と言われマウンドへ、それだけを考えて投げた」と目を細める。「穴田さんの勝ち星が付く状況だったので、しっかり抑えられて良かった」と大きな目をしばたたく。今日の出来は「真っ直ぐが良かったので自分のテンポでピッチングできた」と総括した上で、「ただ変化球の甘いヒット性の打球を、野手がカバーしてくれる場面があったので、良くなかった変化球を、来週(第6節)、再来週(第7節)は強打のチームなので、それまでに修正して臨みたい」と述べた。

□6回をキレのある変化球で翻弄しての3安打1四球で最少失点の1点に抑えた技巧派・穴田真太郎(4年・PL学園高)は「チームは初戦を取って良い流れできたので、絶対、負けられないという強い気持ちをもってマウンドに上がった」と汗を拭った。「ここ最近、調子が良くなかったので、この一週間で監督さんと、フォームを調整して臨んだ」と目を輝かせた。「四球1を除き、自分の持ち前の打たせて取るピッチングができたので良かった」と満面に笑みを浮かべ、「丁寧にしっかり投げれたので良かった」と頷いた。「チームとしても、負けられない試合が続くので、少しでもチームに貢献できるように、4年生最後の公式戦なので、坂田のように4年生の意地を見せたい」と、貴公子顔から最上級生の頼もしい顔つきに変貌した。

主将・高田千暉(3年・木更津総合高)は「内容はともかく、とにかく勝てたことが良かった。これで、次に繋げられた」と胸を撫で下ろした。「4年生最後のシリーズで坂田さんが打ってくれなければ勝ちはなかった。4年生最後の試合で、本来なら下級生が打たなければいけないのに」と唇を噛む。しばらくして「関東大会、そして神宮に繋げられるよう、チーム一丸となって戦いたい」と述べた。

高橋一三監督は「苦しいゲームだった」と開口一番。「チームとしては、1敗もできない状態の中で、粘り強いゲームができた」と総括。攻撃陣について、4回の裏「2アウトから点を取ったので、これは行けるかなと思った」と微笑んだ。「課題である攻撃力は、このカードでランナーが出れば積極的に走って行くという良い形がでてきた。今日は特に3番の中村が打って走ってと、突破口となってチームを牽引してくれた」と手応えを感じていた。投手陣について「穴田は、今季1番の出来。とにかく投球が安定していた」と誉め称えた。「松尾も、1年生らしからぬ度胸とゲーム慣れしたマウンド裁きで3イニングを好投してくれた」と褒めちぎった。「うちは投手陣は申し分ない。どの投手も安定しているので、早め、早めのリレーを念頭に置いている」と自信を覗かせた。いよいよ第6節(10月6日・7日)に暫定2位の作新学院大戦、第7節(10月13日・14日)に春季優勝の上武大戦とクライマックスを迎える。 

文(H.K)、カメラ(平川大雪)
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