山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球秋季リーグ戦(最終戦第7節1戦目)
〜山学エース・高梨2安打散発で上武に完封勝利〜
〜児玉二塁打、菊池安打、加賀美の犠飛で決勝点〜

2012年関甲新学生野球秋季リーグ戦(最終戦第7節1戦目)は10月13日、群馬県の上武大学野球場で2試合を行った。第6節で勝ち点3で白鴎・山学・上武が並ぶ混戦。第1試合は昨秋2位の山梨学院大学と昨秋3位ながら今春優勝の上武大学が関東大会出場をかけて1戦目を戦った。2年連続2回目の関東大会出場を目指す山梨学院はエース・高梨裕稔が2安打散発の完封、攻めては少ないチャンスをものにして1対0と初戦を制し、関東大会出場に王手をかけた。山梨学院は4回裏一死後、4番・児玉卓也が「外、高目の真っ直ぐ」を叩き、ワンバウンドで左翼手の頭上を越える会心の二塁打で出塁。続く5番・菊池紳弥の左前安打で 三塁へ。6番・加賀美祐樹の左犠飛で生還し1対0と先制した。投げてはエース・高梨が「ストレートが走っていたので、ランナーを背負っても慌てることはなかった」と、再三得点圏にランナーを背負うも上武の強力打線に危なげのないピッチングで、2安打散発と抑え完封勝利を収めた。第2試合で勝率で暫定1位の白鴎大学が暫定6位の松本大学に敗れる大波乱。これで上位3強、山梨学院・白鴎・上武の関東大会出場2枠を巡る争いは、ますます混沌としてきた。山梨学院は明日の第2試合で、強打の上武打線に投手陣が踏ん張り連勝し、一気に関東大会出場を決めたい。


□秋季リーグ戦は第6節が終わった時点で勝ち点3の、昨秋優勝の白鴎、昨秋2位の山梨学院、今春優勝の上武(昨秋3位)の3強が並んだ。勝率では、7勝2敗の白鴎が暫定1位、6勝3敗の山梨学院と上武大学が暫定2位となっている。山梨学院と上武は、自力での関東大会出場枠を潰し合う直接対決となった。その第1戦目、2年連続出場を目指す山梨学院はエース・高梨裕稔(3年・土気高)を満を持して登板させた。

 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
上  武
0
0
0
0
0
0

0

0
0
0
山梨学院
0
0
0
1
0
0
0
0
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●【山梨学院】
●【投手】高梨 投球回数9回、打者34、打数27、投球数139、安打2、犠打3、四球3、死球1、三振8
●【捕手】田中
●【長打】児玉、平井(二塁打)
●【気象状況】天気(晴れ)、気温(22度)、湿度(44%)、風向(北西5m/s) 


◆後攻の山梨学院は1回表、エース・高梨裕稔(3年・土気高)が1番打者に1ー2からファウルボールで粘られ四球で歩かせ、続く2番打者の犠打で一死二塁。続く3番打者を中飛に打ち取るが、4番DHを内野手の失策で出塁を許し二死一三塁とピンチを招くも、高梨が5番打者を二ゴロに打ち取り難無く窮地を脱する。
◆2回表、エース・高梨が6番打者を左前安打、続く7番打者の犠打で一死二塁とされるも、8番打者を中飛に、9番打者を左飛に難無く打ち取る好投。
◆4回裏一死後、4番・児玉卓也(4年・甲府城西高)が「塁に出ることだけを考え」バッターボックスに向かう。「フライが多かったので、確りポイントで叩いて転がす」と自分に言い聞かせ、「外、高目の真っ直ぐ」を叩き会心の二塁打。続く5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)の左前安打で三塁へ。6番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府高)の左犠飛で生還し1対0と先制。
◆5回裏の一死後、9番・平井慎也(3年・富士学苑高)が右への二塁打で出塁。二死後、DH・坂田親哉(4年・済美高)の四球で二死一二塁と攻め立てるも、後続が打ち取られ追加得点のチャンスを逸する。
◆7回表、エース高梨が先頭の6番打者に中前安打、続く7番打者に犠打され一死二塁。二死後、四球で二死一二塁とされるが、続く8番打者を二ゴロに仕留める。
◆8回裏、先頭打者の主将1番・高田千暉(3年・木更津総合高)が左前安打で出塁、2番代打の中川誠士郎(2年・熊本工業高)の犠打で一死二塁、しかし後続が倒れ再び追加点の機会を逃す。
◆9回表、エース・高梨がわずか1点のリードにも拘わらず、5番打者を捕飛に、6番打者を二ゴロに、7番打者を三振に打ち取り、負けられない大一番でエースの威厳を鼓舞し、危なげのないピッチングで2安打散発の完封勝利を収め、チームに貴重な1勝をもたらした。これで山梨学院は2年連続2回目の出場に王手をかけた。


□9回完封勝利の作新学院戦から中3日、絶対負けられない上武戦の初戦を、2安打散発で完封したエース・高梨裕稔(3年・土気高)は「先発を告げられたが、平常心で楽しんで投げようと臨めた」と額の汗を拭った。「真っ直ぐが、このリーグ戦の中で一番走っていた」と自然とほほえむ。高梨は「ランナーを背負っても真っ直ぐで押せたので、気持ちを楽にして投げることができた」と、けっして慌てることはなかった。「仲間の取った1点は絶対守ってやる。ゼロで抑えてやるという気持ちで投げた」と淡々とした口調で力投を振り返った。「明日も打撃陣が取ってくれた点を、投手陣が頑張って死守して勝ちたい」と謙虚に力強く闘志をみなぎらせていた。

□4回裏一死後、左線への二塁打を放った4番・児玉卓也(4年・甲府城西高)は「塁に出ることだけを考え」ネクストバッターズサークルからバッターボックスに向かう。「フライが多かったので確りポイントで叩いて転がす」とおのれに言い聞かせ相手投手と対峙した。「外、高目の真っ直ぐ」を叩くと「ライナーでレフト線をきれずに(ワンバンで左翼手の頭上を越え)外野へ抜けてくれた」と会心の二塁打に思わず笑みがこぼれた。続く5番・菊池の左前安打で一三塁とし、6番・加賀美の犠飛に「とにかく、1点欲しかったので、『犠牲フライありがとう』と感謝して、タッチアップし本塁を突いた」と声のトーンを上げ笑顔で振り返った。

□0対0で迎えた4回裏一死一三塁と絶好のチャンスで犠飛を放ち決勝点をあげた6番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府高)は「当てにいったら、ゲッツーとかになるので、来る球を思い切って振ろう」と集中して打席に立った。3ー2からの「外よりのやや真ん中のストレート」、打った瞬間「外野を抜けはしないが、犠牲フライには十分な当たりと思った」と振り返る。一息ついて「作新戦では、全然打てなくてチームに迷惑をかけたので、今日はチームのために決勝点を奪えて嬉しかった」とホッとした表情を浮かべる。「明日は、今日の勢いのまま、守備から集中してバッティングに繋げる、山梨学院の野球ができるように頑張りたい」と気持ちを高めていた。

主将・高田千暉(3年・木更津総合高)は「一番緊張した試合だった」とため息をついた。「1点先制したものの、上武は何時逆転してもおかしくない力のあるチーム。高梨を中心に確り守り切れたことが勝因」と振り返った。4回裏の攻撃は「児玉さんが4年生の意地を見せて打ってくれ、皆の信頼が高い菊池が期待に応えて安打で繋いでチャンスをつくってくれた」。間髪を容れず「最近チームは犠牲フライが欲しいところで打てない状況が続いていたので、加賀美が確り打ってくれたことは、今後のチームにとっても、とても良かった」と待望の一打を喜んだ。また、高梨の力投に「感謝しきれない」と大きく頷き、「チームのためにも、4年生のためにも、後1勝すれば関東に出れるので、明日は全員野球で挑みたい」と気を引き締めていた。

高橋一三監督は「エースがエースらしい仕事をし、わずかなチャンスを打撃陣がものにした。これに尽きる。まったく申し分がない」と開口一番。「ここまでくれば、選手には細かいことは何も言っていない」と発し、一呼吸置いて「ただし、この上武戦は一番大事な戦いだと一言添えただけ」と力を込めた。最終戦で上位3大学の混戦で関東大会2枠を争う激レース「明日は、ここまで来たんだから、この1年の集大成となる戦いをしてもらいたい」と深く頷き、「あとは選手が思い切ってやるしかない」と言い放ち、「選手が結果を出したいのは分かるが、へんに萎縮してもらいたくない」と憂い顔。「選手には、思い切ってできることを、確りしてもらいたい」ときっぱり言い切り球場を後にした。

文(H.K)、カメラ(小池裕太)
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