山梨学院パブリシティセンター
高3で「1級ボイラー技士」に合格
〜山梨学院高の野村唯さんが山梨県内高校生初の快挙〜
〜幼い時からの憧れJRに内定、努力で道を切り開く〜

山梨学院高校3年の野村唯さんが、実務従事者でも取得が大変難しい超難関の国家資格「1級ボイラー技士」試験に山梨県内の高校生として初めて合格した。野村さんは幼い時にSLの蒸気機関士に憧れ、高校生になってからはJRの職員になる夢を胸に抱いて来た。そのための道を切り開こうと資格試験に挑戦、昨年「甲種危険物取扱者試験」に山梨県最年少記録の高校2年3カ月で合格、2年の冬に「2級ボイラー技士」の資格を取った。さらにチャレンジを続け、誰も取った者がいなかった山梨県初の「高校生1級ボイラー技士」の資格に挑戦し一発合格した。そして、さらに朗報が届いた。就職志望だったJR東日本から内定通知が届き、8日の内定式で、希望した駅・乗務員として八王子支社 管内に配属される通知を受けた。陸上部の選手として部活と猛勉強を両立させ、ひたむきな努力で鉄道マンへの道を自ら切り開いた。
野村唯(のむら ゆい)さん=甲府市七沢町=は、幼稚園の頃にテレビや雑誌でSLが好きになり、小学校3年の時に秩父鉄道のSLに乗車、その時の驚きと感動は、今も鮮明に記憶している。本物に触れた瞬間に「この仕事に就きたい、自分も携わりたい」という夢を抱いた。その後、旅先で触れたJR職員の温かさや優しさに惹かれ「JRに入社したい」と思うようになったという。いわゆる鉄道ファンではない。仕事として鉄道マンになりたい、子どもの頃はSLの運転手になりたいと思い、高校生になってからは駅・乗務員になりたいという思いを胸に抱いてきた。「甲種危険物取扱者試験」や「1級ボイラー技士」の資格を目指したのは、将来の仕事に役立つ資格という思いと「高校生のうち に、高校生だから、挑戦出来ることに、チャレンジしたい」という思いから取り組んだ。
高校の部活では陸上競技に取り組んでいる。競技を始めたのは小学校6年の時、父とジョギングを始めたのがきっかけ、父は山梨学院大が箱根駅伝に初出場した時の5区山上りのランナー野村浩一氏、中2の時に未来の森アスリートクラブに入った。最初は父と同じ長距離が専門種目だったが、中3から投てき種目に挑戦。今年の県高校総体ハンマー投げで準優勝するなど、難しいハンマー投げ、砲丸投げに取り組んで来た。
部活を終えて帰宅するのは午後9時、午後10時から午前1時までの3時間が勉強時間、気持ちを集中させて二つの教材(教科書の「一級ボイラー技士教本」と問題集の「一級ボイラー技士免許試験標準問題集」)を何度も何度も繰り返し学び一発合格を果たした。合わせて、JR東日本から内定の連絡、高3の秋に二重の喜びを手にした。就職が内定したことで、野村さんの夢はより具体的になった。「いつかは地元山梨の駅長になって、地域の活性化に貢献する駅を作りたい」。そして、「陸上競技も続けて、出来ればJRのユニホームで大会に出られればうれしい」と話す。一途にひたむきに努力して、資格と就職を獲得した野村さんは、「担任の鳥居先生が熱心にアドバイスしてくれて、夜遅くまで残って面接の指導をして下さった。内定に漕ぎ着けたのは、先生方や励ましてくれた仲間たちのおかげで す」。爽やかな努力家は、爽やかな笑顔を見せた。

文(M.T)
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