
平成24年度全日本大学対抗テニス王座決定試合が10月29日、東京・有明テニスの森公園で最終戦が行われた。27日の準決勝で関西第1代表の関西学院大に2−3で惜敗した関東第2代表の山梨学院大女子は、3位決定戦で関西第2代表の園田学園女子大と対戦した。前日試合途中降雨のため順延となったダブルス戦2試合から再開され、立ち上りで相手の勢いに押され2試合とも落としてしまった。ダブルス2連敗が響き、シングルスは2勝1敗と勝ち越したが、準決勝戦と同様に2勝3敗で敗退した。山学大は"王座"初出場だったが、対戦した園田学園女子大は、卒業生に客員教授の伊達公子さん(付属高卒)、浅越しのぶさんらプロ選手を数多く輩出している"王座"の優勝回数21回を誇るテ ニス名門校、経験と伝統の差がダブルス戦に表れて勝敗を分けた形になってしまった。
山梨学院大テニス部女子は、創部わずか7年ながら、学生テニス界最強リーグ「関東大学テニスリーグ1部」で早大に次ぐ準優勝を果たし、大学日本一を決める"王座"に関東第2代表として創部初出場した。王座は、ダブルス戦2試合、シングルス戦3試合で勝敗を決める。山学大は1回戦シードで2回戦から出場、初戦で東北代表富士大を5−0で下し、準決勝で関西学院大に2−3と惜敗、3位決定戦で王座常連校の園田学園女子大と対戦した。
平成24年度全日本大学対抗テニス王座3位決定戦
山梨学院大VS園田学園女子大 (10/29) 於有明テニスの森公園 |
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勝敗 |
山梨学院大 |
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園田学園女子大 |
D1 |
● |
岡田優里
久次米夏海 |
5−7
6−7 |
松島美智留
坂東未来 |
D2 |
● |
田村実里
大塚可奈子 |
4−6
6−4
4−6 |
大塚弥生
桐畑和佳 |
S3 |
● |
田村実里 |
1−6
6−4
1−6 |
大塚菜津美 |
S2 |
○ |
久次米夏海 |
6−2
6−2 |
坂東未来 |
S1 |
○ |
松田望実 |
6−3
6−4 |
松島美智留 |
総計 |
● |
2 |
D0−2
S2−1 |
3 |
山学大は最強リーグ関東代表の誇りを持って臨んだが、ダブルス戦は常連校の気迫に呑まれてしまった。準決勝の関西学院大戦とはペアを組み替えて、D1岡田優里(2年 三重・四日市商)・久次米夏海(1年 大阪・城南学園)組。D2田村実里(3年 神奈川・弥栄)・大塚可奈子(3年 宮崎商)組で臨んだ。力は互角だったが、相手の気迫の方が勝っていた。伝統校の迫力に気後れしてダブルスは2試合とも落としてしまった。シングルでS3の久次米夏海とS1松田 望実(4年 鳥取中央育英)が十二分に力を発揮して相手を圧倒したが、準決勝の関西学院大戦とまったく同じ展開で、まったく同じ2勝3敗で敗れ、4位となった。優勝は、早稲田大が関西学院大を3―2で下し連覇を達成させた。
試合後、選手を集めた
富岡信也総監督と富岡好平監督は「4年生が立てた王座に出場するという目標は果たせた。最後の松田が意地を見せてくれた。しかし、日本一の目の前まで来て、結果は4位だった。悔しい経験を来年につなげなければいけない。来年はきちっとした目標を設定して、そこに向かって全員が力を伸ばしてほしい」と諭し、この試合で部活を卒業する4年生の健闘を称え、下級生にはさらなる向上を求めた。
静岡から上京して後輩たちの試合を見守った
2期生の松山愛さんは「私たちの頃は、ただ戦えることが目標だった。一緒にやっていた時の松田望実さんは強い選手ではなかったが、4年になった今年は、見ていて応援したくなるプレーをする強い選手に成長した。4年生を中心に王座を達成させたことはすごいこと、来年は優勝を目標にして頑張ってほしい」と後輩たちにエールを贈った。
力は互角に思えたが、気迫が違った、インカレやリーグ戦の時には感じた必死さが今回のダブルスでは伝わってこなかった、どこか気おくれしているようにも見えた、テニスは不思議な競技、一球ごとに心が揺れ、一球で波が変わり、しばらくするとまた波が変わる、一球に賭ける思いの強さが違ったのかも知れない、神様がまだ早いといったのかも知れない、伝統校に負けた、ただそれは伝統校になるための第一歩、山学女子は"王座"の歴史ページに足跡の第一歩を標した。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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