山梨学院パブリシティセンター
横浜市長杯争奪 第8回関東地区大学野球選手権大会
〜山学大5対3 東情大破り2回戦に進出〜
〜殊勲3番・中村 勝越し左前2点適時打〜

横浜市長杯争奪第8回関東地区大学野球選手権大会・第43回明治神宮野球大会出場決定戦(1回戦2試合2回戦1試合)が11月1日、横浜スタジアムで行われた。開幕試合となった2年連続2度目出場の山梨学院大学(関甲新学生野球連盟2位)と2年ぶり6度目出場の東京情報大学(千葉県大学野球連盟2位)はともに10安打を放ったが、安打と四死球やスクイズを絡めた機動力野球で山梨学院が5対3で勝ち2回戦に進出。先攻の山梨学院はエース・高梨裕稔が1回の裏3安打などで0対1と先制されるが、3回表に先頭の8番・渡辺晶也の中前安打や2番・大丸浩平の中越え2点二塁適時打で2対1と逆転。さらに8回表、一死満塁で6番・加賀美祐樹の1ー1からの意表をつくスクイズで3対1と東京情報を突き放すが、その裏に東京情報に2点を献上し同点とされた。9回表、この回からのリリーフ投手から先頭の8番・渡辺が内野安打で出塁し、死球・犠打・四球で一死満塁とした。ここで2打席連続安打を放っている3番・中村圭輔が、三遊間を破る左前2点適時打で5対3と再び勝ち越し。最終回、エース・高梨が東京情報打線を三者凡退に打ち取り山梨学院は昨年に続き2回戦へ進出した。


□試合に先立ち開会式が行われた。対戦校順に昨年準優勝の桐蔭横浜大学(2年連続2回目)から入場し、2年連続2回目出場の山梨学院は3番目に元気よく行進、5番目に優勝旗を携えて連覇を狙う創価大学(8回連続出場)が行進、最後に2年連続4回目出場の白鴎大学が入場行進し、5地区の代表10チームが整列。国旗掲揚のあと、昨年優勝校の創価大学が優勝旗・優勝杯返還を行った。主催者挨拶で中島三千男会長は「平行開催である明治天皇御生誕160年記念第43回明治神宮野球大会の2代表を決める重要な大会でもあります。各連盟の名誉にかけて、日頃の練習の成果を遺憾なく発揮するとともに、フェアプレーの精神で学生らしい溌剌としたプレーで熱戦を見せてもらいたい」と挨拶。選手を代表して白鴎大学の山城紹史主将が「選手一同は、一球一打に思いを込めて、この横浜スタジアムで全力でプレーすることを誓います」と、力強く選手宣誓を行った。始球式を横浜市長杯争奪を冠している横浜市の林文子市長が行うと、観客席から惜しみない拍手が送られた。トーナメント(指名打者制)方式で行われる横浜市長杯争奪第8回関東地区大学野球選手権大会は、2年連続2度目出場の山梨学院と2年ぶり6度目出場の東京情報大学の開幕試合で4日間の熱戦の火蓋が切られた。


 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
山梨学院
0
0
2
0
0
0

0

1
2
5
東京情報
1
0
0
0
0
0
0
2
0
3

●【山梨学院】
●【投手】高梨(勝ち投手) 投球回数9回、打者42、投球数153、安打10、犠打2、四球5、三振7、失点3、自責点2
●【捕手】田中
●【長打】児玉、大丸(二塁打)
●【気象状況】天気(晴れ)、気温(16度)、湿度(70%)、風向(北北東2m/s)


□先攻の山梨学院は1回の裏、横浜スタジアムのマウンドにエース・高梨裕稔(3年・土気高)を上げた。エース・高梨が先頭打者に中前安打と犠打、続く3番打者の左前安打で一死一三塁とされ、4番打者に中前適時打を与え0対1と先取得点を許す。
□2回表、先頭打者の4番DH・児玉卓也(4年・甲府城西高)が右中間への二塁打で出塁するも、後続が倒れ好機を逸する。
□2回裏、エース・高梨が先頭の7番打者に中前安打と犠打で一死二塁。続く9番打者を空振り三振に打ち取り二死二塁としたが、1番打者に死球を与え、さらにワイルドピッチで二死二三塁とされると、打者を四球で歩かせ満塁とした。たまらず高橋一三監督がマウンドに駆け寄り声をかける。これでエース・高梨は落ち着きを取り戻し3番打者を一飛に打ち取り窮地を脱する。
□ 3回表、先頭の8番・渡辺晶也(3年・山梨学院高)が中前安打、9番・平井慎也(3年・富士学苑高)の犠打で一死二塁。主将の1番・高田千暉(3年・木更津総合高)の四球で一死一二塁。続く2番・大丸浩平(2年・甲府商業高)がフルカウントから中越え2点二塁適時打で2対1と逆転する。
□4回表二死後、7番・田中貴也(2年・八重山商工高)が左前安打、続く8番・渡辺が中前安打で得点圏にランナーを進めるも後続が倒れ無得点。
□4回裏、エース・高梨が味方の逆点で3回裏から伸びのあるストレートとキレのある変化球で本来のリズムを取り戻すと、この回の先頭8番打者を内野安打に、9番打者、1番打者を連続の空振り三振に打ち取る。
□5回表2死後、3番・中村圭輔(2年・熊本国府高)が内野安打で出塁も後続が倒れ生かせず。
□5回裏一死後、エース高梨が3番を中前二塁打に、4番の中飛で二死三塁。5番DHの四球で二死一三塁と攻められるも空振り三振に斬って取るが、今一つリズムに乗り切れない。
□7回表一死後、2安打を放っている8番・渡辺が内野失策で出塁、9番の犠打で二死二塁としたが一打が出ず無得点。
□7回裏一死後、エース・高梨が2番打者に左前安打されるが、3番打者を内野ゴロに仕留め二死二塁とすると、高橋監督が今日2回目のマウンドへ。するとエース・高梨が4番打者を敬遠、二死一二塁とし、落ち着いて5番DHを三飛に打ち取るマウンド裁き。
□8回表一死後、3番・中村の内野安打、4番・児玉の左前安打で一死一二塁、5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)の四球で一死満塁とした。続く6番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府高)が、ボールのあとファウルし1ー1とした3球目に意表をつくスクイズ、これで中村が生還し3対1と突き放す。
□8回裏一死後、エース・高梨が7番打者を四球、8番打者に左前安打、9番打者を4ー6の封殺で二死一三塁とするが、1番打者に中前適時打され3対2。二死一二塁、2番打者の内野ゴロを投手との連携ミスでの捕手失策で3対3とされた。
□9回表、リリーフ投手から先頭の8番・渡辺が全打席出塁となる内野安打でチャンスをつくると、9番DH・平井の死球で無死一二塁。主将の1番・高田の犠打で一死二三塁。続く2番・大丸が敬遠気味の四球で一死満塁。3番・中村が殊勲となる左前2点適時打を放ち5対3と勝ち越す。
□9回裏の最終回、エース・高梨が4番打者を二ゴロ、5番打者を見逃し三振、6番打者を二ゴロにテンポ良く打ち取り、昨年に続き2回戦に進出を決めた。


□9回表の一死満塁で左前2点適時打を放ち5対3とした殊勲選手3番・中村圭輔(2年・熊本国府高)は「打った瞬間、微妙だった」と浮かない顔。「打った球は、スライダーの真ん中低目」と歯切れが悪い。5打数3安打2打点も、本来の当たりが出ていないのか「結果、ヒットになったので」と素っ気ない。関甲新の春季に首位打者に輝いた時と比べて自分に納得がいかない様子。それでも気持ちを切り替えて「明日からは、どんどん攻めていってチームに貢献します」と最後は笑顔を見せた。
□3回表、一死一二塁にフルカウントから中越え2点二塁適時打で2対1と逆転打を放った2番・大丸浩平(2年・甲府商業高)は「伊藤コーチに『チャンスで、必ず廻ってくると思え』といわれていたので、平常心で臨めた」と頷いた。「カウントが3ー2だったので、ストレート一本に絞っていた」と打席で待ち構えた。読みどおり「ど真ん中にストレートが来たので、迷わず振り抜いた。打った瞬間に越えると思った」と会心の当たりを振り返った。明日は「神奈川1位のチーム(桐蔭横浜大)なので、厳しい試合になると思うが自分達の野球をして勝ち、1日でも多く皆と野球をしたい」と笑顔で述べた。
□4打席全て出塁し3回と9回にホームを踏みチャンスボーイとなった8番・渡辺晶也(3年・山梨学院高)は「久しぶりの3安打なので自分でも驚いています」と照れ笑い。「こうした大舞台で、打撃でチームに貢献できて嬉しい」と素直に喜んだ。明日の話になると真顔で「相手は関係なく、倒すだけなので、集中して臨みたい」と気を引き締めて述べた。
□完投勝利投手のエース・高梨裕稔(3年・土気高)は10安打され失点3自責点2の内容に「今日は入りから本来の調子ではなかった」と落胆した様で振り返った。「真っ直ぐが走っていなかったので、フォームを修正して3回・4回はコントロール重視の変化球のキレで勝負できたが、そのあとからは最後まで自分の思い通りに投げられなかった」と唇を噛んだ。「今日は野手の皆に助けられて勝利できた」と感謝し、「明日からは自分がチームを助けるという思いを強くして挑みたい」と力強く決意を述べた。
主将の高田千暉(3年・木更津総合高)は「勝てたことはチーム全員で喜びたいが、自分達の野球が出来なかった。守備も打撃も地に足がついていなかった」と神妙。それでも気持ちを切り替えて「明日は、良いところを生かし、悪い所を修正して確り戦いたい」と戦闘モードで語った。
高橋一三監督は「今日はしんどい試合だった」と開口一番。「高梨のピッチングは、球のキレ、コントロールも良くなかった。この秋一番、悪かった」と振り返った。「今日は投げるのに必死で、(8回に)ホームを高梨が空けて、やらなくても良い点を取られた」と苦笑い。「それでも、高梨は悪いなりに中盤ゲームをつくってくれて良く投げてくれた」と労い、ピンチでも「最後まで代える気持ちはなかった」とエースに全幅の信頼を寄せる。一方「打線の方は繋がりがあった」と振り返り、リードされた3回表「大丸が起用に応えてくれ」、同点とされた9回表には「中村が打ってくれ」、「打線の方が、取られたら直ぐ取り返してくれたので良かった」と笑顔で打撃陣を褒めた。「これで、昨年に並んだ 。エースを始め投手陣の調整を確りして、一つでも上を目指したい」と語った。

文(H.K)、カメラ(平川大雪)(今村佳正)
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