山梨学院パブリシティセンター
横浜市長杯争奪 第8回関東地区大学野球選手権大会
〜山学大2対3桐蔭横浜に敗れ2回戦敗退〜
〜田中7回裏・右スタンドへ2ランを炸裂〜

横浜市長杯争奪第8回関東地区大学野球選手権大会・第43回明治神宮野球大会出場決定戦(2回戦3試合)が11月2日、横浜スタジアムで行われた。第2試合は1回戦を勝ち上がってきた山梨学院大学(関甲新学生野球連盟2位)と2回戦から登場の昨年準優勝の桐蔭横浜大学(2年連続2度目)が対戦。山梨学院は1回表、エース・高梨裕稔が一死から2番打者に四球を与え、3番打者の右前安打と5番打者の左越え2点二塁適時打で0対2と先制された。山梨学院は7回裏の二死後、6番・加賀美祐樹が中前安打で出塁、続く7番・田中貴也が右スタンドへ飛び込む2ランを炸裂させ2対2の同点とする。8回表から高梨をリリーフした山田祐也が9回表、先頭の1番打者に右前安打を許し、犠打と3番打者の右前への二塁適時打で2対3と再びリードを許す。その9回裏の一死後、山梨学院は5番・菊池紳弥が四球を選び出塁。代打・高野照久の5ー4の封殺で二死一塁とし、前打席で2ランを放っている7番・田中貴也が執念の期待に応える内野安打で二死一二塁、続く8番・平井慎也の右前安打で二死満塁と詰め寄ったが、あと一 本がでずゲームセット。山梨学院は昨年に続き2回戦敗退となった。


□山梨学院は開幕試合となった昨日、2年ぶり6度目出場の東京情報大学(千葉県大学野球連盟2位)と戦い、エース・高梨裕稔(3年・土気高)の熱投と、攻撃陣の安打と四死球やスクイズを絡めた機動力野球で、5対3で勝ち2回戦へ進出して来た。山梨学院は2回戦から登場の神奈川大学野球連盟1位で2年連続2度目出場、昨年の準優勝校の桐蔭横浜大学と対戦。昨年の2回戦敗退を上回りたい山梨学院は、昨日153球で完投勝利したエース・高梨を、横浜スタジアムのマウンドに再び上げた。


 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
桐蔭横浜
2
0
0
0
0
0

0

0
1
3
山梨学院
0
0
0
0
0
0
2
0
0
2

●【山梨学院】
●【投手】高梨 投球回数7回、打者31、投球数115、安打6、犠打1、四球4、三振2、失点2、自責点2
●【投手】山田(負け投手) 投球回数2回、打者10、投球数31、安打2、犠打2、四球2、三振1、失点1、自責点1
●【捕手】田中
●【長打】田中(本塁打)
●【気象状況】天気(晴れ)、気温(17度)、湿度(44%)、風向(北2m/s) 


□後攻の山梨学院は1回表、エース・高梨が先頭打者を二ゴロに、2番打者に四球を与えると3番打者に右前安打され一死一二塁、4番打者を右飛に打ち取るも、5番打者に左越え2点二塁適時打を放たれ0対2。
□2回裏、先頭打者の4番DH・児玉卓也(4年・甲府城西高)が四球で出塁するも、3ー6の封殺などで後続が倒れ好機を逸する。
□3回裏、先頭の8番DH・坂田親哉(4年・済美)が右前安打で出塁。9番・渡辺晶也(3年・山梨学院高)の犠打で一死二塁とするも後続が倒れ無得点。
□4回裏一死後、4番・児玉卓也(4年・甲府城西高)が右前安打で出塁。5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)の右前安打で一、三塁とするも、6ー4ー3の併殺で絶好の機会を逸する。
□7回表、エース・高梨が9番打者に中前安打と犠打で一死二塁。2番打者に四球を与え一死一二塁。続く3番の内野ゴロで二死二三塁とされるが4番打者を中飛に打ち取る。
□7回裏二死後、6番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府高)が中前安打で出塁、続く7番・田中貴也(2年・八重山商工高)が右スタンドに飛び込む2ランで2対2と同点とする。
□8回表、高橋一三監督はマウンドに春季最多勝利投手・山田祐也(3年・山梨学院高)を送った。リリーフ・山田は5番打者を四球で出塁させ、6番打者の犠打で一死二塁、7番打者を空振り三振、8番打者に四球、9番打者を2ゴロに打ち取る。
□9回表、リリーフ・山田が先頭の1番打者に右前安打で出塁を許し、2番打者の犠打で一死二塁。3番打者の右へ抜ける当たりを一塁手がジャンプし差し出したグラブに入ったかに見えたが、それが右前への二塁適時打となり2対3とされる。
□9回裏の一死後、5番・菊池紳弥(3年・学法石川高)が四球を選び出塁。代打・高野照久(4年・市立川越高)の5ー4の封殺で二死一塁。7番・田中貴也(2年・八重山商工高)内野安打で二死一二塁。8番・平井慎也(3年・富士学苑高)が右前安打で二死満塁と詰め寄ったが、後一本が出ずゲームセットとなった。


□7回裏にライトスタンドに同点となる2ランホームランを放った7番・田中貴也(2年・八重山商工高)は「2アウト、ランナー一塁だったので、甘い球が来たら長打を狙おうと」打席に向かった。「昨年を越える(2回戦突破)ためにも、4年生のためにも、打ってやると集中して打席に入った」。1ー0からの2球目「真ん中、やや低目のストレート」を迷わず振り抜いた。打った瞬間、「外野手の頭上は越えると思ったが、入るとは思わなかった。良く伸びてくれた」とはにかみの表情で述べた。
□チームを最後まで支えた4人衆の高野照久(4年・市立川越高)は最終回2対3の一死一塁で「監督から代打として打席に送られ、この場面では1点を取るしかなかったので、繋ぐことだけを考えて打席に立った」。しかし、その思いとは裏腹に5ー4の封殺となった。「4年間、自分なりに精一杯練習に励んできたが、ヒットにならなかったので、まだまだ練習が足りなかったという気持ちがある。後輩には、もっと、もっと、という練習をしてもらい、さらにチームワークを高めて、我々が果たせなかった神宮に行ってもらいたい」と思いの丈を述べた。反面、「真っ直ぐを狙って、真っ直ぐを打ったので、悔いはないし、4年間野球をやってきてプラスのことはあってもマイナスのことはなかった。埼玉 の信用金庫に内定していて、軟式野球部に入るかどうか悩んでいたが、今日打席に立ったことで野球部に入ろうと決心した」と晴れ晴れとした表情で述べた。
主将の高田千暉(3年・木更津総合高)は「序盤の2点はミスで点を取られた。あの2点がなかったら2対1で勝っていた試合だった。上に行けば行くほどミスが出たら負けと言うことを重く受け止めた。その一つのミスを自分が犯した」とヒット性の当たりでも妥協を許さない姿勢が染み付いた。「4年生の先輩は、下級生に陰日向になり協力してくれた。主将として心からお礼を言いたい。それに報いるためにも、足りないところを練習で補い、来季は白鴎と上武2校に勝って神宮に行きたい」と決意を述べた。
伊藤彰コーチは「悔しい、思いが一番」としばし沈黙。おもむろに「惜しかったという面もあるんでしょうが、最後の9回の1点の攻防をどうやって守って、どうやって取るのかというところが、新たな課題」と苦言を呈した。しかし「負けられない試合で、去年は2点ビハインドの劣勢から押し切られたが、今年は2点ビハインドの劣勢から7回に追いつくことが出来たのは収穫」と手応えを口にしつつ、「今大会で、まだ足りないところを、練習で補充して神宮大会を目指してもらいたい」と語った。
高橋一三監督は「高梨は連投にしては、良く踏ん張って投げてくれた」とエースを労った。ただ「前半に点が取れなかった」と言葉を呑んだ。「後半は7回に同点に追いつき、9回表に再びリードされたが、最後は満塁と粘りを見せて、うちらしい攻めが出来た。良い部分と悪い部分の両方が出た試合だった」と振り返った。4年生は、これで引退となる。「穴田・児玉・坂田・高野の4人には、チームを今日まで支えてもらい感謝している。中でも、高野は出場機会がないのに練習に一番早くきて、一番遅くまで練習し、その上にチームのために貢献してくれた。展開が展開だっただけに、最後の最後で代打という形しか取れなかった。こうした4年生の思いに応えるためにも、この経験を今後に生かした い」としみじみ述べ、堰(せき)を切ったように「この関東大会は、これから勝ち進むためにはどうしたら良いのかという、良い課題を提示してくれた。そのためには、練習をどうしたら良いのか。選手が、それぞれ感じたことを練習に生かし、それぞれの課題を克服してもらいたい。チームは十分に神宮を狙える力はついている。来春、関甲新で優勝して関東大会の前に悲願の神宮出場を果たしたい」と球場を後にした。

文(H.K)、カメラ(平川大雪)(今村佳正)
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