
平成24年度「第56回全日本大学空手道選手権大会」(インカレ)が11月18日、東京・日本武道館で開催された。大会には北海道から九州までの地区大会を勝ち抜いた男子63大学、女子55大学の精鋭が集った。山梨学院大空手道部は、男女ともに優勝実績がある団体形の部に今年度もアベック出場した。合わせて、女子の団体組手が関東大会を突破し3年連続出場を果たした。試合の結果、団体形初体験の3人(仲村恵・本郷毬奈・宇井久美香)で臨んだ女子団体形が準優勝を獲得した。また、2年生の3人(戸口大輝・富田渓介・白井鷹哉)で固めた男子形は3年連続の3位に入った。一方、女子団体組手は、昨年の経験者相澤里栄・松村菜々の2人に加え、1回戦の広島大戦は稲岡万莉、2回戦の近畿大戦は新人の松本めぐみで臨んだ。2回戦で優勝7回 を誇る強敵の近畿大に敗れたが、組手陣も明日への確かな手応えをつかんだ。
女子団体形
山学大メンバーは、仲村恵(3年 沖縄・浦添)、本郷毬奈(2年 宮城・聖ウルセラ)、宇井久美香 (2年 千葉・柏日体)の3人で臨んだ。3人とも団体形に取り組んだのは今年から、全国大会で演武するのは始めて。大会前の目標は、予選を突破することに置いていた。予選は採点方式で行われ、9校中上位4校が決勝トーナメントに進出する。中央に仲村、左に本郷、右に宇井の布陣。予選トップバッターで演武、指定形の中から「クルリンファ]を選んだ。ゆっくりした動きの中に気迫を込めた静の演武、きりっとした表情で切れ味鋭い形を披露した。5人の審判の判定は22,3点。予想以上の高得点を獲得、残る8チームの結果を待った。予選結果は、22,5点の帝京大に次ぐ2位で決勝トーナメント進出を決めた。準決勝からは4校によるトーナメント方式。準決勝で予選3位の同志社大と対戦した。選んだ形は「スーパーリンペイ」、息の合った演武を行い、5人の審判による旗判定は4−1で山学大、見事に決勝進出を決めた。決勝は「アーナン」で臨み、いい演武を行ったが「分解」の差が勝負を分けた。判定は0−5、帝京大が大会3連覇を果たし、山学大は準優勝となった。試合後、
選手を集めた片田貴士監督は「分解の間の取り方が良くなかった。関東大会の時の方が良かった。しっかり反省して次につなげるように、同じ間違いをしないように」と諭した。
仲村恵選手「始めて団体形に取り組み、目標は予選突破でした。クリアして安心し、準決勝は落ち着いて出来ました。帝京大には及びませんでしたが、関東大会の時よりは成長したと思います」。
本郷毬奈選手「学連の試合に出るのは、個人としても、団体としても始めてで不安だらけでしたが、先輩や後輩の皆がサポートしてくれて精一杯の力を出すことが出来たと思います」。
宇井久美香選手「形で出るのは始めてで、緊張しましたが、予選はいい演武が出来たと思います。まだ、満足できないが次につなげて行きたい」3人ともこれからですと振り返った。
男子団体形
男子団体形の山学大メンバーは、戸口大輝(2年 埼玉栄)、富田渓介(2年 山梨学院高)、白井鷹哉(2年 山口・宇部鴻城)の2年生トリオで臨んだ。真ん中に戸口、左に富田、右に中村の配置。予選8番目で「セイエンチン」を演武し22,3点の得点をマーク、残り2チームの結果を待った。結果は10チーム中4位で準決勝に進出し、予選1位の帝京大と対戦した。選択したのは「スーパーリンペイ」、実力を出し切る演武をしたが、迫力差でおよばず0−5で優勝した帝京大に敗れた。
写真左から富田・戸口・白井の3選手は「最後まで攻めたが、帝京大は全国優勝常連(5連覇達成)で今年もまだパワー不足でした。「悔しい」の一言です。去年よりは落ち着いて出来たが、このままでは同じ結果になってしまうので、来年はチャンピオンになれるように、もっとしっかり練習して行きたい」とそれぞれ振り返った。
女子団体組手
女子団体組手は先鋒・中堅・大将の3人一組で競われる。山学大女子は、先鋒相澤里栄(3年 宇都宮文理)、大将松村菜々(3年 熊本・九州学院)の2人と、1回戦の広島大戦中堅は稲岡万莉(3年 兵庫・夙川学園)、2回戦近畿大戦の中堅は松本めぐみ(1年 熊本・九州学院)で試合に臨んだ。1回戦の広島大戦は、先鋒の相澤が5−1、中堅稲岡が2−1、大将松村が6−0で3人とも勝利した。2回戦で優勝7回を数える関西No1の近畿大と対戦した。先鋒の相澤が最初にポイントを取ったかと思えたが認められず、逆に一本を取られ、波に乗れず結果的には0−6、中堅の松本は力およばず0−6、大将の松村は冷静に戦い0−1と惜敗した。
写真左から松村・松本・相澤の3選手。主将の相澤里栄選手は「先鋒なのでチームを盛り上げるのが役目、近大に敗れたが楽しむことは出来た。がむしゃらさだけでなく駆け引きも覚えてもっと強くなりたい」と話した。1年生の松本めぐみ選手は「相手は強いので、勝ち負けにこだわらずに自分の持っているものを出すことに努めました。思い切ってやれたという思いと、まだまだ足りないという思いの両方を得ました」と語った。松村菜々選手は「3人がそれぞれ役割を持って臨みました。近大に負けましたが、内容はすごく良かったと思います。それぞれの個性をしっかり出せたので、悔しい部分と手応えを得て自信をつけた部分があります。次につながると思います」と振り返った。
片田貴士監督は「女子の団体形は始めてのメンバーでしたが、目標ラインを超えて準優勝してくれた。男子の団体形は予想していた成績。主将の相澤が3年になって成長し、チームをよく引っ張ってくれている。それに伴って一人一人が成長して来ている。女子の団体組手はこれからです]と、それぞれの戦いを評価した。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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