高校生の芸術文化の祭典"平成24年度「第33回山梨県高等学校芸術文化祭・マーチングバンド・バトントワリング部門発表会」が11月23日、山梨市民総合体育館で開催された。大会にはマーチングバンド部門に3校、バトントワリング部門に3校が出場し練習成果を発表した。山梨学院高校からはマーチングバンド部門に吹奏楽部が、バトントワリング部門にチアリーダー部がそれぞれ出場した。大会の結果、マーチングバンド部門の最優秀賞である芸術文化祭賞を山梨学院高校吹奏楽部が獲得した。バトントワリング部門の芸術文化祭賞に甲府商業高校ソングリーダー部が選ばれ、両チームに来年8月に長崎県で行われる全国高校総合文化祭の出場権が与えられた。山梨学院高チアリーダー部は次点の奨励賞だった。 高校吹奏楽部は、2日に行われた芸文祭吹奏楽部門で3年ぶり2度目の県代表を獲得したばかりで二冠獲得。マーチングバンドでの全国大会出場は3年連続で通算7度目の出場となる。
今年の発表会は、幼稚園児から中学生までが対象の「山梨県マーチングバンド・バトントワリング・フェスティバル」と合同開催され、山梨市民総合体育館で行われた。マーチングバンド部門に山梨学院高校吹奏楽部、桂高校吹奏楽部、甲府商業高校吹奏楽部の3クラブ。バトントワリング部門に山梨学院高校チアリーダー部、甲府商業高校ソングリーダー部、甲斐清和高校バトントワリング部の3クラブが出場した。山梨学院高吹奏楽部は、11月2日までは部活のすべてを芸文祭吹奏楽部門発表会の練習に費やしていた上に、2年生が研修旅行だったため、マーチングバンドの練習が出来たのは実質2日間だけ、ライバルの甲府商吹奏楽部や桂高吹奏楽部と比べると練習量も練習期間も全く足りなかった。し かも、数年前までは40人前後での出場だったが、2年前から部員数が急増、昨年は72人編成、今年はさらに多い81人編成で大会に出場した。1年生24人は全員が未経験、2年生の26人は研修旅行帰り、3年生の有志が要所を支える形で臨んだ。
まず、先にチアリーダー部が4番目に登場した。チアリーダー部も吹奏楽部と同様、夏の野球部応援、秋のサッカー部応援・イベント参加などの行事に追われ、大会に向けての練習は十分には出来なかった。3年生が引退し、2年生11人、1年生6人の合計17人で参加。皆で話し合い、今回は全員がフラッグを持って踊ろうと決め、投げたり・回したりのフラッグ技を一つ一つ一練習して来た。合言葉は「笑顔で楽しく踊る」こと、颯爽と登場して来た。ジャズの名曲「イン・ザ・ムード」の調べに乗って演技開始。最初にボンボンで「Y・G・H・S」の文字を描き、フラッグに持ち替え、体形をどんどん変えて行く、中盤でラインダンス、終盤で斜めラインでの旗の時間差上げ下げ、全員が心を一つにし て、フロアーを駆け回り、華麗に舞った。塩入玲未部長は「練習では、私を筆頭に誰かがどこかで落としていたんですが、本番は完ぺきだったと思います。笑顔を絶やさず全力でという目標を達成できたので満足です」と笑顔で語った。
続いて、5番目、いよいよ吹奏楽部が登場した。白と黒のコントラストが鮮やかな衣装、帽子の先に黒い羽根、先程まで空き空きだった広い正方形の体育館が、81人の大集団で埋め尽くされた。ざわついていた場内がサッと静まり、演奏と演技の開始を待った。演技タイトルは「We can do it!」、指揮を取るのは顧問の渡邊正樹先生。副指揮者は3年前の部長中山裕介さん、81人の部員は、演奏しながらステップを踏み、リズムに乗って菱形、三角形、台形、さらに曲調をアップテンポに変えて、次々にクロスして隊形を変えていく。カラーガード隊の8人が演奏者の間を縫うように舞い踊る、中間でゆっくりしたリズムのモデラートからサックスのソロ、終盤でリズムがまた早まり「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」の掛け声、最後は全員が右手を斜めに突き上げてフィニッシュ、見事に芸術文化祭賞に輝いた。前島政道部長は「練習はわずかでしたが、完成度は高かったと思います。3年生に協力してもらったおかげです、吹奏楽部門もマーチング部門も2部門制覇出来て良かった。全国の舞台で山学カラーが存分に出せるように頑張って行きたい」と全国への抱負を述べた。
吹奏楽部顧問の渡邊正樹教諭は「マーチングは平成16年に始めてこの大会に参加し、全国大会をもらいました、そこが原点です。追うように力をつけた吹奏楽と合わせての制覇、長かったですね。来年の長崎に向けてかなり忙しくなると思います。山梨代表として生徒とともに頑張りたい」と2部門制覇の喜びを表した。
マーチング部門の演技タイトル「We can do it!」は、始めた頃慣れない練習に心が折れそうになった時「自分たちは、やれば出来る」と信じて活動していたことを忘れないために、常にテーマとして掲げている山学吹奏楽部伝統の演技タイトル。チームが本当の本番を向かえるのは、来年8月の長崎全国総文祭、その舞台で力を発揮するために"やれば出来る"を合言葉に、この冬から本当の練習に取り組む。
文(M.T) カメラ(藤原 稔)
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