山梨学院パブリシティセンター
大学生と議員とが政策ワークショップ
〜昭和町議会と山学大の連携も5年目に〜
〜若い感性・斬新な発想を議会改革に〜

山梨学院大学と昭和町議会は12月20日、山梨学院大学において昭和町の政策に関するワークショップを行った。昭和町議会は、平成20年に議会改革の一環として山梨学院大学ローカル・ガバナンス研究センターと連携協定を締結。議会と大学との連携は全国初の試みで、締結以降、毎年議員と学生とが町政の課題や問題点、新しい政策を議論するワークショップを実施している。昭和町議会では「学ぶ議会」「行動する議会」「改革・革新する議会」を目標に掲げ、山学大の政治学や行政学を専門とする教授陣による議員研修や学生と議員とのワークショップを行い、大学の「知」や学生の若い感性、思考を政策に取り入れている。昨年の成果としてワークショップでの意見を参考に「昭和町議会災害対策本部設置要綱」や「災害時議員行動マニュアル」を制定。この日行われたワークショップでは、法学部政治行政学科の学生が地方分権や行政改革、福祉、教育、環境などからテーマを設定し、研究報告を行い、昭和町議員に対し新しい政策を提案。議員からは、町政の現状や課題、他の自治体の例や今後の方向性などについて答弁が行われ、関連する質問を相互に重ね、時間が許す限り議論を深めた。


ワークショップには、昭和町議会から15人の議員が参加し、山梨学院大学からは法学部政治行政学科6ゼミが参加。開会式で昭和町議会の萩原 馨議長は「全国初のこの提携も5年目を迎えました。本町議会では、議会改革を進める上で、山梨学院大の教授陣との研修会、学生とのワークショップでの若い斬新な意見を参考にしながら議会運営に活かしております。また、昨年のワークショップで皆さんから頂いた政策提言を、本町にあった形に検討し、町政に反映させております。私共も地方議会の進むべき道を模索し、地方分権型社会に対応できる議会を目指していますので、お互いに活用策を見出し、この提携が確かなものになるよう努力していきましょう」と挨拶し、山梨学院大を代表して丸山正次法学科長は「5年目を迎え、常に目指してきたものは、議員の方々と学生の声が両者共鳴し、お互いに啓発し合えればという思いで企画をしてきました。幸いここで得たいくつかの刺激が、議会活動や町政の中に活かされており、お互いにとって良かったなと思っています」と挨拶した。開会式後、昭和町議会の3つの常任委員会(総務・教育厚生・産業土木)に対応する形で会場を分け、ワークショップが行われ、学生の研究報告・政策提案に続いて、議員による質疑応答・意見交換が行われた。

以下、各ワークショップの内容(委員会ごとに制限時間を設け、時間内に報告、提案、質疑応答等を行う)

■総務委員会(税財政、人事・給与、政策評価、組織改革、地方分権等)
@討議型世論調査と住民投票の連結制度導入の提案(外川ゼミ)
A自治基本条例制定の提案(江藤ゼミ)
B昭和町の青少年とネットとの関連(山内ゼミ)
 
■教育厚生委員会(福祉・保健・医療、介護保険、保育、教育等)
@中学生への市民教育(江藤ゼミ)
A認定こども園と昭和町の未来・リニア新幹線と昭和町の未来(山本ゼミ)
B生涯学習(平和教育)(小菅ゼミ)

■産業土木委員会(農業、商工業、観光、都市計画、まちづくり、環境等)
@リニアを活かしたまちづくり(江藤ゼミ)
A身延線及びバス交通について(中井ゼミ)

学生たちは、今回の政策提案のために昭和町を訪れ、議員などからのヒアリング調査や施設見学などを行い、町政の現状把握と問題点の洗い出しなどのフィールドワークを実施。学生たちは、その中から見えてきた課題と他の自治体や社会情勢などを比較し、より昭和町にとって魅力的な政策や実現可能な政策などを議員に対し提案した。学生からの提案に対し、その事案に関係する常任委員会の議員が、町の現状や他の自治体の現状、細かな部分を確認し、相互に関連する質問を重ね、今後の取扱いや方向性について回答。また、議員側からも学生たちに質問が寄せられ、学生・議員相互で町政や議会運営に関する議論が深められた。
 
閉会式で昭和町議会の樋口敏夫副議長が「各委員会ごとに分かれ、6ゼミから意見等が出され、活発な中身の濃いワークショップを行うことができました。きょうの提案・意見等を持ち帰り、中身を更に検証し、後日回答したいと思います。素晴らしい提言もありますので、1点でも多く行政に取り入れていきたいと思います。今後も教授陣による勉強会や学生の皆さんからの提言等をもとに、更なる議会改革に取り組んでいきたいと思います」と総評した。また、山学大ローカル・ガバナンス研究センターの山本 啓センター長は各ゼミの報告を講評し「大学と自治体が提携し、政策提言するということは全国的に多くありません。非常にユニークな試みを大学と昭和町はやっていることになりますので、恐らく今後も各種学会等で注目を集めると思います。今後もこういった取り組みをもっと活発に進めていくことが問われてくると思います」と語った。

文・カメラ(Y.Y)
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