男子第63回全国高校駅伝競走大会が12月23日、京都府の西京極陸上競技場を発着とする付設マラソンコースで都道府県代表47校が参加して行われた。12時30分に一斉スタートし、7区間42.195キロメートルで高校駅伝男子の日本一を競った。山梨県代表の山梨学院(2年連続12回目出場)は、関東大会において都大路入賞圏内のタイムで快走した布陣で挑み、2時間6分7秒で山梨県初の8位入賞と新たな歴史を築いた。エース1区・上田健太がまさかのトップ差43秒19位、続く主将の2区・深澤優も5人抜かれ24位と大きく出遅れた。期待の3区・河村和樹が順位を上げられず入賞は遠のいたかに思えたが、実力者の4区・市谷龍太郎が12人抜きの牛蒡抜きを見せ一気に12位とすると、5区・南嘉紀(2年)が2人抜き、6区・矢ノ倉弘(1年)が1人抜きの好走で9位とした。アンカー・西山令が「チームの8位入賞以内だけを考えて走った」とスタンドで応援する応援団・チアリーダー・吹奏楽に後押しさながら、前を行く鳥栖を抜く無欲の区間賞の走りで、皆の待つゴールに8位入賞の襷を届けた。優勝は豊川(愛知)が歴代4位のタイム2時間分50秒で2年ぶり7度目の日本一となった。
□2年連続12回目の出場の山梨学院は、11月下旬の関東大会で6秒差の2位と初優勝とはならなかったが都大路入賞圏内の2時間5分48秒をマーク。箱崎孝久監督は「記録的には良かったが、順位的には残念な結果となった。この経験を生かし都大路では谷村高の10位を上回りたい」と口をつぐんだ。あれから約1ヶ月、昨日の開会式で「主将の深沢を中心に6名の都大路経験組の2年生も順調に仕上がっている。タイムはともかく8位入賞以内にこだわりたい」と目標が上がった。この日の西京極陸上競技場は、天候 晴れ、気温 9.5度、湿度 65%、風向 南、風速 1.2m/s。北の大谷室蘭(北海道)から南の北山(沖縄)まで47都道府県代表がスタートラインに付いた。山梨学院は上田が3列目アウトの3番目から、12時30分の号砲とともに一斉にスタートした。
第1区 10km 【西京極陸上競技場〜烏丸鞍馬口】
上田健太(2年)〈19位30:21〉チーム《19位 30:21》(トップ差0:43) |
1区の上田は無理をせずに西脇に付いて行こうと、縦長の集団のやや後方で「流れにあわせる気持ちで」競技場を一周。京都市体育館を右折し西五条通に出ると、先行していた八幡浜も吸収され横長の集団になり五条天神川交差点を通過。1キロ地点で上田は「確り自分のポジションを確認し、伊賀白鳳をマーク」しての走り。JR嵯峨野線の円町駅付近から上がって下り、ここから7キロ地点まで一気に上がるコース。上田は「集団がばらけ、後方において行かれたが、『下りで抜ける』と粘って上がる」。上田は7キロ地点の一気に下る坂で「思いどおりに3人を抜く」。第一集団の前のペースが上がり、上だと第一集団との差が開く。上田は「前から落ちてくるのを辛抱強く待ち」走る。金閣寺前を通り過ぎ、カトリック衣笠教会を右に折れ北大路通へ。ここから中継所までの3キロは下りのコース。上田は残り1キロ「平坦なコースで、足に乳酸がたまり前を追い上げられない」。それでも上田は堀川通を左折し、緩やかに蛇行する紫明通を全力で走る。上田は「来年は、身体を鍛え直して必ず区間賞を取る」と誓いながらラストスパート。第1中継所で待つ主将の深澤に、区間19位トップ差43秒で襷を渡した。
☆1位 伊賀白鳳(三重)、2位 豊川(愛知)、3位 九州学院(熊本)、4位 美方(福井)、5位 倉敷(岡山)、6位 和歌山北(和歌山)、7位 西脇工(兵庫)、8位 滋賀学園(滋賀)。19位 山梨学院(山梨)
第2区 3km【烏丸鞍馬口〜丸太町河原町】
深沢優(3年)〈42位 9:00〉チーム《24位 39:21》(トップ差1:13) |
2区の深沢は「混戦で押し合いに成ると分かっていたので、襷渡しの押し合いに負けずに強気で受け取り」烏丸通を下る。さらに入りの400メートルを意気んで力んで走りバランスを崩す。深沢は白鴎大足利ともう一校に抜かれるも、地下鉄烏丸線の鞍馬口駅脇を力走する。深沢は1キロ地点で時計を目視するが「2分45秒と設定タイムより5秒遅い」。タイムを上げようと力走し、烏丸今出川交差点を渡る。京都御苑を左に見て、前に追いつこうとした走る。深沢は府民ホールアルティ付近の「中間点付近では、設定タイムより10秒遅い走り」。懸命に走っているわりには、タイムが伸びずに気持ちが動揺する。「応援の人の『がんばれ』という声に励まされ、腕を振る」が思うようにペースが上がらな い。米子松蔭と鹿児島実にも抜かれ焦る気持ちを抑えての力走が続く。深沢は菅原院天満宮の脇を全力で走るものの身体が重い。「これではいけないと一生懸命走る」が、残り1キロで小林にも抜かれ空回り。京都御苑角を左折し丸太通に入り、渾身の力を振り絞りラストスパート。丸太町河原町の第2中継所に24位で駆け込み、河村に「順位を5つ落とし申し訳ない。後は頼むと」と懇願し襷を委ねた。
☆1位 伊賀白鳳(三重)、2位 豊川(愛知)、3位 倉敷(岡山)、4位 九州学院(熊本)、5位 和歌山北(和歌山)、6位 西脇工(兵庫)、7位 鳥栖工(佐賀)、8位 小林(宮崎)。24位 山梨学院(山梨)
第3区 8.1075km【丸太河原町〜国際会館前】
河村知樹(2年)〈21位 24:50〉チーム《24位 1'4:11》(トップ差3:8) |
河村は「24位と聞き、目標は8番以内」と下りの丸太町通を一人で激走。さらに前を詰めようと鴨川にかかる橋を渡り、京阪電鉄の神宮丸太町駅脇を必死で走る。「後ろからもの凄い勢いで、青森山田の留学生に抜かれ」付いて行こうか躊躇し見送る。河村は聖護院山王町交差点を左折し、ここからの上がり坂の東大路通へ。京都大学のキャンパスを左右に見渡し走り、さらに上がる今出川通へ。白川通今出川の信号を左折し白川通を1キロ上がる。河村は北白川小学校付近の中間点で「大牟田に抜かれ、大牟田に付いて走ったが、このままだと後半持たない」と自制。間もなくすると「佐久長聖が抜いて行ったので、このままではチーム目標が達成出来ない」と勇気を持って追撃。河村は白川通の叡山電鉄の宝ケ池駅付近の19キロ手前から、急な上がり坂と下り坂を「これ以上は順位を落とせない」と歯を食いしばり佐久長聖に迫る。河村は残り1キロ地点「佐久長聖の裏に付き」左折し宝池通を上がる。河村は同志社中高グラウンドを右に見て左折。国際会議場前の折り返し地点をまわり、佐久長聖を襷渡しの前に抜き返す。河村は「青森山田の留学生と大牟田に付いて行けない自分を反省しながら」、24位を堅持し第3国際会館前中継所で待つ市谷に襷を託した。
☆1位 豊川(愛知)、2位 世羅(広島)、3位 伊賀白鳳(三重)、4位 大分東明(大分)、5位 小林(宮崎)、6位 倉敷(岡山)、7位 西脇工(兵庫)、8位 花輪(秋田)。24位 山梨学院(山梨)
第4区 8.0875km【国際会館前〜丸太町寺町】
市谷龍太郎(2年)〈3位 23:30〉チーム《12位 1'27:41》(トップ差3:17) |
市谷は「24位という想定外の順位に、自分の区間で何人抜けるか」と襷を受け取り走る。宝ヶ池通から白川通の下り1キロを2分46秒で通過。市谷は叡山電鉄の宝ケ池駅付近の坂を快調に上がり、急な下り坂を飛ばし、緩やかなアップダウンを「佐久長聖の選手と追いつ追われつ」の激走で下る。白川通北山信号機を直進し白川通を「佐久長聖と競り3キロ地点も2分38のラップで通過。その間に4人位の選手を抜く」激走。さらに北白川小学校付近の中間点をひた走る。市谷は白川通今出川の信号を右折し「足がきつくて、思うように動かない」。それでも今出川通の京都大学キャンパス左脇を1キロ下る。市谷は百万遍の信号を左折し、「後方の佐久長聖を確認すると未だ付いてきたので、 休まずに」キャンパスを突き抜け東大路通を駆け抜ける。市谷は聖護院山王町交差点を右折し、なだらかに上がる丸太町通へ。京阪電鉄の神宮丸太町駅付近の残り1キロを「1区から3区まで襷を繋いで来てくれた仲間のことを思いラストスパートを掛けた」と鞭を入れ走る。先を行く選手を抜きながら鴨川にかかる橋を渡る。市谷は丸太町寺町の第4中継所で待つ、南に12人を牛蒡抜きにする区間3位の快走で、12位と順位を上げ襷を渡した。
☆1位 豊川(愛知)、2位 西脇(兵庫)、3位 小林(宮崎)、4位 倉敷(岡山)、5位 世羅(広島)、6位 伊賀白鳳(三重)、7位 大分東明(大分)、8位 白鴎大足利(栃木)。12位 山梨学院(山梨)
第5区 3km【丸太町寺町〜烏丸紫明】
南嘉紀(2年)〈16位 8:55〉チーム《10位 1'36:36》(トップ差3:24) |
南は市谷が12位と順位を上げて来たのを見て燃えた。「この流れを乱さないように走ろうと、落ち着いて」なだらかに上がる丸太町を走る。南は400メートル地点で「一人に勢い良く抜かれたが、焦る自分を抑え」リラックスして走る。前を行く選手を抜きながら「手をブラリとさせたりして、肩の力を抜き走る」。南は1キロ地点「普段よりラップが5秒遅い」。何時もは慌てるが、今回は動揺しない。ここから中継地点まで上がり坂「ペースを落とさずリズム良く上がる」好走。地下鉄烏丸線の丸太町駅の信号を右折し烏丸通へ、京都御苑を右に見て走る。府民ホールアルティ付近の中間点で「時計を見ると設定タイムに追いついた」まだ身体に余裕がある。南は2キロ過ぎに抜かれた選手を抜き返し 、さらに前を行く選手を抜き、烏丸今出川交差点を渡る。残り1キロで「この流れを切らさずに矢ノ倉に渡そう」とリズム良く走る。地下鉄烏丸線の鞍馬口駅脇を抜け、ラスト300メートルの上がり坂を「身体が自分でも驚くくらいに軽く動く」。結果、南は設定より10秒速い走りで、花輪と青森山田を抜き順位を2つ上げ、第5烏丸紫明中継所で待つ、矢ノ倉に10位として襷を手渡した。
☆1位 豊川(愛知)、2位 西脇工(兵庫)、3位 倉敷(岡山)、4位 伊賀白鳳(三重)、5位 小林(宮崎)、6位 世羅(広島)、7位 大分東明(大分)、8位 白鴎大足利(栃木)。10位 山梨学院(山梨)
第6区 5km【烏丸紫明〜西大路下立売】
矢ノ倉弘(2年)〈6位 15:02〉チーム《9位 1'51:38》(トップ差3:32) |
矢ノ倉は「南が10位になり入賞が見える位置、自分に気合いを入れて襷を受け」烏丸通を走る。矢ノ倉はカーブが多くアップダウンのある難所といわれるコースを「前の選手を目掛け、攻めの走り」で突進。矢ノ倉は前を行く九州学院を600メートル地点で捕らえ抜き去る。矢ノ倉は大小のカーブが多くコース取りが難しい紫明通と堀川通を、さらに「前を行くランナーを捕らえる」と全力走。矢ノ倉は勾配が急になる北大路通を「向かい風の中、飛ばし過ぎが祟り、苦しい」がかまわずひた走る。矢ノ倉は中間地点で「去年は追い風で余裕があり下りに備えたが、今年は向かい風の中で、しかも攻めの走りに徹して一杯一杯で、下りに備える余裕がない」。金閣寺を右にさらに「西山に1秒でも早く繋ぎたい 」と力走。矢ノ倉は残り1キロ付近で「頭が真っ白になり意識が薄れて行く」。目を見開くと前方に「山梨学院の幟が確りと見える」。薄れる意識が完全に戻り、その前を走り抜けると「応援の声援の中から両親の声が聞き取れ、生き返った」と下り坂を力走する。応援に背中を押された矢ノ倉はラストスパートを掛け、昨年の区間10位を上回る区間6位の走りで、西大路通下立売の6区中継所で待つ、アンカー・西山に9位で襷を渡した。
☆1位 豊川(愛知)、2位 西脇工(兵庫)、3位 倉敷(岡山)、4位 世羅(広島)、5位 小林(宮崎)、6位 伊賀白鳳(三重)、7位 白鴎大足利(栃木)、8位 大分東明(大分)。9位 山梨学院(山梨)
第7区 5km【西大路立売〜西京極陸上競技場】
西山令(2年)〈1位 14:29〉[区間賞]チーム《8位 2'6:07》(トップ差3:12) |
アンカー・西山は「チーム8位以内入賞だけを考えて」西大路通を下る。「鳥栖工の光延くんに100メートル位で抜かれた。とっさに、光延くんに付いて行けば良いと判断し並走」。JR嵯峨野線の円町駅付近から下がって上がり、ここから約4キロ地点まで一気に下るコース1キロ付近を「遅すぎず早すぎずの2分48でリラックス」して通過。中間地点、「設定タイムどおりだったが、『もう中間地点に来たのか』と思った。気持ち的にも身体的にも余力があった」と鳥栖工と並走。西大路通を右折し五条通へ出ると、視線の先に8位の背中が見える。残り1キロ、アンカー・西山は「8位の大分東明の背中が大きく捕らえられる位置に付いた。これで光延くんとの一騎打ちとなる」と確信。京都市体育館脇を左に舵を取ると競技場が目の前に飛び込んで来た。鳥栖工と一緒に8位の大分東明を抜き、観客の歓声と応援団・チアリーダー・吹奏楽の声援が轟く競技場のトラックへ。アンカー・西山は冷静だった。8位となった鳥栖の後ろで仕掛けるタイミングを計る。ラスト300メートル、満を持して満身の力を振り絞りゴールを目指す。そのまま鳥栖を振り切り、区間賞の走りで8位入賞の襷を皆の待つゴールに届けた。
☆1位 豊川(愛知)、2位 西脇工(兵庫)、3位 伊賀白鳳(三重)、4位 倉敷(岡山)、5位 世羅(広島)、6位 白鴎大足利(栃木)、7位 小林(宮崎)、8位 山梨学院(山梨)
□7区で区間賞に輝いた西山令(2年)は「チームの8位以内だけを考えて走り切った。区間賞のことは走り終わってからも分からなかった。移動中に仲間から区間賞と言うことを聞いて『びっくり』した。率直に大変嬉しいです」と満面に笑みを浮かべ、喜びを噛みしめていた。
□主将・深沢優(3年)は「山梨県大会と関東大会とチームは波に乗った。本大会で自分が足を引っ張ったが、チーム一丸となり目標の8位入賞を果たせて良かった。沿道での応援や競技場での応援が後押ししてくれた。応援してくれた全ての方々に感謝したい」と述べた。
□箱崎孝久監督は「1区・2区が終わった時点では、目標の8位入賞達成は難しいと思った。3区が粘り、4区の市谷が流れを変える12人抜きの快走で望みが出た。そして5区の南が2人抜き10番と入賞が見える位置に上げてくれ、これで完全に流れができたと確信した。後は期待どおり6区の矢ノ倉が9位へ、アンカーの西山が区間賞の走りで8位入賞の襷を届けてくれた。今大会はタイムより順位にこだわり挑んだ。主将の深沢が良くチームをまとめてくれた。来年は経験者6名が最高学年になる。チームをさらに鍛えて優勝に絡めるチームにして都大路に戻ってきたい」と語った。
文(H・K)、カメラ(Y・Y)(平川大雪)(藤原稔)(今村佳正)(小池裕太)
| アルバムレース | アルバム西山選手 | アルバム深沢選手 |
男子第63回全国高校駅伝・山梨学院高校応援団
〜応援団が一丸となり、最後まで仲間を信じ声援を送る〜 |
スタート・ゴール地点となる京都市・西京極陸上競技場には、山梨学院高校駅伝部を応援するために吹奏楽部やチアリーダー部、応援団などおよそ100人が山梨から駆けつけた。山梨を前日22日にバスで出発し、京都に1泊しこの日の応援に備えた。今年度の全国大会のスポーツ応援は高校駅伝が初舞台。今までの練習の成果を発揮し、普段教室で机を並べ、一緒に勉学に励む仲間のために、力の限り、気持ちを一つにして声援を送った。男子のスタート時の競技場の気温は9.5度。午前中まで出ていた日差しが無くなり、京都盆地特有の「比叡おろし」が吹き荒れ、凍えるような寒さが競技場を包んでいた。競技場バックスタンドの応援団は寒さを吹き飛ばし、選手の力になるよう熱のこもった応援を展 開。レース後半、山梨学院が着実に順位を上げ、9位に上がったと知らせが届くと応援団は大興奮。アンカー西山令選手が、8位の選手と僅かな差で競技場に戻ってくると、応援は最高潮に。仲間の声援が届き8位でフィニッシュすると応援団も割れんばかりの歓声を挙げた。凍える寒さの中、元気いっぱいの笑顔で声援を送ったチアリーダー部の塩入玲未部長は「駅伝部の力がなければ全国の舞台で応援することはできなかったので、この場に連れてきてくれた駅伝部のために自分たちの力が選手に届くよう一生懸命応援しました。男子は今までにない結果でベストを出し、入賞も果たし、選手たちの頑張りに興奮しました。ブラスバントと応援団、生徒会のみんなの力で選手を後押しできたと思っています」と語った。また、応援を音楽で盛り立てた吹奏楽部の前島政道部長は「歴史的な瞬間に立ち会えて良かったです。みんなが一丸となって一つのことに取り組んだ成果かなと思います。この経験を私たちもコンクールなどでいかしたいです」と述べた。寒風が吹き荒れる中、応援団の最前線で声を張り上げた浅川莉央応援団長は「応援の力が選手に届いたようなので良かったです。この結果は自分たちにも励みになるので見習いたいです。こういった感動を共有でき、みんなと一緒に一喜一憂することは日頃の生活にもいきてくる。山梨学院には、このような授業では学べないたくさんの機会があるので、一つ一つのことを大事にし、またみんなで気持ちを一つに頑張りたい」と話した。スタンドで声援を送った椚謙一PTA会長は「これまでの成果が出て、入賞ができて大変嬉しく思います。山梨学院高校の新しい1ページが築かれました。さらに上がありますので、一生懸命練習して目指して欲しいです。他の生徒も駅伝部の頑張りに刺激を受け、しっかりと自分の目標を持って学園生活を送ってほしいです」と語った。この日の男子の結果や学校応援について川手佳彦統括顧問は「選手たちは一人一人が耐え、良く頑張った。我慢の時間もあったが、選手、監督が心を一つにして入賞したいという思いがこの結果を生んだ。常日頃の練習の成果はもちろんだが、駅伝に関係しない普段の生活態度や自己管理がこの結果に繋がったと思う。選手たちはこれに甘んずることなく来年は一つでも順位を上げられるよう精進してもらいたい。この駅伝部の頑張りは学校の活性化になり他の生徒にも刺激になった。全校生徒も期待していたので、応援の力が届いて良かった」と総括した。
仲間の思い・声援が力に変わった瞬間がそこにあった。最後の最後まで仲間を信じ、声援を送り続け、一つの結果をもたらした・・・山梨県勢初となる8位入賞。襷を繋いだ7人の選手だけでなく、監督、コーチ、控えの部員、保護者、応援した仲間、教職員・・・関係する全ての人の思いが選手に届き、襷に込められゴールへと運ばれた。ゴール後の主将の涙が伝播し、応援団の中にも目に光るものが見えた。この光が、駅伝部の新たな伝統の幕開けとなり、この入賞を見届けた全ての人の希望や新たな挑戦への活力となりうるのではないだろうか。
文・カメラ(Y.Y)
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