山梨学院パブリシティセンター
日本学生氷上競技選手権 最終日
〜チームパシュートで歸山・高橋・池田激走優勝〜
〜スピード2位フィギュア6位で総合4連覇達成〜

栃木県日光市・宇都宮市で4日間にわたり繰り広げられた第85回日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)は最終日の1月9日、インカレ恒例の団体戦、男女2000mリレーとチームパシュートが行なわれた。3位で最終日を向かえた山学大女子は、最初の種目2000mリレーで2位になり、最終種目の3人一組で滑るチームパシュート(団体追い抜き)で歸山麻衣・高橋菜那・池田千奈美が渾身の激走で見事に優勝した。この結果、学校対抗は高崎健大を逆転、日体大に次ぐ2位となった。女子スピード部門4連覇はならなかった。しかし、フィギュア競技で那須野光が孤軍奮闘で団体6位を獲得したため、スピードとフィギュアの合計点で競う女子総合は山梨学院大が優勝となった。スピード陣の努力にフィギュア陣の努力が加わり、創部初の総合4連覇(通算7度目の総合優勝)が達成された。また、昨年1部から降格した男子は、2部で圧倒的強さを発揮し1年で1部昇格を果たした。
大会最終日、3日間晴天で温かかった日光市霧振スケートセンターは、未明にわずかに雪が降り、レース開始午前9時21分の天候は曇り空、北の風3,1m、気温1,1度、氷温−7,7度、湿度76度、4日間で最も低温、真冬らしい寒さの中で戦うリンクコンディションとなった。
 
≪女子2000mリレー 梅川・澤田・高橋・土田≫
最終日最初の種目2000mリレーは、1人が500mずつ滑り4人でバトンリレーを行う競技。スプリント力とともにバトンの受け渡しが難しい種目。山学女子は第2組で大東文化大との同走。1走のスプリンター梅川風子主将(4年 大検)は「山梨学院大学、行きま〜す」と大きな声を発して飛び出した。滑らかに力強く滑走、バトンを渡すタイミングも良くいきなりリードした。2走は新人の澤田芽依(1年 帯広三条)が抜擢され、梅川が作ったリードをさらに広げた。3走も新人の高橋菜那(1年 白樺学園)、高橋は長身を利して豪快に飛ばした。アンカーはラストランの土田愛(4年 駒大苫小牧)、同走の大東大を8秒近く離し2分42秒87の好タイムでゴールしたが、最終組で滑った高崎健大が大会新・リンク新の2分41秒61で滑ったため惜しくも2位となった。この時点ではトップは高崎健大、2位日体大、3位山学大となった。
 
≪女子チームパシュート 歸山・高橋・池田≫
三つ巴の戦いの決着は、3人一組で滑り、男子は8周・女子は6周、最後にゴールした選手のタイムで順位を競うスピードスケート独特のチーム戦、チームパシュート(団体追い抜き)に持ち込まれた。山学大は、歸山麻衣(4年 駒大苫小牧)・高橋菜那・池田千奈美(1年 駒大苫小牧)の3人で臨んだ。リレーと同様に2組で大東大と同走した。8秒以上の大差をつけ、3分19秒09でゴール、最終組の高崎健大・日体大のレースを見守った。場内アナウンスで先着した日体大に勝利したことがわかった瞬間、3人は抱き合い、監督・コーチがいるバックストレートに走り、嬉し涙を流してチームメイトと抱き合った。1位山学大、2位日体大、3位大東大で高崎健大は5位となった。歸山麻衣選手は「今回は一つも優勝出来ていなかったので、最後のパシュートだけでも1位を取りたかった。今年の山学は良くまとまっているので、チーム力で勝てたかなと思います。スピード部門は勝てなかったが、学校全体で総合優勝できたのはすごく嬉しい」と表現した。高橋菜那選手は「パシュートは優勝できたが、4年生を部門優勝で送り出したかったので残念です。思い返すともっと準備できなかったのかとか色々あります。来年は今回の失敗を繰り返さないようにしたい」と話した。池田千奈美選手は「体調を崩していて、引っ張れなかったが、菜那と麻衣さんが2人で自分のことをフォローしてくれて、最後まで全員でゴールすることが出来て良かったです。4年生が残してくれたものを来年につなげていけるように頑張って行きたい」と語った。
この結果、スピード部門女子の優勝は日体大(52,5点)、山学大が逆転2位(46,5点)、3位高崎健大(46点)、4位大東文化大(22,5点)、5位信州大(8,5点)、6位東京女子体育大(0点)、7位筑波大(0点)、8位東洋大(0点)、9位慶応大(0点)(同点の場合は上位者が多い学校が優位)となった。山学大のスピード部門大会4連覇はならなかった。しかし、フィギュア競技で那須野光が孤軍奮闘で団体6位を獲得したため、スピードとフィギュアの合計点で競う総合は山学大が優勝となった。スピード陣の努力にフィギュア陣の努力が加わり、創部初の総合4連覇(通算7度目の総合優勝)を達成させた。
 
男子は、2部男子2000mリレーは2位(宗宮紘汰・小原司・下田琢也・戸田真也)。2部男子チームパシュートは優勝した(高浪健太・由井篤樹・由井翔)。2000mリレー以外は全て優勝、得点合計68,5点で、2位信州大の42,5点に大差をつけた。2部では圧倒的な強さを発揮し1年で1部昇格を果たした。
 
全ての競技を終えた山学大チーム、集まった選手に対し和田貴志コーチは「4年生はお疲れさん、よく頑張ってくれた。男子は、来年もっと強い大学と戦うことになる。今からスタートという気持ちでしっかり来年につなげるように。女子は最後のパシュートで勝てたが、歸山が機転を聞かしてフォローしてくれたから。誰かが失敗したら誰かがフォローしなければインカレは勝てない。一人一人がベストを尽くせば男子も女子も総合優勝を狙える、そういう気持ちで来年以降も頑張ってもらいたい」と選手を励ました。川上隆史監督は取材に対し「今回のインカレは、男子は1部復帰、女子は3年間守ってきた全国トップの座をもう1年延ばすことを目標に臨んだ。スピード部門は準優勝で4連覇は出来なかったが、チームの結束力、団体戦の力は充分発揮できた。さらに、フィギュアスケートの那須野光が孤軍奮闘してくれて学校順位6位のポイントを取り、その結果、総合は4連覇を達成させることが出来た。山梨学院スケート部の力が今回のインカレで成果として表れたと思います」と4日間を総括した。
 
そして、山梨学院大スケート部は、ショートトラックの選手もマネージャーもユニホームに着替え、日光のリンクでラストランを行なった。競技を続けるものもいるが、4年生の多くは競技生活に別れを告げて社会に巣立つ。別れを惜しむ惜別リンク周回のあと、梅川風子、歸山麻衣、土田愛、小島早織、中口雪絵・宮崎優太の6人に、後輩たちから花束が贈られた。花束を手に一人一人が後輩に別れの言葉を述べた。梅川風子主将は「大学に入って人生をやり直しました。人間やれば何でも出来るんだと自分に証明出来ました。スケートだけが人生ではないと思います。スピードが出ない選手にも、色々な才能があると思います。もっと輝ける場所があると思うので、それを探してほしいと思います。連覇は甘くなかったですが、それを目指したことが自分のステップアップになると思います、本当にありがとうございました」と後輩に言葉を贈った。6人は、監督・コーチ・チームメイト・家族・支えてくれた人への感謝の気持を言葉で表し、溢れ出そうなものを抑えながら、後輩とリンクに別れを告げた。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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