山梨学院パブリシティセンター
山梨学院小ウインタープロジェクト
〜全学年の壁を取り払って学ぶ独創的課題探求授業〜
〜興味のある講座で学び自力で博士号を取得しよう〜

独創的な教育実践に取り組んでいる山梨学院小学校で、3大プロジェクトの一つウインタープロジェクトが1月28日から2月4日の日程で行なわれた。期間中の8日間は、全学年の壁が取り払われ、四つの研究会「言葉研究会・数(かず)研究会・社会研究会・自然研究会」の中から、子ども自身が興味のある研究会の講座を選び、自発的に学ぶ取り組みが行なわれた。教師は期間中、極力アドバイザーに徹する。このプロジェクトの狙いは、教えられるのではなく、子どもが自分の力で学び、失敗の中から生きる力を育もうという試み。課題を克服すると、難易度ごとに1級〜3級の博士号シールを取得できる。自分で自分を高める学びを提供する試みは、開校時の9年前から形や内容を毎年改革させて取り組む山梨学院小独特の教育プログラム。全国的にも珍しい課題探求型授業の取り組みが内外の注目を集めている。


山梨学院小は、運動要素主体の春の「スポーツプロジェクト」、文化的・芸術的活動主体の秋の「オクトーバープロジェクト」とともに、自主学習主体の冬の「ウインタープロジェクト」を学校の3大プロジェクトと位置づけて子どもたちの探究心を高める教育プログラムを実践している。ウインタープロジェクトは、「言葉研究会・数(かず)研究会・社会研究会・自然研究会」の4つの研究会の中から、子ども自身が興味を抱いた講座を選び、「博士号」シールの取得を目指すユニークなゲーム形式の授業。1年生から6年生までの全学年の壁が取り払われ、全校児童が参加する。4つの研究会には6〜7の講座がそれぞれ用意されており、自分がどの講座を受けるといいのか、子どもたちが選び易いように、低学年向け・中学年向け・高学年向けの目安が表示され、各児童が自分の学力・知識力・能力に応じて自由に選べるように組み立てられている。期間中、教師は極力アドバイザーに徹する。子どもたちは普段の授業では学び切れない専門的な知識の習得に協同で取り組む。「学び方を学ぶ」のもこのプロジェクトのねらいの一つにな っている。

研究会名

学年向け

講座名

取組内容

言葉研究会

全学年向け

英語でオリンピック講座

五輪の歴史・競技・選手などを英語で学ぼう

全学年向け

狂言講座

4分野4種類の狂言の型が出来たら3級合格

低学年向け

人物研究講座

漫画や小説を読んで登場人物を研究しよう

中学年向け

暗号講座

絵文字を用いてオリジナルの文字を考えよう

中学年向け

ディベート講座

ディペートの形式に従って自分の意見を言おう

高学年向け

星新一講座

ショートショートの天才星新一の小説を読もう

高学年向け

万葉仮名解読講座

万葉仮名で書かれた言葉や文章を解読しよう

 
数研究会

低学年向け

対称講座

ブロックや紙を使って総対称の図形を作ろう

低学年向け

折り紙講座

図を見ながら自分の力で折り紙してみよう

中学年向け

展開図アート講座

展開図を貼り合わせ展開図アートを作れば1級

中学年向け

2進法講座

片手でいくつまで数えれるか謎解きをしよう

高学年向け

数独講座

数独の難問が解けたら1級合格だ

高学年向け

美と比例講座

黄金比について深く学び渦巻の作図完成で1級

高学年向け

法則・暗号

数字や記号の並び方から決まりを見つけよう

 

社会研究会

全学年向け

新聞作り講座

情報を集めて自分だけの独自新聞を作ろう

全学年向け

名言講座

著名人の名言とその人物の生涯を学ぼう

全学年向け

つかえる関西弁講座

関西弁の喋り方や関西の文化を学ぼう

全学年向け

グラスハープ

ワイングラスで音楽を演奏してみよう

3年上向け

登山の方法講座

山登りの知識や技術を学ぼう

3年上向け

剣豪・剣術基礎講座

剣豪や剣術について、剣術稽古をしながら学べ

 

自然研究会

1〜6学年

海の生態系講座

食べる・食べられる関係を中心に海の生物を学ぶ

1〜6学年

顕微鏡の基本講座

顕微鏡の使い方を学び観察する技能を身につける

1〜4学年

きれいきれい講座

インフルエンザから体を守る知識や予防を学ぶ

3〜6学年

食事と健康講座

自分の食生活をもう一度振り返ってみよう

4〜6学年

足ツボ講座

足ツボの位置や健康との関わりを勉強しよう

5〜6学年

宇宙開発講座

ロケットや人工衛星の知識テスト合格で2級だ

 

各講座を覘いてみると、自然研究会の「海の生態系講座」では、チリメンジャコの中から、イワシ以外の稚魚を見つけ出す「チリメンモンスターを探せ」に挑み、カニやタチウオなどの稚魚を見つけて標本版に張り付けるジャコ標本作りに取り組んでいた。社会研究会の「新聞作り講座」では、見つけた情報をパソコンのインターネットでさらに詳しく調べ、新聞の見出しを考えたり、写真や図表を張り付けたりして本文を書き上げ、各自オリジナルの「山梨学院小新聞」を作り上げていた。変わったところでは「剣豪・剣術基礎講座」で5年生の女の子たちが、道着姿の鈴木崇教諭から剣術の構え方の基本を学んでいた。また「きれいきれい講座」では、流行中のインフルエンザから身を守るにはどうしたらいいのか、ウイルスの知識を学び、予防法を学んでいた。
 
ウインタープロジェクトの特徴は、一人ひとりがその時一番学びたい課題を学ぶところにある。普段の授業では学び切れないような深い知識を習得するのが一つの狙い。期間中、色々な講座に参加することも可能であり、「言葉」を学びたい児童は8日間ずっと「言葉」だけを学ぶことも出来る。知識の習得と学び方を学ぶプロジェクトは、子どもたちの探究心"もっと知りたい"を高める取り組みとなっている。

文・カメラ(M.T)
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