
テニスシーズン開幕を告げる関東学生新進テニス選手権大会が2月25日から3月3日の間、慶応大学日吉キャンパステニス場などで開催された。各大学の新戦力を占う春関前哨戦で山梨学院大学テニス部女子が躍動した。シングルス7人、ダブルス3組が出場。このうち、女子シングルス準決勝は山学大同士の戦いとなり、1年の本郷未生が先輩の3年田村実里に初めて勝利し決勝に進出した。本郷は決勝で敗れ優勝はならなかったが、冬場のトレーニングで一段と成長したことを証明した。田村実里が3位となり、下道愛里紗がベスト8となった。部員わずか6人でスタートした山学大テニス部女子は、8年目を向かえる今シーズン、関東学生リーグ初優勝を狙うチームに急成長した。整った環境と厳しい練 習で、無名選手集団が大学日本一を狙う集団に飛躍している。
山梨学院大テニス部女子は、2006年に強化育成クラブとして部員6人で誕生した。関東大学テニスリーグ5部からスタート、初年度5部優勝、2007年4部優勝、2008年3部優勝、2009年2部準優勝入れ替え戦勝利で最短最速で1部に昇格した。2010年1部4位、2011年1部5位、7年目の昨年は、8月のインカレに10選手を送り込むチームに成長、リーグ戦で準優勝し大学日本一を決める"王座"初出場を果たした。高校時代はインターハイで1勝も出来なかった松田望実(4年 鳥取中央育英)がインカレベスト16に入り、実業団の強豪明治安田生命チーム入りすることに象徴されるように、高校時代は無名だった選手たちが、専用テニスコートと愛宕山まで駆け上がるハードな練習を積み重ね、新興チームながら、今シーズンは"リーグ戦優勝""王座優勝"を目標に大学日本一に挑む集団に発展してきた。
関東学生新進テニス選手権には、ランキング上位20位以内の選手は出場できない為、岡田優里(2年 三重・四日市商)と久次米夏海(1年 大阪・城南学園)の2人は欠場したが、田村実里(3年 神奈川・弥栄)、泉水玖瑠美(3年 神奈川・弥栄)、下道愛里紗(2年 福井・仁愛女子)、本郷未生(1年 東海大相模)ら7人がシングルスに出場、ダブルスに大塚可奈子(3年 宮崎商)・泉水玖瑠美組ら3組が出場した。このうち、女子シングルス準決勝は山学大同士の戦いとなり、1年の本郷未生が先輩の3年田村実里に3−6、7−6、6−4の逆転初勝利で決勝に進出した。本郷は決勝で梶谷桜舞(早大)に2−6、2−6で敗れ優勝はならなかったが、冬場のトレーニングで成長したことを立証した。田村実里が3位となり、下道愛里紗がベスト8となった。
本郷未生選手は「田村先輩には一度も勝ったことがなく、チャレンジャー精神で思い切りぶつかって行きました。決勝の相手は同じようなタイプ、テニス技術には差がなかったが精神面でもっとやれることがあった、悔しい」と成長を誓った。
田村実里選手は「準決勝は後輩との同士討ちでやり辛かった。準々までは、今まで以上に攻め切るいいテニスが出来た。自分のテニスが見えてきた」と手応えをつかんでいた。
8日からは、ホームの山梨学院横根テニス場を舞台にして、世界ランキング入りへの第一歩「甲府国際オープンテニス2013年大会」予選が始まり、18日から本戦が行なわれる。大会の運営にはこれまでも部員全員が関わって来たが、今年は新1年生6人を含む17人が選手として出場する。8年目を向かえた山梨学院大テニス部女子は、今年を飛躍の年と位置付け、甲府国際オープンで世界の舞台を目指す第一歩を印し、5月の春関(関東学生テニストーナメント)で大学日本一への道を切り開く。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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