
第89回日本選手権水泳競技大会競泳競技は4月13日、周辺の山々に残雪が残る新潟・長岡市のダイエープロビスフェニックスプールで大会3日目のレースが行なわれた。50m背泳ぎ、200m個人メドレーなどの予選・B決勝・決勝が行われた。山梨学院勢は、50m背泳ぎに山下安輝・竹迫麻澄、100m自由形に本間あかり、400m自由形に江原騎士、200mバタフライに川津久志、200m個人メドレーに青木健紘が出場した。そして、故障上がりで200m自由形では決勝進出を逃した江原騎士が、400m自由形で自身初の、山学男子勢としては2006年の横山悠生以来7年ぶりとなる日本選手権ファイナリストとなり、6位入賞を果たした。また、青木健紘が400m個人メドレーに 続き、200mでもB決勝に進み4位(全体12位)を獲得した。
≪男子400m自由形 決勝 江原騎士≫
江原騎士(えはら ないと 2年 山梨学院高)は、大柄な選手が多い男子の中では小柄に見えるが、瞬発力と持久力の両方ともに秀でており、100mから1500mまで日本トップレベルで泳げる驚異の肉体の持ち主。実は、大会の3週間前に右足肉離れを起こし、一時練習が出来なかった。練習を再開したのは大会4日前、キックが打てるか不安な状態で大会に臨んでいた。前日の200mでは予選9位で決勝に一歩届かなかったが、B決勝で自己ベスト更新の1分49秒38(自己新・県新・山学新)でゴールしB決勝2位となった。200mのレース後、「けがのいい訳はしたくないです。両親の支えと神田コーチ、トレーナーなど色々な人のおかげで選手権に出場できた。明日の400も全身で泳ぎ、これからの水泳人生を精一杯楽しめるよう、全力を出し切りたい」と話していた。体は万全ではないが、熱い思いで心を燃やし400mの戦いに挑んだ、午前中に行われた予選を7位で突破して念願の決勝進出を実現させた。そして、決勝で物凄いレースをした。スタートでいきなり猛然と飛び出した。100mは日本記録を0,21上回るペースでトップ通過した。200mで新ヒーローの荻野公介(東洋大)にトップを奪われたが、300mまでは2位を保った。終盤でキックが利かなくなり、最後は6位(3分52秒55)に下がったが、故障上がりにもかかわらず夢舞台で自分の限界に挑み、全力で泳いだ。
江原騎士選手は「後半キックが打てなくなったが、今の自分の力は出せたと思います。日本選手権で自信と課題の両方を得ました。ジャパンオープンとインカレに向けて、死に物狂いで練習に打ち込みたい」と更なる飛躍を誓った。
≪男子200m個人メドレー B決勝 青木健紘≫
青木健紘(あおき たけひろ 3年 香川・高松工芸)は、高校時代は平泳ぎが専門だったが、山学大に入ってから個人メドレーに取り組み、徐々に徐々に力をつけてきた。1日目の400m個人メドレーではB決勝8位(全体16位)だった。この日の200m個人メドレーは、午前中の予選を自己ベストに迫る2分02秒35で泳ぎ、11位でB決勝に進んだ。B決勝では、後半型の青木が珍しく、思い切って前半から飛ばすレースを試みた。最初のバタフライでトップに立ち、背泳ぎでもトップを保った。しかし、得意の平泳ぎで2位に下がり、クロールが伸びず2分02秒84の4位(全体12)でゴールした。
青木健紘選手は「冬場に泳ぎ込んで昨年より体力が上がった。前半から思い切って行くレースに挑み、後半が逆に落ちたが、まだ試行錯誤の段階、インカに向かう手応えはつかみました」と自らのレース結果を分析した。
この他の山学勢は、50m背泳ぎの山下安輝(2年 山口・豊浦)18位・竹迫麻澄(2年 中京大中京)35位、100m自由形の本間あかり(1年 岩手・羽黒)27位、200mバタフライの川津久志(2年 京都外大西)33位となった。
大会最終日の14日は、女子50m自由形、女子200m背泳ぎ、男女200m平泳ぎが行われる。山梨学院勢は、50m自由形に本間あかり、200m背泳ぎに山下安輝・酒井志穂、200m平泳ぎに重森俊二・大林稜典・鈴木聡美が出場する。
山梨学院勢 3日目の成績 |
名前
|
学年 |
種目 |
記録 |
備考 |
江原騎士 |
2年 |
400自由 |
3分52秒55 |
6位 |
青木健紘 |
3年 |
200個メ |
2分02秒84 |
12位 |
山下安輝 |
2年 |
50背泳 |
29秒79 |
18位 |
本間あかり |
1年 |
100自由 |
58秒54 |
27位 |
川津久志 |
2年 |
200バタ |
2分02秒53 |
33位 |
竹迫麻澄 |
2年 |
50背泳 |
30秒43 |
35位 |
文・カメラ(M.T)
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