2013年関甲新学生野球春季リーグ戦(第3節2戦目)は4月22日、栃木県の宇都宮清原野球場で昨日雨で順延となった3試合を行った。第1試合目は3強の山梨学院大と上武大が対戦。山梨学院が先勝して勝ち点に王手を掛け臨んだ2戦目、0対1で負け1勝1敗のタイとなった。後攻の山梨学院は投手キャプテン右腕・山田祐也(4年)が、7回先頭打者を出塁させながらもバックにも支えられ、猛打打線の上武を相手に9回を最小失点に抑える粘投。その9回裏、先頭の1番主将・平井慎也(4年)が一塁手の右を抜ける右前安打で出塁すると、2番・渡辺晶也(4年)が中前に弾き返し無死一二塁。さらに3番・中村圭輔(3年)が内野安打し無死満塁とビッグチャンスをつくる。一打サヨナラの期待に、4番が2ー1から低目のチェンジアップに体勢を崩され5ー2ー3の併殺に倒れたものの、未だ二死二三塁のチャンス。今日2安打の5番主砲・菊池紳弥(4年)が四球を選び二死満塁と攻め立てるものの、後続に一打出ずゲームセット。これで1勝1敗となり、明日の午前2時から行われる第2試合目に勝ち神 宮への夢を繋ぐ。
□雨で順延となった山梨学院と上武の首位攻防戦。先発投手は、山梨学院が第2節の平成国際2戦目に7回完封と好投した投手キャプテン右腕・山田祐也(4年・山梨学院)を、上武が第1節の常磐1戦目で好投した技巧派左腕・横田哲(4年・飯能南)を起用。昨日と打って変わって、晴れ渡った宇都宮清原球場。一塁スタンドから午前4時に山梨から須田喜照コーチとバスに乗り込み球場に応援入りした野球部員の校歌斉唱が響き渡る。主審の右手が青空に突き上げられた。
●関甲新学生野球春季リーグ戦(第3節2戦目)【 山梨学院大学 対 上武大学 】宇都宮清原野球場
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●【山梨学院】
●[投手]山田祐也(負け投手 0勝1敗) 投球回数9回、打者39、打数29、投球数145、安打6、犠打3、四球4、死球3、三振3、失点1、自責点1
●[捕手]田中貴也
●【気象状況(午前9時)】天気(晴れ)、気温(9度)、湿度(50%)、風向(南南東1m/s)
◆後攻の山梨学院は1回表、投手C・山田祐也(4年・山梨学院)が、1番打者への内角攻めが死球を取られ出塁を許す。続く2番打者を空振り三振に打ち取り、3番打者を二塁ゴロに仕留めるが進塁され二死二塁。4番打者に1ー2からファウルボールで粘られると四球を与え二死一二塁としたが、落ち着いて5番打者を中飛に打ち取る。
◆2回裏、先頭の4番DH・中西峻也(2年・甲府城西)が内野安打で出塁するが、投手牽制球で一塁タッチアウト。この判定にベンチから高橋一三監督が出てボークの抗議をしたが覆らずに一死ランナーなしとなった。5番主砲・菊池紳弥(4年・学法石川)が左前安打で出塁するが、後続が6ー4ー3の併殺となりチャンスを逸した。
◆4回表、投手C・山田が先頭の5番打者に右前安打と初安打を許すが、6番打者を中飛、7番打者を右飛に打ち取り二死一塁とする。続く8番打者の0ー2からの3球目で、二塁への進塁を試みたランナーを捕手・田中貴也(3年・八重山商工)が矢のような牽制球で刺しピンチを逃れる。
◆4回裏の一死後、2番・渡辺晶也(4年・山梨学院)が内野安打で出塁し、ボークで一死二塁とする。二死後、4番DH・中西が死球を選び二死一二塁とするが、後続が倒れチャンスを逸する。
◆5回表一死後、投手C・山田が9番打者に左線へ二塁打を放たれ一死二塁。続く1番打者に左に弾き返されると、球がぐんぐん伸びレフトへの二塁打かと思われたが、主将・平井慎也(4年・富士学苑)の俊足を生かしてのジャンプでレフトフェンスすれすれに捕球する超ファインプレーが飛び出し窮地を凌ぐ。
◆6回表、ここまで粘投していた投手C・山田が先頭の3番打者に中前安打、4番打者に左飛へ二塁打、5番打者に四球を与え無死満塁。山田が6番打者を内野飛にし一死満塁と踏ん張るが、7番打者に中前へ弾き返され先取点を許し0対1とする。
◆9回表、投手C・山田が先頭の1番打者を三塁ファウルフライに、2番打者と3番打者を中飛に打ち取る力投。
◆9回裏、先頭の1番主将・平井慎也(4年・富士学苑)が一塁手の右を抜ける右前安打で出塁。2番・渡辺晶也(4年・山梨学院)が中前に弾き返し無死一二塁。3番・中村圭輔(3年・熊本国府)の内野安打で無死満塁とビッグチャンスをつくったが、4番が2ー1からチェンジアップに体勢を崩され5ー2ー3の併殺。未だ二死二三塁とチャンスが続く中で、今日2安打の5番主砲・菊池紳弥(4年・学法石川)に期待がかかる。主砲・菊池が四球を選び二死満塁と攻め立てるが、後続が内野ゴロに倒れゲームセット。これで1勝1敗となり、明日の午前2時から行われる第2試合目に神宮への夢を繋ぐ。
□先発完投した投手キャプテン右腕・山田祐也(4年・山梨学院)は「立ち上がりの四死球が多くて、それが攻撃に影響した」と言葉を呑んだ。7回先頭打者を出したが「監督さんが自信を持ってマウンドに送り出してくれたので、その期待に答えるためにも、自分のピッチングを信じて粘り強く投げた」。それだけに「1失点は悔し」と顔を曇らす。2番手として、1節で「高梨に2戦投げさせないようにと、冬場頑張ってきたが」と汗を拭い、「四死球を出さないように修正したい」と謙虚に述べた。
□主将・平井慎也(4年・富士学苑)は「先発の山田が要所要所で粘って、バックも粘り強く守れて、良い流れだった。攻撃の方が、相手投手の低目の変化球に手を出して、得点できなかったのが敗因」と冷静に振り返る。笑顔で今日は「得点できなかったものの、土壇場で無死満塁と相手を追い込めたのは、攻撃陣にとって自信になった」とプラス思考。「一人一人の役割をしっかり果たせれば、明日は勝てると思う」と目を輝かせた。
□高橋一三監督は「負けはしたが、今日のゲームは内のゲームだった」と静かに口を開いた。「『最後まで粘って勝つ』。たまたま、ノーアウト満塁でゲッツーを取られたが、それは結果」と力を込めた。「一昨日のゲーム(11対08回コールドゲーム)は稀のもので、先行して守り抜くのが内の野球」と頷く。ただ今日は打線が「低目のボールに手を出し過ぎた」と忠告。守りでは「山田が上武を相手に、9回を投げ最少得点に抑えたのは、大きな自信になったと思う」と称え、「野手も良く守った」と褒める。「全体的には、ナイスゲームだった。負けの中でも、大収穫」と振り返りる。「チーム力は確実にレベルアップしている」と笑みを浮かべ、「上武と白鴎を倒さなければ、神宮へは行けない」と 球場を後にした。
文(H.K)、カメラ(平川大雪)
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