第65回春季関東高校野球山梨県大会は4月29日、甲府・小瀬球場で3回戦の残り3試合が行われた。山梨学院高は第3試合で吉田高と対戦した。2日前の公式戦初戦は硬さが目立ち、甲府昭和高にようやくの逆転勝ちだったが、第2戦は、地に足をつけた自分たちの野球が出来た。先発した梅原隆斗が5回まで好投、打線は3回裏に5番田中郁也、6番先発起用の笠原雅矢の2者連続タイムリー2塁打で一気に4点を奪い、その後も毎回得点を重ねた。2日前とはまるで別のチーム、溌剌伸び伸びプレーで吉田高を圧倒し9−0(7回コールド)で勝利、ベスト8に進出した。
春季関東高校野球県大会3回戦≪山梨学院vs吉田≫(4/29)甲府・小瀬球場
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
吉田高 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
|
0 |
山梨学院高 |
0 |
0 |
4 |
2 |
1 |
2 |
× |
|
|
9 |
七回コールド
バッテリー 梅原→上原―結城→富山(山学)、井出→黒川―山口(吉田)
本塁打 菊池(山学)、2塁打 田中・笠原・山口(山学)
安打数 山学9安打、吉田5安打
第2戦の試合舞台は、新緑の香りが薫る甲府・小瀬球場。2日前の舞台、富士北麓球場での処女航海では、頼りなげな投手陣と力なげな打撃陣が、船酔いしながらやっと勝利をつかんだ覚束ない航海だったが、第2戦は戦い慣れた小瀬の舞台、山学ナインは両足でしっかり甲板に立ち、自分たちの野球で危なげない航海をした。3回裏に怒涛の攻撃、無死満塁から5番田中郁也(3年)が1塁線を抜くタイムリー2塁打を放ち2点を先制、6番に先発起用された笠原雅矢(2年、初戦代打起用、満塁走者一掃の殊勲2塁打)が初球をライトセンター間に鋭く振り抜く連続2塁打で2者が生還、一気に4点を奪った。4回には4番に座った山口大輔(2年)の2塁打で2点追加、5回には先発抜擢の7番菊池海斗( 2年)がライナーでレフトスタンドに放り込むなど、吉田采配が的中し3回から毎回得点を重ねた。2日前とはまるで別のチーム、順風満帆の航海をした。吉田高を9−0(7回コールド)と圧倒してベスト8進出を決めた。
先制タイムリー2塁打の田中郁也選手は「1打席目はチャンスで打てなかった、2打席目はここしかないと思い切って振りぬいた。次の甲府工業にはずっと負けているので、借りを返したい」と答えた。大下拓馬主将は「初戦は自分たちのゲームが出来なかったが、今日は自分たちの目指す野球に近づいたと思います。次の甲工戦はいいピッチャーだが、変に意識しないで、ディフェンスから固めてしっかり自分たちの野球をしたい」と次戦を見据えた。吉田洸二監督は「選手には左バッターの膝元の変化球を振らないように指示しました。打線の入れ替えについては、まだ子どもなので1番とか4番といわれると力むので、適材適所になるよう試して見ました。公式戦2試合目、まだ試行錯誤の段階です」と2度目の采配を振り返った。
ベスト8に進出したのは、山梨学院、甲府工、富士学苑、東海大甲府、富士河口湖、上野原、日大明誠、日川の8チームとなった。準々決勝戦は5月3日に小瀬球場で4試合が行われる。山梨学院は午後4時開始予定の第4試合で古豪甲府工と対決する。
文(M.T) カメラ(今村佳正)
アルバムはこちら