2013年関甲新学生野球春季リーグ戦(第4節3戦目)は4月29日、栃木県の小山市運動公園野球場で2試合を行った。第2試合は山梨学院大と作新学院が対戦。山梨学院は5対3で勝ち2勝1敗とし勝ち点をあげた。山梨学院は後がなくなった大事な試合。先発に右腕・桃原博巳(3年)を抜擢。好投していた桃原が、3回裏に二塁打を連打され0対1。6回裏には5番打者に左越え2ランされ2対3、さらに連続中前安打され二死一二塁として、やむなく降板。リリーフ大型右腕・松尾勇太(2年)が、8番打者を見逃し三振にし、2日続けての火消し役を演じ勝ち投手となった。攻めては、9回表、先頭2番・渡辺晶也(4年)が左前安打、3番・菊池紳弥(4年)の死球、4番DH代打・鈴木悠介の 犠打で二三塁とし、続く5番・田中貴也(3年)の中儀飛で渡辺が生還し3対3の同点。山梨学院は11回表、途中出場の3番・花澤冴俊(3年)が中前安打、4番DH・鈴木の犠打で進塁、5番・田中が中前安打で一三塁、6番・中村圭輔(3年)の遊ゴロ併殺(6-4-3)崩れの間に花澤が生還し4対3。さらに7番・加賀美祐樹(3年)の中前適時打で5対3とし試合を決めた。
□第1試合は上武と白鴎の第2戦目延長14回8対8日没再試合が行われ、白鴎が逆点勝ちで1勝1敗となり、首位攻防が混沌とする兆候で、興奮冷めやらぬ小山市運動公園野球場。1勝1敗同士の山梨学院と作新学院の2戦先勝方式の第3戦目。山梨学院は右腕・桃原博巳(3年・久米島)投手を、作新は昨日の勝利投手右腕・齋藤雅史(3年・矢板中央)を先発に据えた。太陽が球場のダイヤモンドを照らす中、両校の選手が整列し、勝ち点争奪の幕が切って落とされた。
●関甲新学生野球春季リーグ戦(第4節2戦目)【 山梨学院大学 対 作新学院大学 】小山市運動公園野球場
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
11 |
合計 |
山梨学院 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
1 |
0 |
2 |
5 |
作新学院 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
●【山梨学院】
●[投手]桃原博巳 投球回数5回2/3回、打者25、打数25、投球数96、安打8、本塁打1、三振4、失点3、自責点3
●[投手]松尾勇太(勝ち投手 1勝0敗) 投球回数5回1/3回、打者19、打数19、投球数76、安打3、三振3
●[捕手]田中貴也
●[長打]〈二塁打 平井慎也〉
●【気象状況(午後1時00分)】天気(晴れ)、気温(21度)、湿度(32%)、風向(南2m/s)
◆先攻の山梨学院は1回裏、右腕・桃原博巳(3年・久米島)がマウンドに上がった。右腕・桃原が1番打者を一塁ゴロ、2番打者を見逃し三振、3番打者を左飛にする立ち上がり。
◆2回表、先頭5番・田中貴也(3年・八重山商工)が四球で出塁。一死後、7番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府)の左前安打で一死一二塁とするが、併殺(4-6-3)でチャンスを逃す。
◆2回裏、右腕・桃原が先頭4番打者に中前安打され出塁を許す。5番打者を見逃し三振、6番打者を右飛に打ち取り二死一塁。続く7番打者に左前安打され二死一二塁とされるが、8番打者を左飛に取る。
◆3回裏二死後、好投していた右腕・桃原が2番打者に右翼手への二塁打、続く3番打者に左中間へ適時二塁打され0対1と先制される。
◆5回表、先頭の6番・中村圭輔(3年・熊本国府)が四球を選び出塁すると4球目に透かさず盗塁。7番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府)の二遊間を抜ける中前安打で無死一三塁とチャンスをつくる。一死後、三塁ゴロ併殺(5-4-3)でチャンスを逸した。
◆6回表、1番主将・平井慎也(4年・富士学苑)が左前安打で出塁し、2番・渡辺晶也(4年・山梨学院)の内野ゴロで進塁し、3番・菊池紳弥(4年・学法石川)の四球で一死一二塁。4番DH・那須大(1年・東稜)の右前適時打で平井が二塁から一気に生還し1対1の同点。一死一二塁、5番・田中貴也(3年・八重山商工)のセーフティーバントで二死二三塁。6番・中村圭輔(3年・熊本国府)の四球で二死満塁。ラッキーボーイ7番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府)の一二塁間を抜ける右前適時打で2対1と逆点する。
◆6回裏、右腕・桃原が先頭2番打者に中前安打、3番打者を見逃し三振、4番打者を空振り三振として二死一塁。続く5番打者に1ー0からの2球目を左越え2ランされ2対3。さらに6番打者、7番打者に連続中前安打され、やむなく降板。二死一二塁、昨日リリーフした大型右腕・松尾勇太(2年)がマウンドに立ち、8番打者を見逃し三振に切って取り、2日続けての火消し役を演じる。
◆7回表一死後、1番主将・平井慎也(4年・富士学苑)が右フェンス直撃の二塁打で出塁。二死後、3番・菊池紳弥(4年・学法石川)の四球で二死一二塁としたが後続が倒れる。
◆7回裏、右腕・松尾が9番打者を二塁飛、続く1番打者に一二塁間を抜かれる左前安打で出塁を許すと2球目を盗塁され得点圏にランナーを進めるが、2番打者を一塁ゴロ、3番打者を左飛に切って取る。
◆8回表、先頭5番・田中貴也(3年・八重山商工)が左前安打で出塁。6番・中村圭輔(3年・熊本国府)の犠打で一死二塁。逆点打を放っている7番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府)の四球で一死一二塁。8番・岩渕智和(3年・樹徳)の死球で一死満塁としたが、後続が倒れチャンスを潰した。
◆8回裏、松尾が4番打者を中飛に、5番打者を左飛に、6番打者を左飛に打ち取り、リリーフの役割を確り果たし味方の攻撃に繋げる。
◆9回表、先頭2番・渡辺晶也(4年・山梨学院)が左前安打で出塁、3番・菊池紳弥(4年・学法石川)の死球で無死一二塁。ここで4番DHの代打、鈴木悠介(3年・山梨学院)がコールされる。鈴木は犠打を正確に決め一死二三塁。続く5番・田中貴也(3年・八重山商工)の中儀飛で3対3の同点とする。
◆9回裏、右腕・松尾が7番打者を遊飛、8番打者を空振り三振、9番打者を左飛に打ち取り、延長戦にチームを導いた。
◆11回表、3番・花澤冴俊(3年・山梨学院)が中前安打で出塁。4番DH・鈴木悠介(3年・山梨学院)の犠打で一死二塁。5番・田中貴也(3年・八重山商工)の中前安打で一死一三塁とチャンスをつくると。6番・中村圭輔(3年・熊本国府)の遊ゴロ併殺(6-4-3)崩れの間に花澤が生還し4対3と再逆転。すると透かさず中村が初球で盗塁を仕掛け、捕手の二塁への悪送球を誘い一気に三塁へ。二死三塁、7番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府)のフルカウントから中前適時打で5対3突き放す。
◆11回裏、右腕・松尾が5番打者を遊ゴロ、6番打者を投手ゴロに打ち取る。その二死後、7番打者に左前安打されるが、8番打者を空振り三振に打ち取りゲームセット。昨日5回2/3リリーフし、今日も5回1/3リリーフし、通算11回を0封した松尾が勝ち投手となった。山梨学院は作新に2勝1敗とし勝ち点をあげ、神宮出場へ望みを繋いだ。
□2日続けての火消し役を演じた大型右腕・松尾勇太(2年)は「伊藤彰コーチに初回から『いつでも行けるように準備しとけ』と言われていたので動揺はなかった」と静かに話す。6回裏、2対3二死一二塁マウンドに「1点もやれない状況だったので、『昨日、抑えたので自分のピッチングをすれば大丈夫』と強い気持ちでいった」と8番打者を見逃し三振に切って取った。9回表に3対3の同点に追いついた9回裏、「1敗も出来ない状況なので、いい流れで打線に繋げられるようにと集中して投げた」と打者を3人で打ち取り延長戦にチームを導いた。昨日と今日のピッチングで「次に繋げるピッチングが出来て嬉しい」と穏やかに、そして謙虚に述べた。
□主将・平井慎也(4年・富士学苑)は「序盤、打ちあぐねたが、先発の桃原とリリーフの松尾が粘って投げてくれたので、打者も粘って粘って3対3の同点に追いついた」とホットため息をついた。「延長戦に入ってからは、内のペースで野球ができた」と微笑んだ。次節の常盤戦は「油断できない相手なので、先制して投手に負担をかけずに試合を有利に進めることを心掛けたい」と爽やかに述べた。
□高橋一三監督は「作新戦は非常に苦労した」と開口一番。「その要因はチャンスに打てなかった」と振り返る。後のない今日は投げては「桃原を初めて先発させたが、非常に良いピッチングをしてくれた。松尾も、昨日、今日とリリーフ連投にも拘わらず、非常に良いピッチングをしてくれた」と、打っては11回表の先頭打者で「花澤がリラックスして中前安打し繋いでくれた」と新しい戦力の台頭に目を細めた。ここに来て「粘りのある試合ができるようになった」と頷き、「後は、この勢いを常盤戦、そして白鴎戦と繋げたい」と球場を後にした。
文(H.K)、カメラ(平川大雪)
| アルバム1 | アルバム2 | アルバム3 |