山梨学院パブリシティセンター
春季関東高校野球山梨大会 準決勝
〜9回表に一気に5点東海大甲府高に劇的逆転勝利〜
〜起用の加藤・金城・富山が勝利を呼び込む反撃弾〜

第65回春季関東高校野球山梨県大会は5月4日、甲府・小瀬球場で準決勝2試合が行われた。第1試合は富士河口湖高が日川高との接戦を1−0で制した。第2試合の山梨学院高対東海大甲府高戦は、打撃戦になり終始東海大甲府ペースだった。1回裏にいきなり4点を奪われ、2回表に2点を返したが、その裏にまた2点を取られ、3回表に先発起用の7番加藤卓弥の2点本塁打で再度2点差に迫ったが、山学の先発坂本秀仁はピリッとしなかった。5回には4番に本塁打され、9回表を向かえた時には4−7と3点差があった。山学はここから大逆転した。途中出場の金城義が反撃の烽火を上げる本塁打、大下以下の3連打で1点差に迫り、押し出しと捕手に起用された富山将希の逆転打で一気に5点を奪 った。その裏4連投の梅原隆斗が1死満塁のピンチに立ったが無失点に抑え劇的勝利、決勝進出を決め関東大会出場を決めた。


春季関東高校野球県大会準決勝≪山梨学院vs東海大甲府≫(5/4)甲府・小瀬球場

 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
山梨学院高
0
2
2
0
0
0

0

0
5
9
東海甲府高
4
2
0
0
1
0
0
0
0
7

バッテリー坂本→上原→梅原―富山(山学)、中村→高橋→三橋―高橋(東海)、  
本塁打 加藤・金城(山学)高橋(東海)、2塁打 加藤・大下(山学)、 
安打数 山学13安打 東海10安打、両チーム3失策、

山学の先発坂本秀仁の立ち上がりは最悪だった。プロ球団注目の先頭打者渡邉諒(3年)にヒットを打たれ、牽制悪送球で一気に3塁に進まれた。1死後に四球と死球で傷口を広げ、連打と犠牲フライであっという間に4失点した。味方が2回表1死から四球出塁の田中郁也と6番起用の加藤卓弥との間で初球ヒットエンドラン2塁打が決まり田中が一気に生還、さらに、2死満塁として東海の先発中村槙之介(3年)のボークを誘い2点を奪い返してくれた。しかし、2回裏にも2連打と四球で無死満塁のピンチを招き2点を献上2−6とされた。山学打線は3回表にも反撃、2回にタイムリー打を放った6番加藤が2死1塁から今度はレフトスタンドに2点本塁打を放ち、再び2点差に戻した。加藤ら味方の 援護射撃がなかったなら、坂本は前半で降板していたであろう。試合後、吉田洸二監督が「2回の初球ヒットエンドランと3回の本塁打がなかったら、9−0ぐらいでコールド負けだったでしょう」と語ったほど、山学にとってこの試合は、負けたに等しい苦しい試合だった。

9回表に奇跡が起こると誰が予想しただろう、だから高校野球は判らないし面白い。口火を切ったのは、東海の投手が左腕の高橋直也(2年)に替わったことで7回から2番に入った右打者の金城義(2年)だった。7回の初打席は空振り三振に終わったが、先頭打者で向かえた9回の打席では、いきなり左翼席に大反撃の口火を切る烽火弾を撃ち込んだ。3番の大下拓馬(主将)が2塁打で続き、4番山口大輔(2年)レフト前ヒット、5番田中郁也(3年)センター前タイムリーヒットの3連打で1点差に迫り、東海の高橋をマウンドから引きずり降ろした。東海甲府一辺倒だった試合の流れが急変した。甲子園球場だけではない、小瀬球場にも9回には魔物が潜んでいた。鉄壁の守備を誇った東海の守備が 乱れた。6番加藤の送りバンドを捕手が1塁に悪送球、無死満塁となり東海の3番手右腕三橋直人(2年)は苦境に立たされた。代打の渡辺拓夢(2年)が押し出し四球を選び同点。昨日の試合で右手を負傷した結城大輔(3年)に替わり捕手に起用された富山将希(2年)が、この場面でライト前ヒットを放ちついに逆転。代打笠原雅矢(2年)の1塁ゴロの間に3塁ランナーが生還、あれよあれよという間に、一気に5点を奪い9−7と大逆転した。9回裏のマウンドには大会4連投の左腕梅原隆斗(3年)が立った。3番山本瞬、4番高橋亮太に連打され1死満塁のピンチを招いたが、ここから踏ん張り、三振とレフトフライで無失点に抑え勝利、決勝と関東大会出場を劇的に勝ち取った。

9回に反撃の烽火弾を放った金城義選手「交代した先輩を尊敬しているので、先輩の分も打たなければと、ヒット狙いで思い切り振ったらスタンドに入ってくれた。追う場面で出してもらい期待に応えられてよかった」。大下拓馬主将「坂本が不安定だったので、何度も声をかけました。最後まで諦めない気持ちが9回の逆転につながったと思います」。吉田洸二監督「今日は坂本がめちゃめちゃでしたが、育てるつもりで最後まで投げさせようと思っていました。ゲームの流れと打たれながらも6回・7回を抑えたので、良い所で替えるのも大事かなと思い8回に打席が回って来たところで替えました。チームとしてこの1カ月練習して来たことをランナーが(エンドランのサインを見落として)しなかったので、8回表に赴任して初めてものすごい気合で怒りました。「やろうとしたことをやらないから負けるんだ」ということを教えて夏に向かおうと思ったが、たまたまゲームの流れで逆転勝ちした。練習して来たことは、成功する失敗するに関係なく、やるのが教育だと僕は思っています。めったに起こらないが、今日は怒りました」と苦しん だ戦いを振り返った。

決勝戦は6日(月・祝)小瀬球場午後1時開始、山梨学院高は富士河口湖高と関東大会山梨1位代表を賭けて対戦する。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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