第65回春季関東高校野球山梨県大会は5月6日、甲府・小瀬球場で3位決定戦と決勝戦が行われた。午前10時からの3位決定戦は1点差ゲームだったが、最終回に適時打と3点本塁打が飛び出した日川高が東海大甲府高を8−3と突き放して勝利した。山梨学院高と富士河口湖高の決勝戦は、午後1時プレーボールで開始された。試合前半は山梨学院の一方的攻撃、試合後半は河口湖猛反撃の試合となった。3回表までに8−0と大量リードしたが、先発左腕梅原隆斗が絶不調だった。ボール先行で組み立てが出来ない投球、毎回のように先頭打者を四球か安打で出塁させた。7回に3点目を奪われたところで降板した。救援した右腕の上原進もピリッとしなかった。左打者に連打され7回に2点、9回に1 点を奪われた。9−6で勝利したが、投手陣に不安と課題が残る優勝となった。
春季関東高校野球県大会決勝≪山梨学院vs富士河口湖≫(5/6)甲府・小瀬球場
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山梨学院高 |
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富士河口湖高 |
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バッテリー 梅原→上原―富山(山学)、瀧口→細川―堀内(河口)、
本塁打 菊池(山学)、3塁打 富山・安並・菊池・田中(山学)、2塁打 梅原(山学)
安打数 山学11安打 河口湖12安打、山学2失策 河口湖1失策、
山梨学院は初回から河口湖の先発瀧口仁(3年)に襲いかかった。先頭の安並大輔(3年)の中前打を口火に、4番山口大輔(2年)の先制打、6番加藤卓弥(3年)の右犠牲、7番に起用された菊池海斗(2年)のレフトスタンドにハーフライナーで飛び込むスリーランホームランで5点を奪い一気に主導権を握った。2回には相手失策で1点、3回には8番富山将希(2年)の中超え3塁打と9番梅原隆斗(3年)のスクイズで2点を奪い8‐0。この時点では、もう勝負がついたと思われた。しかし、先発の梅原隆斗は大量点をもらってもピリッとしなかった。7回途中まで投げたが、先頭打者を抑えたのは1回と5回だけ、あとの5回は四球かヒットで出塁させた。ほとんどの打者にボール先行の投球、 被安打6を上回る8四死球を与え,毎回塁上をにぎわせた。7回には四球・安打・四球・セーフティバンド成功・ワイルドピッチで2点を献上、立ち直れないまま7回途中で降板した。救援した右腕の上原進(2年)の出来も良くなかった。打者としては8回表に3塁打を放った菊池を迎え入れる適時打を放ったが、河口湖の左打者攻勢に手を焼き、7回に2点、9回に1点を奪われた。3回表には8−0だった試合は、9回裏には9−6、なおも塁上に2人のランナーがいる状態でのセカンドゴロでやっとゲームセットした。
3点本塁打と3塁打で起用に応えた菊池海斗選手「目の負傷が直り、試合に出させてもらえた。ホームランでチームに勢いをつけ、起用に応えることが出来てよかった、もし関東で出番があったら全力でプレーしたい」。大下拓馬主将「終わって見たらどっちが勝ったか判らないような試合になったが、自分たちは秋に負けてノーシードからだったので、優勝という結果を出せてよかった。夏に向けて最少失点で切りぬける野球を目指して行きたい」。吉田洸二監督「1試合でも多く公式戦を戦う。その中で、自分たちが練習していることを再現することを目標に大会に臨んだが、この試合はそれが出来ていなかった。選手は十分それを認識していると思う。何とかチームのレベルを上げて、全国で通用するようなチームを作りたい。今日のような試合をしていると、関東では9回まで持たないと思います。もっともっと力をつけて行きたい」。この日が44歳の誕生日だった新監督は、赴任1ヶ月で臨んだ最初の公式大会で課題と手応えの両方を手の中に収めていた。
試合後の表彰式で、佐久間豊人山梨県高野連会長から、福本大賀選手が表彰状、大下拓馬主将が優勝旗、安並大輔選手が優勝盾を受け取り、全選手が金メダルを胸にダイヤモンドを1周した。山梨学院高校の優勝は2年連続3度目となる。18日から栃木県宇都宮市の県営球場・清原球場で開催される関東大会に山梨第1代表として出場、群馬第2代表の健大高崎高と対戦する。富士河口湖高は12年振り2度目の関東大会出場、開催県栃木第4代表の白鴎大足利高と対戦する。
文(M.T) カメラ(平川大雪・今村佳正)
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