第65回山梨県高等学校総合体育大会春季大会は最終日の5月10日、サッカー決勝、テニス個人戦準決・決勝などが行われた。山梨学院高は、サッカーが日本航空高との厳しい戦いを制し優勝。テニス個人戦シングルスで、男子は望月創達、女子は樋口みなみが優勝を勝ち取った。学校対抗総合成績は、女子が4年連続7回目の総合優勝に輝き、男子が平成19年以来6年ぶり2回目の総合優勝を獲得した。男女揃っての優勝は学校創立初の快挙、二重の喜びとなった。閉会式で、プルシアンブルーのハチマキを締めた赤尾俊生徒会長と内田正太郎文化局長が男子総合優勝旗と表彰状、星野百萌生徒会副会長と小野間千芽書記が女子総合優勝旗と表彰状を受け取った。閉会式の式典音楽を担当する栄誉は、男女 の総合優勝校に与えられるが、今年は山梨学院高吹奏楽部が初の単独演奏、喜びが伝わってくる演奏でフィナーレを盛り上げ、高校スポーツ最大の祭典が幕を閉じた。
≪サッカー決勝≫
高校総体サッカーの決勝戦は、最終日の午前10時から中銀スタジアムで行なわれるのが恒例、今年は山梨学院高と日本航空高とで決勝戦が行われた。試合は前半15分に航空高が先制した。山学はその3分後に山口一真(3年)が同点ゴール、19分に小林智光(3年)が逆転ゴールを決め前半を2−1で折り返した。後半11分に航空に同点PKを決められたが、その4分後に高橋建也(3年)のゴールで再び3−2とリードした。終盤は航空の猛反撃に会い、何度もゴールを割られそうになったが、GK中村圭吾(3年)が身を挺し、DF陣が体を張り辛うじて逃げ切った。試合後、冨田博斗ゲームキャプテンは「最初失点して慌てるところもあったが、すぐに返せて、一丸となって戦ったことが優勝につながったと思います。優勝したことはうれしいことですが、大会に出させてもらえたことに感謝し、みんなの気持ちを一つにして、最後に笑えるよう、日本一を目指して頑張って行きたい」と話した。吉永一明監督は「色々な意味で入りづらかったと思いますが良く逆転してくれたと思います。このゲームに出ることに関しても色々な意見があったと思います。大会にご迷惑をおかけしましたし、途中で投げ出すのは戦って来た相手に対しても失礼だと思いますし、対戦する相手に敬意を払ってプレーさせて頂きました。ここから問われるものが大きいと思いますので、それぞれが日常生活の中で自分を律し、この彼らの頑張りを活かして行けるように導いて行きたい」と語った。
≪テニス個人戦≫
テニス競技は、最終日恒例のシングルス準決勝・決勝・順位決定戦が行われた。山梨学院勢は、準決勝に男子2人、女子3人が進んだ。準決勝のうち2試合は、男女とも山学同士の戦いとなり、男子は望月創達(2年)が渡辺大良(1年)を下して決勝に進出。女子は樋口みなみ(2年)が伊丹可奈子(1年)を下して決勝に進出。もう一人の準決勝進出者古屋菜々葉(1年)は名取恭(航空)に敗れた。決勝で男子の望月創達は権太圭吾(甲一)を8―4で下し優勝。女子の樋口みなみは名取恭を8―4で下した。前日のダブルスに続き、シングルスも山学勢が男女ともに優勝した。順位決定戦の結果、渡辺大良と古屋菜々葉は3位となった。望月創達選手「昨年は序盤で負けていたので、雪辱を果たせてよかった。インターハイでは、凌ぐ時は凌いで攻めれる時に一気に攻める自分のプレースタイルで全国に挑みたい」。樋口みなみ選手「決勝の対戦相手は前回負けた相手でした。相手よりも早く展開できるように走って守ってリベンジ出来ました。全国では得意のフォアを活かして一つでも多く勝ちたい」。優勝した2人ともにインターハイでの健闘を誓った。
全ての競技が終了した午後3時から、山梨中銀スタジアムで閉会式が行われた。山梨学院高吹奏楽部の60人がマーチ「ブルースカイ」で各校代表の入場行進を導き、すべての式典進行を音楽で支えた。男子総合優勝旗を受け取った赤尾俊生徒会長は「サッカー部の仲間たちが、苦しい状況で頑張って優勝したのを見て、自分も頑張らなくてはと思いました。学校初のアベック優勝にとても感動していますが、優勝は終わりではなくて、ここからがスタートだと思います。学園祭とか色々あるので、生徒会は一丸となって1年間頑張って行きたい」と語った。女子総合優勝旗を受け取った星野百萌生徒会副会長は「山学はスポーツをやりたくて県外から来る子が多いんですが、真剣に取り組む姿を見てとても刺激をもらっています。同級生が大会新記録を出す瞬間を見て、同級生だけどすごいなと思いましたし、自分も頑張ろうと思いました。アベック優勝を続ける力が山学にはあると思うので、来年も続けてほしい」と話した。吹奏楽部前島政道部長は「昨年までは他校との音合わせに神経を使い、時間に追われての準備だったんですが、今年は思い切り集中することが出来ました。自分たちのカラーの演奏が出来たと思います」と胸を張った。応援と支援に3日間奔走した生徒会の生徒も、閉会式に駆け付けた生徒も、吹奏楽部の生徒も、選手と喜びを共有していた。
学校対抗得点争い最終結果
≪男子の部≫
総合優勝山梨学院(39点)、2位日本航空(31点)、3位甲府工(28点)、4位日川(23点)、5位駿台甲府(23点)、6位甲府商(22点)、[4位・5位は、優勝種目数の差で順位決定]
≪女子の部≫
総合優勝山梨学院(32点)、2位甲府商 (25点)、3位甲斐清和(19点)、4位日本航空(15点)、5位富士学苑(14点)、6位甲府一(14点)[5位・6位は、優勝種目数差]
山梨学院高校は1956年(昭和31年)に開校された。昭和時代には夢のまた夢と思われた男女アベック優勝が、平成25年の春に実現された。しかも、学校初というだけでなく、65年の歴史を持つ大会史上初の快挙なのだという。高校スポーツ最大の祭典に山梨学院が新たな1ページを刻んだ。夢のまた夢は、1日や1年で真になったのではない。57年の間に卒業して行った何万人もの先輩たちが積み重ねた努力と、学校が積み重ねた努力と、挫折を乗り越えて這い上がった選手たちの努力によって成し遂げられたものだ。先輩たちの思いが後輩たちを後押しして光り輝くことが出来た、この光は永久に輝かん!
文(M.I) カメラ(藤原稔)
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