2013年関甲新学生野球春季リーグ戦(第6節1戦目)は5月11日、埼玉県の平成国際大学野球場で2試合を行った。第1試合は山梨学院大と常磐大が対戦。試合は山梨学院が1対6で1敗し常磐に先勝された。皐月雨の悪戯か、両校で、7人の投手が登板し13四死球・暴投2、また野手失策6と、プレー乱調で荒れ模様の試合となった。先攻の山梨学院は一死後、2番・渡辺晶也(4年)が中前安打で出塁すると、すかさず1球目を盗塁、これが相手捕手の二塁への悪送球を誘い、難無く一死三塁とする。3番・加賀美祐樹(3年)の犠飛で渡辺が生還し1対0と先制。さらに4番DH・那須大(1年)の四球、5番・中村圭輔(3年)の死球、6番・田中貴也(3年)の死球で二死満塁としたが後続が 断たれる。山梨学院は5回表にも連続安打と死球で二死満塁と攻め立てるものの、後続が倒れチャンスを潰した。守っては野手失策が絡み、投手キャプテン右腕・山田祐也(4年)が2失点、火消し役で1勝をあげている右腕・松尾勇太(2年)らのリリーフ陣が4失点し、1対6で第1戦を落とした。
□リーグ戦は上武を頂点に、白鴎・山梨学院の三つ巴となっている。山梨学院は上武との直接対決が無くなった今、残り全てに勝利し、他力ではあるが神宮出場に微かな希望を繋ぐ。その常盤大戦、山梨学院は2012年春季最多勝利投手で投手キャプテン右腕の山田祐也(4年・山梨学院)を、常磐は第5節2戦目で好投した右腕・吉田慶司郎(2年・仙台育英)を先発に起用。皐月の雨空の下に両校の選手が整列し、球審の手があがった。
●関甲新学生野球春季リーグ戦(第6節1戦目)【 山梨学院大学 対 常磐大学 】平成国際大学野球場
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●【山梨学院】
●[投手]山田祐也(負け 0勝2敗)投球回数3回、打者17、打数14、投球数73、安打6、犠打1、四球2、三振4、失点3、自責点3
●[投手]松尾勇太 投球回数2回、打者10、打数9、投球数29、安打3、四球1、三振1、失点2、自責点1
●[投手]土屋直之 投球回数2回、打者8、打数5、投球数29、安打1、犠打1、四球2、三振1、失点1、自責点0
●[投手]角張 健 投球回数1回、打者3、打数3、投球数13
●[捕手]田中貴也(盗塁刺 2)、相馬彰吾
●[長打]〈二塁打 藤田〉
●【気象状況(午後10時00分)】天気(雨)、気温(18度)、湿度(98%)、降水量(2mm/h)風向(北東2m/s)
◆1回表、先攻の山梨学院は一死後、2番・渡辺晶也(4年・山梨学院)が中前安打で出塁すると、すかさず1球目を盗塁、これが捕手の二塁への悪送球を誘い、難無く一死三塁とする。3番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府)の犠飛で渡辺が生還し1対0と先制。続く4番DH・那須大(1年・東稜)の四球、5番・中村圭輔(3年・熊本国府)の死球、6番・田中貴也(3年・八重山商工)の死球で二死満塁としたが後続が断たれる。
◆1回裏、投手キャプテン右腕・山田祐也(4年・山梨学院)投手が1番打者を三振、2番打者を中飛に、続く3番打者に左前安打され二死一塁。4番打者の1球目で盗塁を仕掛けて来た常磐を強肩捕手の田中貴也(3年・八重山商工)が二塁で刺す鉄壁な守りを披露。
◆雨脚が強くなる2回表一死後、9番・酒井雄史(3年・木更津総合)が死球で出塁し、二死後の1球目で盗塁。続く、2番・渡辺晶也(4年・山梨学院)の左前安打で本塁を一気に突くが、左翼手の返球でタッチアウトされ、追加点をあげることができない。
◆その2回裏、投手キャプテン右腕・山田が先頭の4番打者に対して0ー2と追い込んだ後の3球目を右前安打され、これに野手の失策が絡み無死二塁。続く、5番打者の犠打で一死三塁とされ、6番打者の中前適時打で1対1の同点とされる。
◆さらに雨脚が強くなった3回裏、投手キャプテン右腕・山田が先頭の1番打者を3ー2から四球で出塁を与える。山田は一死後、3番打者を1ー2と追い込んでおきながらの右越え適時三塁打を許し一塁から生還させ1対2と逆点されると、続く6番打者には左前安打を許し、1対3と追加点を与える。
◆雨でぬかるんできたマウンド4回裏、第4節2戦目・3戦目と2日連続の火消し役で1勝をあげている右腕・松尾勇太(2年・米子西)がリリーフ。大型右腕・松尾が先頭の9番打者を捕手邪飛に打ち取る。一死後、1番打者に中前安打され、続く2番打者の内野ゴロで一死二塁と攻められるが、3番打者を一塁ゴロに仕留める。
◆5回表二死後、4回表に投手交代した左腕投手から4番DH・那須大(1年・東稜)が右前安打で出塁、続く5番・中村圭輔(3年・熊本国府)の連続右前安打で二死一三塁。6番・田中貴也(3年・八重山商工)の死球で二死満塁と攻め立てるものの、後続が倒れチャンスを潰す。
◆その5回裏一死後、大型右腕・松尾が5番打者に右前安打、続く6番打者を内野飛に打ち取ったが野手失策で一死一二塁、7番打者に四球を与え一死満塁とする。松尾は8番打者の2ー2からの3球目をフェンス直撃の2点適時打を許し1対5と突き放される。
◆6回表、先頭の8番代打・藤田峻太(2年・松本第一)が左越えエンタトルツーベースで出塁すると、一死後の3球目の暴投で三塁へ進塁するも、後続が倒れ好機を逸する。
◆6回裏、今季初登板の技巧派右腕・土屋直之(2年・山梨学院)がマウンドに向かう。土屋が先頭の1番打者を四球で出塁させると、2番打者の犠打で一死二塁。続く、3番打者を内野ゴロに打ち取るが、野手の失策で二塁ランナーにホームを陥れられ、1対6とされる。
◆7回裏、技巧派右腕・土屋が先頭の6番打者を四球で出塁させるも、7番打者を三振に、8番打者を投手ゴロに仕留め1ー4ー3の併殺に打ち取る。
◆8回裏、マウンドに第2節の平成国際大学第2戦目に中継ぎで登板した右腕・角張健(2年・木更津総合)があがった。右腕・角張は9番打者を左飛、1番打者を二ゴロ、3番打者を中飛に打ち取る好投で味方の攻撃に繋げる。
◆9回表の一死後、2番代打・市澤広地(3年・山梨学院)が1ー0からの2球目を右前安打で出塁。市澤に代走・鈴木悠介(3年・山梨学院)が送られ追撃態勢に入ったが後続が倒れゲームセット。
□主将・平井慎也(4年・富士学苑)は1回表の「先制点は自分達のかきまわして(安打、盗塁、相手失策、犠飛)良い形で得点できたので、『自分達の流れだ』というムードではあったが、神宮出場するのには1敗もできないというがちがちの状況だとか悪天候と言うことを差し引いても、エラーが多く負けるべくして負けた」と冷静に振り返った。「自力での神宮出場は途絶えているが、他力での可能性は残っている。『守備からリズムをつくり攻撃へ』と言うのが内の勝ちパターンなので、練習と残りの試合で、『一人一人が主役』のチーム確立を目指したい」と、神宮出場の執念の灯火は消えることがない。
□高橋一三監督高橋一三監督は「今年、1番最低のゲームだった」と開口一番。守備では「内の持ち味の守りで、失策4。野手の何でもないプレーのミスがピッチャーの足を引っ張り、このようなゲームになった」と、攻撃では「2回の満塁のチャンスに点が入らない、負けるときのパターン」と苦言を呈する。「明日は高梨、競って競って負けるより、逆に、このような負け方の方が、気持ちの着替えができて、明日に引きずらないで、良かったのかもしれない」と、「それに、負け試合で代打で市澤、藤田など、投手で土屋などいろいろな選手を試せて収穫もあった」とプラス思考をし苦笑い。「明日は、一塁手で3番打者の菊池紳弥(4年・学法石川)が就職活動から戻ってくる。守備(今日、一塁手2人で2失策) も攻撃(主砲・菊池で)も通常になりリズムが取り戻せる」と頷き球場を後にした。
文(H.K)、カメラ(深瀬真治)
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