2013年関甲新学生野球春季リーグ戦(第6節3戦目)は5月13日、埼玉県の平成国際大学野球場で山梨学院大と常磐大戦を行った。山梨学院が3対1で勝利し勝ち点を奪った。先攻の山梨学院は1回表、1番・酒井雄史(3年)の左中間を破る二塁打、2番・渡辺晶也(4年)の犠打、4番DH・那須大(1年)の左前適時打で1対0と先制。続く、5番主将・平井慎也(4年)の三塁へのセーフティーバントが内野安打となり野手の悪送球を誘い那須が一塁から生還し2対0。2対1とされた8回表には、4番DH・那須大と5番主将・平井慎也の連続四球と6番・加賀美祐樹(3年)の強襲ゴロが野手失策を誘い、無安打で3対1とした。守っては、投手キャプテン・山田祐也(4年)が5回を60球、 安打5、三振6、失点1と好投。6回からはエース・高梨裕稔がリリーフし4回を45球、安打3、犠打2、三振2と快投で抑えた。その結果、山梨学院は勝ち点を奪い2位の白鴎大に並ぶと同時に優勝へ望みを繋いだ。山梨学院は、第7節の白鴎大戦に勝ち点を奪い、他力ではあるが暫定1位の上武大と暫定6位の作新大の結果いかんでの優勝に望みを繋いだ。
□山梨学院は1勝1敗で迎えた常盤戦。高橋一三監督は昨日「今日は計算通りだった。このリズムを崩さずに、何とかして勝ち点が欲しいので、気を引き締めて明日も戦いたい」と語った。エース・高梨は昨日「自力での優勝が途絶えたからといって、チームも個人も手を抜くことはない。他力だが道は残されている。いつでも行けるようにコンディションを整え、残りの試合を精一杯戦いたい」と臨戦態勢。山梨学院は、好投はするが勝ち星に恵まれない投手キャプテンの右腕・山田祐也(4年・山梨学院高)を、常磐は作新学院大戦と平成国際大で先発した左腕・滑川将(3年・水戸商業高)を先発に起用。両選手が整列し、球審の手があがった。勝ち点を奪い合う戦いが、今、開始された。
●関甲新学生野球春季リーグ戦(第6節3戦目)【 山梨学院大学 対 常磐大学 】平成国際大学野球場
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●【山梨学院】
●[投手]山田祐也(勝ち 1勝3敗)投球回数5回、打者20、打数20、投球数60、安打5、三振6、失点1、自責点1
●[投手]高梨裕稔 投球回数4回、打者15、打数13、投球数45、安打3、犠打2、三振2
●[捕手]田中貴也
●[長打]〈二塁打 酒井雄史〉
●【気象状況(正午)】天気(晴れ)、気温(18度)、湿度(62%)、降水量(0mm/h)、風向(北東1m/s)
◆1回表、1番・酒井雄史(3年・木更津総合高)が左中間を破る二塁打で出塁、2番・渡辺晶也(4年・山梨学院高)の犠打で一死三塁。二死後、4番DH・那須大(1年・東稜高)の初球打ち左前適時打で酒井が生還し1対0と先制。二死一塁、5番主将・平井慎也(4年・富士学苑高)の三塁へのセーフティーバントを決めると、三塁手の悪送球を誘い那須が一気にホームインし2対0とする。
◆1回裏、投手キャプテン右腕の山田祐也(4年・山梨学院高)が1番打者を一塁ゴロ、2番打者を捕手邪飛で二死とする。続く、3番打者に一二塁間を抜かれる右前安打、4番打者に左前安打で一三塁とするものの、6番打者を空振り三振に仕留める立ち上がり。
◆4回表一死後、5番主将・平井慎也(4年・富士学苑高)の右前安打、6番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府高)の右前安打で一死一三塁としたものの、後続が倒れチャンスを逸する。
◆5回表、先頭の9番・角田元気(2年・埼玉栄高)が三遊間を破る左前安打で出塁するが、続く打者の一塁飛で飛び出しフォースアウト。二死ランナーなしで2番・渡辺晶也(4年・山梨学院高)が右前安打で出塁するも後続が倒れる。
◆5回裏、投手キャプテン右腕・山田祐也が6番打者を見逃し三振、7番打者を空振り三振に切って取る。山田が8番打者に右前安打、9番打者にセーフティーバントを許し二死一二塁とし、続く1番打者に左前適時打を浴び2対1と詰め寄られる。山田が渾身の投球で、2番代打を1ー2から空振り三振に切って取り窮地を脱する。
◆6回裏、絶対負けられない試合、山梨学院は力投する山田に代えて、エース・高梨裕稔(4年・土気高)をマウンドにあげた。高梨が立ち上がり、先頭の3番打者に中前安打され、4番打者の犠打で一死二塁とされるものの、5番打者を左飛に、6番打者を遊飛に打ち取る快投。
◆7回表、先頭の7番・田中貴也(3年・八重山商工高)が、右前安打で出塁。8番・藤田峻太(2年・松本第一高)の犠打で一死二塁。9番・角田元気(2年・埼玉栄高)の二塁ゴロで二死三塁とするも後続が倒れる。
◆8回表二死後、4番DH・那須大(1年・東稜高)が四球を選び出塁。5番主将・平井慎也(4年・富士学苑高)の四球で二死一二塁。続く、6番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府高)の強襲ゴロで遊撃手の失策を誘い、二塁から那須が生還し3対1とする。
◆9回裏、エース・高梨裕稔が6番打者を二塁ゴロに、7番打者を左飛に、8番打者を二塁ゴロに仕留めゲームセット。山梨学院は勝ち点を奪い2位の白鴎大に並ぶと同時に優勝への望みを繋いだ。
◆山梨学院は5月18日から群馬県の上武大学野球場で行われる第7節の白鴎大戦に、決死の覚悟で挑み勝ち点を奪い、他力ではあるが暫定1位の上武大と暫定6位の作新大の結果いかんでの優勝に望みを繋ぐ。
□先制打を放った4番DH・那須大(1年・東稜高)は1回表二死三塁「とにかく、次ぎに繋ぐことに集中した。先輩たちから『初球を狙え』とアドバイスを頂いたので、初球からいこうと打席に入った」とはにかむ。「初球、自分が狙っていたストレートが、外角真ん中に来たので振り抜いた。打った瞬間、感触が良かったが、『ショートに取られないようにと祈った』。三遊間を抜けたので良かった」と一気に振り返った。「伊藤彰コーチから、いつも『4番打者でなく、4番目のバッターだと思っていけ』と繋げる野球に徹するために言われている。スラッガーではないので、白鴎戦でも繋ぐバッティングに徹し、チームに貢献したい」とつつましやかな態度で述べた。
□1勝目をあげた山田祐也(4年・山梨学院高)は「4節目でやっと1勝というのは、情けない。反省したい」と顔を紅潮させた。「高梨には感謝したい」と深く頷いた。感謝しつつ5回降板で「高梨に繋げれば勝てるが、高梨に負担をかけて申し訳ない。自分がもっと確り投げないといけない」と唇を噛んだ。「今日はストレートが自分のイメージで投げられて良かっが、まだまだ、納得がいかないので、白鴎戦では何とかしたい」と笑顔で闘志をみなぎらせた。その一瞬、変化球を織り交ぜながら相手打者の膝元で勝負するツーシームと膝元でホップする球を投げて勝負していた山田の勇姿が浮かんだ。
□四打席3安打1四球の連日猛打賞の主将・平井慎也(4年・富士学苑)はチームは「昨日の良い流れのまま、皆がリラックスして戦えたのが、勝利という結果を生んだ」と頷く。5番打者として1回表の二死一塁、「三塁手が後ろで守っていたので、咄嗟に判断して三塁へのセーフティーバントを試みた」と顔全体に笑みを浮かべる。この内野安打が相手野手の悪送球を誘い、一塁から一気に4番・那須を生還させた。「那須が先制打で良い流れを作ってくれたので、その流れを繋ぎたいと言う一心の結果」と、それが決勝点になった。白鴎戦は「守備・守備で戦いたい。常盤線1戦目での失策4の二の舞をしないように戦いたい」と述べた。
□高橋一三監督は「今日も計算通りだった」と開口一番。「今日は1回に2点先制し、バックのエラーもなかったので、山田のピッチングが生かせた」と頷く。「自力での優勝はないが、他力での優勝の望みはあるので、6回から高梨を投入した」と振り返った。「作戦通り攻守にわたって、上手くいった」と噛み締める。最終第7節の白鴎戦は「白鴎は打撃が良いので、投手陣が踏ん張り、今日のように『足を使って、繋げて、攻める』内らしい攻撃をして得点し、できれば連勝し勝ち点を奪いたい」と淡々と述べた。
文(H.K)、カメラ(今村佳正)
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