「2013東日本学生レスリングリーグ戦」は5月16日、大会3日目の戦いが東京・駒沢体育館で繰り広げられた。Aグループの山学大は、初日に大東文化大と中央大、2日目に群馬大と東洋大を下し4連勝で3日目を向かえた。対戦相手は、ライバルの日大と日体大、気持ちを高め天王山の3強対決に臨んだ。2試合ともに、取ったり取られたりの激しい戦いになったが、山学大は最軽量55s級の高橋侑希が、最強のライバル日体大の絶対的エース森下史崇に勝利するなど2連勝。60s級の鴨居正和も全日本選抜王者の日大池田智らを相手に2連勝した。中量級は2試合とも、勝ったり負けたりだったが、最重量120s級の新留学生ボルチン・アレッグが圧倒的な強さで2連勝した。2試合とも4勝3 敗でライバル対決を制し、全勝で最終日を向かえる事になった。
第5戦 ≪山学大vs日大≫ (5/16)於 東京・駒沢体育館
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55kg |
60kg |
66kg |
74kg |
84kg |
96kg |
120kg |
山学大(青) |
高橋 |
鴨居 |
濱本 |
野間 |
亀山 |
松野 |
アレグ |
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○ |
○ |
○ |
● |
● |
● |
○ |
日本大(赤) |
山田 |
池田 |
花田 |
小山内 |
細谷 |
山本 |
岡 |
山学大4勝3敗勝利。
第5戦の日大戦は、55s級高橋侑希(2年 いなべ総合)、60s級鴨居正和(3年 香川中央)、66s級濱本豊(4年、山口・鴻城)、74s級野間一輝(4年 霞ヶ浦)、84s級亀山晃寛(3年、群馬・大泉)、96s級松野裕也(3年 霞ヶ浦)、120s級ボルチン・アレッグ(1年 カザフスタン)の布陣で臨んだ。
先鋒の55s級高橋は山田を圧倒。60kg級鴨居の対戦相手池田智は、社会人も含めた全日本選抜王者の強敵だったが、このリーグ戦負け知らずの鴨居は第3ピリオド(3P)に持ち込まれた試合の終了直前にバックを奪い逆転勝利した。66s級濱本は花田を圧倒して勝利。野間はあと一歩で勝利だったが、3P残り10秒で逆転負けを喫した。84s級亀山は1Pボールピックアップ、2P後者ポイントで敗れた。96s級松野の対戦相手山本康稀は、全日本選抜王者で歯が立たなかった。3勝3敗となったが、最重量120s級のカザフスタンからやって来た新留学生ボルチン・アレッグの強さは別格だった。卒業した金澤勝利(現自衛隊)が勝ったり負けたりだった全日本王者の岡倫之を寄せつけなか った。1P開始早々に、両足タックルでポイントを取った後、岡が投げに来たところを逆に押さえ込んで一気にフォールを奪ってしまった。観衆を唖然とさせて山学大に勝利をもたらした。
第6戦 ≪山学大vs日体大≫ (5/16)於 東京・駒沢体育館
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55kg |
60kg |
66kg |
74kg |
84kg |
96kg |
120kg |
山学大 |
高橋 |
鴨居 |
濱本 |
野間 |
亀山 |
中村 |
アレグ |
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○ |
○ |
● |
● |
○ |
● |
○ |
日体大(赤) |
山田 |
池田 |
花田 |
小山内 |
細谷 |
山本 |
岡 |
山学大4勝3敗勝利。
日体大は昨年度の覇者、山学大は96s級を松野から中村風太(4年、佐倉南)に替えた以外は日大戦と同じメンバー、最強メンバーでもう一つの天王山に臨んだ。
最初の試合が会場の注目を集めた。55s級高橋の対戦相手森下史崇(4年)は、国内敵なしの全日本王者で、世界ランキング9位の選手。高橋にとっては高校時代からの2歳上のライバル、対戦成績1勝3敗の最強の敵。その難敵に対して一歩も引かなかった。1P開始早々に場外に押し出し、1−1となった終盤にバックを奪い1Pを取った。2Pは両者ポイントなしからのボールピックアップ、青が出て森下をマットに落とし勝利した。鴨居は2Pに川瀬を豪快に持ち上げ大技を決め勝利。濱本・野間連敗のあと、亀山は3Pまでもつれた櫻庭との大接戦を制した。中村は1P2−0とリードしていた残り15秒に攻めに出たのを返され2−2、後者ポイントで1Pを取られたのがひびき敗れた。3勝3敗 となったが、この試合もアレッグが相手を寄せ付けずに圧倒、6連勝で最終日を向かえることになった。
試合後、選手を集めた高田裕司監督は「風太は惜しい試合を落とした、いい流れの残り15秒で強引に行き過ぎた。逆に亀山は、悪い流れの時に切り替えて立て直す力をつけなければいけない」と選手一人一人にアドバイスを送り、一層の努力を求めた。小幡邦彦コーチは「日大戦は鴨居が強敵の池田を倒して流れを呼び込んでくれた。日体大戦は高橋が森下に勝って勢いをつけてくれた。これで一つの山場は超えた。明日どちらが(早大か拓大)出てきても勝てるように準備したい」と話した。
リーグ戦は明日17日が最終日、山学大は午前中の青学大との第7戦を取りこぼさない限り、午後からのBグループ代表との優勝決定戦を向かえる展開になった。5年ぶりのリーグ戦優勝まで、あと2勝、山学選手は気持ちを高め、心を引き締めて最終日のマットに立つ。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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