平成25年度第65回春季関東高等学校野球大会が5月18日、栃木・宇都宮清原球場と栃木県総合運動公園野球場で開幕した。山梨第1代表の山梨学院高校は、清原球場第3試合で群馬第2代表の高崎健康福祉大学高崎高校と対戦した。試合は1回裏にスクイズで先制されたが、3回表1死1・3塁の場面で3番の主将大下拓馬が右中間逆転3塁打、続く4番抜擢の2年菊池海斗が右前適時打を放ち、一気に流れを変えた。5回表には5番山口大輔の左前適時打と併殺の間に2点を追加し5−1とリードした。打線は県大会同様に好調で関東の舞台でもその力を発揮した。しかし、エースの梅原隆斗は、県大会同様にボールが先行するピッチングに終始した。7被安打を上回る9四球を与え、7回には2点を奪 われた。1塁手の菊池が1塁線の打球を好捕するなど、打撃陣と守備陣が不安定な梅原を盛り立て5−3で健大高崎に勝利、ベスト8に名乗りを上げた。
山梨学院高は、長崎清峰高校をセンバツ優勝に導いた山学大OBの吉田洸二氏を4月に新監督に向かえ、ノーシードだった山梨県大会で吉田・甲府工・東海大甲府・富士河口湖を下し優勝。山梨第1代表として、昨年は初戦で横浜高校に大敗した関東大会に2年連続8度目の出場をした。1回戦シードで2回戦が初戦、群馬第2代表の高崎健康福祉大学高崎高と対戦した。1塁側応援席には、遠路試験前の生徒会・吹奏楽部・チアリーダー部員が駆けつけ、野球部ナインの背中を大声で後押しした。
春季関東高校野球大会≪山梨学院vs健大高崎≫(5/18)宇都宮清原球場
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山梨学院高 |
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健大高崎高 |
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バッテリー 梅原―結城(山学)、高橋(和)→川井→吉田―大河原(健大)、
3塁打 大下(山学)、安打数 山学13安打・4四死球、 健大7安打・9四死球、失策数 山学1、健大2、
山学のエース梅原隆斗(3年)は、初回に1番・2番に連続四球を与えてスクイズで先制されるなど、毎回のように先頭打者に四球を与えた。三者凡退に抑えたのは8回だけで、7回には四球を足がかりに4連打で2点を与え5−3と詰め寄られるなど、毎回ランナーを背負っての投球でピンチの連続だった。しかし、無死1・2塁での送りバンドを2度も3塁で刺した他、ヒットエンドランを仕掛けられた時にボールが外角に大きく外れて空振りを取り、走った2塁ランナーを3塁で刺すなど、機動力野球の健大高崎には、いつストライクが入るかわからない荒れた投球が逆に幸いした。山学打線は、3回表1死1・3塁の場面で3番の主将大下拓馬が右中間逆転3塁打、続く4番抜擢の菊池海斗(2年)のタ イムリー右前打で逆転した。5回表には5番山口大輔(2年)の左前適時打と併殺の間に2点を追加し5−1とリードした。打撃陣は、バッティングだけでなく守備でも梅原を盛り立てた。6回裏の先頭打者が放った1塁線を抜ける当たりを4番としても貢献した菊池が飛びついてアウトにしたほか、2併殺を取るなど堅守で何度もピンチを救った。攻撃の時間より、守備の時間の方がはるかに長かった試合を5−3で制し、準々決勝に進出を決めた。
吉田洸二監督は「梅原を替えようと思って生徒たちに聞くと『同点まではエースで』といわれたので続投させました。普通は終盤崩れるものですが、8回・9回は指がボールに掛かり、最後まで粘って投げたことは評価したい。次に対戦するチーム(浦和学院か日大三)は、全国トップレベルのチーム、そういうチームとこういう場で試合をすることは、練習の1カ月分以上に値します。全力で一生懸命やらないと何も得るものはないので、すごい差はあるが、勝つことを目標に取り組ませようと思います」。大下拓馬主将「県外に出ると先輩たちも関東や甲子園で勝てなかったので、1勝出来たことは大きいことだと思います。去年は横浜高校にコールドで負けているので、2年連続山梨1位で出させて貰って恥ずかしい試合をしては山梨の人に申し訳ないという思いがありました。次は、どちらが出て来ても強豪なので、強豪校のいいところを一つでも多く吸収して帰れたらなと思います」。梅原隆斗投手「みんなに迷惑をかけました。守りづらかったと思います、よく守ってくれました。直そう直そうと思ったが直せなかった。シャドウや投球練習をしっかりやって、夏までにフォームを固めたい」。それぞれの立場で3人は関東初戦を振り返った。
山梨学院高の次の試合は明後日20日、浦和学院(推薦・埼玉1位)vs日大三高(東京2位)の勝者と、栃木県営球場午前10時試合開始予定で対戦する。
文(M.T) カメラ(今村佳正)
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