2013年関甲新学生野球春季リーグ戦(第7節1戦目)は5月18日、群馬県の上武大学野球場で2試合を行った。第1試合は山梨学院大と白鴎大が対戦。山梨学院が8対1と先勝した。山梨学院は3回裏、先頭の7番・田中貴也(3年)が右越え二塁打を放つと右飛で一死三塁。続く9番・角田元気(2年)の遊撃手への強襲適時内野安打で田中が生還し1対0。さらに1番・酒井雄史(3年)の左前安打と、2番・渡辺晶也(4年)の右前適時打で角田が生還し2対0と速攻。山梨学院は5回裏二死後、4番DH・那須大(1年)の二塁打と四球、6番・加賀美祐樹(3年)の右越え2点適時三塁打で4対0。8回裏には、四球と投手暴投で無死一三塁とし、先制打を放った9番・角田の中前適時打で5対 0。山梨学院は8回裏にも4点を奪い、四死球・失策と長短11安打の繋げる野球で白鴎から8点を奪った。投げてはエース右腕・高梨裕稔が、9回表の一死後に4番打者の打った球が左足に当たる災難。この球を二塁手が捕球し内野ゴロとするが、これで高梨はリズムを崩し3連打され1点を献上。それでも高梨が最後の打者を右飛に難無く打ち取り完投勝利。山梨学院は白鴎に8対1で先勝し勝ち点に王手をかけた。
□リーグ戦は最終節を迎え、暫定2位同士の山梨学院(秋季2位)と白鴎(秋季1位)が激突。勝ち点を奪った方が、暫定1位・上武大の勝敗いかんで逆転優勝もしくは決定戦の可能性があるだけに、両校の熾烈な戦いが予想される。山梨学院はエース右腕・高梨裕稔(4年・土気高)を、白鴎はエース右腕・福田大輔(3年・九州国際大学附高)を先発に起用。皐月晴れの上武大学球場、球審のプレーボールの掛け声が緑の木々が染める球場に響き渡った。
●関甲新学生野球春季リーグ戦(第7節1戦目)【 山梨学院大学 対 白鴎大学 】上武大学野球場
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●【山梨学院】
●[投手]高梨裕稔(勝ち 6勝1敗)投球回数9回、打者35、打数30、投球数127、安打5、四球4、死球1、三振6、失点1、自責点1
●[捕手]田中貴也(盗塁刺 1)
●[長打]〈二塁打 那須大、田中貴也〉〈三塁打 加賀美祐樹、菊池紳弥(2本)〉
●【気象状況(午後10時00分)】天気(晴れ)、気温(20度度)、湿度(70%)、降水量(0mm/h)風向(南南東2m/s)
◆1回表、後攻の山梨学院はエース右腕・高梨裕稔(4年・土気高)が、1番打者を捕手邪飛に、2番打者を一塁ゴロに、続く3番打者に四球を与え二死一塁とするものの、4番打者を中飛に打ち取る立ち上がり。
◆3回裏、先頭の7番・田中貴也(3年・八重山商工高)が2ー1からの4球目を叩き右越え二塁打を放ち出塁すると、8番・藤田峻太(2年・松本第一高)の右飛で一死三塁。続く、9番・角田元気(2年・埼玉栄高)の遊撃手への強襲適時内野安打で田中が生還し1対0と先制。さらに一死一塁、1番・酒井雄史(3年・木更津総合高)の三遊間を抜ける左前安打で一死一二塁とし、2番・渡辺晶也(4年・山梨学院高)の右前適時打で角田が生還し2対0とする。
◆4回裏、先頭の5番・主将・平井慎也(4年・富士学苑高)が四球で出塁すると、6番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府高)の犠打で一死二塁。続く、7番・田中貴也(3年・八重山商工高)がフルカウントから四球を選び一死一二塁。二死後、9番・角田元気(2年・埼玉栄高)も四球を選び二死満塁とするが、後続が倒れ追加点のチャンスを逸する。
◆5回表二死後、エース右腕・高梨裕稔が9番打者に初安打を与え出塁を許すも、田中捕手が二塁への盗塁を刺しスリーアウトとする。
◆5回裏、先頭の2番・渡辺晶也(4年・山梨学院高)が右前安打で出塁。一死後、投手の牽制球で渡辺が刺され二死とした後、4番DH・那須大(1年・東稜高)が左線への二塁打で出塁。5番・主将・平井慎也(4年・富士学苑高)の四球で二死一二塁。続く、6番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府高)が2ー2からの5球目を右越え2点適時三塁打を放ち4対0とリードを広げる。
◆7回表二死後、エース右腕・高梨裕稔が6番打者に右への二塁打で出塁を許すも、難無く7番打者を見逃しの三振に切って取る。
◆7回裏一死後、3番・菊池紳弥(4年・学法石川高)が左中間を破る三塁打で出塁すると、4番DH・那須大(1年・東稜高)の死球で一死一三塁と攻め立てるものの、後続が倒れチャンスを潰した。
◆8回裏、先頭の7番・田中貴也(3年・八重山商工高)が、この回から代わった3人目投手・右腕からストレートの四球で出塁すると、一球目の投手暴投で進塁。さらに3球目の投手暴投で進塁。8番・藤田峻太(2年・松本第一高)もストレートの四球を選び無死一三塁とすると、白鴎はたまらず4番目の右腕へ投手交代。続く、9番・角田元気(2年・埼玉栄高)が1ー0からの2球目を振り抜き中前適時打を放ち田中を生還させ5対0。無死一二塁、1番・酒井雄史(3年・木更津総合高)の犠打で一死二三塁とし、2番・渡辺晶也(4年・山梨学院高)の内野ゴロ失策で藤田と角田が生還し7対0。その上に一死一塁、3番・菊池紳弥(4年・学法石川高)が右中間を破る適時三塁打で8対0大差を つける。
◆9回表、エース右腕・高梨裕稔が先頭の3番打者を三塁ゴロに仕留める。続く4番打者の打撃を、高梨が左足に受け、転がる打球を二塁手が捕球し一塁へ。その二死後、高梨は5番打者と6番打者に連続左前安打で一二塁とすると、7番打者に右前適時打を許し8対1とされる。二死一三塁、エース・高梨は8番打者を難無く右飛に打ち取りチームに勝利をもたらすとともに6勝目をあげた。山梨学院は白鴎に先勝し勝ち点に王手をかけた。
□先制打を叩き、四打席2安打1四球2打点の活躍をした9番・角田元気(2年・埼玉栄高)は、3回裏の一死三塁に「高梨さんの球が凄く走っていたので、先制すれば抑えてくれると思ったので、何としてでも打ちたい」と打席に向かった。打席に立って「初球、どんな球がきても打っていこう」と構えていると、「初球、スライダーがやや真ん中に入ってきた。チームのために振り抜くと、遊撃手への強襲タイムリーヒットとなり良かった」と胸を撫で下ろし笑みを浮かべた。「明日も、チームのために貢献できるように頑張りたい」と気を引き締めた。
□完投し6勝目をあげたエース右腕・高梨裕稔は「調子事態は、あまり良くなかった」と一言。「初回から高めにボールが浮いていたので、フォームを修正しつつ投げていた」と振り返り、「まあ、勝ったので、良かったのかな」と歯切れが悪い。9回の打者の打った球が、左足に当たるアクシデントで3連打で1失点「足に当たった箇所が悪い所ではなかったので、投球への影響はなかった。球威は衰えていなかった、ただ、甘く入った球を打たれ1点取られた」と詰めの甘さを悔いた。
□5打数1安打2四球1死球の主将・平井慎也(4年・富士学苑)は「強豪・白鴎戦の初戦で、エースを攻めて先制得点でき、その上に大量得点できた」と微笑み、「守備もバッティングも良いリズムでできた」と手放しに喜んだ。「他力だが、神宮に望みを繋げる試合だったので、勝てて良かった」と笑顔で振り返った。自身のバッティングについて、5番に座ってからの連日猛打賞が途切れたが「山梨学院は繋げる野球なので、塁に出れれば嬉しいです」と白い歯を見せる。その上に「『繋げる』ことが仕事なので」とさらりと言って退けた。
□高橋一三監督は「今日は言うことはない勝ち」と開口一番。攻めては「先攻して、中押し、駄目押しと、素晴らしい展開だった」と満面の笑み。「特に、5回のツーアウトから、6番・加賀美の三塁打で4点目を取ったのは大きかった」、白鴎のエースを降板させた2点。「これで、ほぼゲームが決まった」と振り返った。「エース・高梨は、ツーアウトからの詰めを確りやらなければいけない。9回ツーアウトから1点を失った。高梨なら、あの場面でも抑えないといけない」と敢えて苦言を呈しつつ、それでも「内容が悪いながらも、それなりのピッチングをした」と褒めた。「いつもこうゆうふうに戦ってくれると良いね」と笑顔で球場を後にした。
文(H.K)、カメラ(平川大雪)
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