競泳のジャパンオープン2013(50m)は5月25日、神奈川・さがみはらグリーンプール(相模原市立総合水泳場)で2日目のレースが行なわれた。前日の男子200m自由形で3位に入った江原騎士が、この日の400m自由形で、大観衆を巻き込んだとてつもない泳ぎをして見せた。スタート直後から猛然と飛び出し、300mまでは日本記録を上回る快ペースで独泳、会場は沸きに沸いた。最後はバテテ2位に下がったが、無名の騎士が演じた積極果敢な騎士の挑戦に、大観衆は大喝采を贈った。ゴールタイムは3分51秒70の自己ベストだった。2日連続の表彰台、しかも200mよりもっといい色の銀メダルだ。江原は「支えてくれている周りの人のおかげ」と話し、前日の左手とは逆 に、今度は右手を山学大応援席に向けて上げた。
≪男子400自由形決勝 江原騎士≫
高校時代の江原騎士(えはら ないと 2年 山梨学院高)は、沖縄インターハイ優勝の実績はあるものの、全国的にはほとんど無名の存在だった。山学大に進学後、神田忠彦監督と綿谷健佑コーチの指導を受け、この1年間は泳ぐたびに記録を伸ばしている。しかし、午前中の予選の時は体が重くて思う泳ぎが出来ず、予選7位でやっと決勝に進出した。江原は監督とコーチから「周りを見ないで、自分らしい逞しい泳ぎをしろ」と指摘されて決勝のスタート台に上った。そして、信じられないほど逞しい、圧巻の泳ぎをした。スタート直後から猛然と飛び出し、300mまでは日本記録を上回る快ペースで独泳、会場は沸きに沸いた。350mでバテテ、世界選手権代表の外館祥(チームジャパン)に抜かれ2位に下がったが、無名の騎士が演じた積極果敢な騎士の挑戦に、大観衆は大喝采を贈った。江原騎士選手は「周りを気にしないで、前半から積極的に行って、後半粘る自分のレースを展開しました。昨日は出来なかった予選よりタイムを上げられたのは収穫。49秒台を出したかったので満足できませんが、ジャパンオープンで200と400の2つのメダルを取れたことはうれしい。仲間や支えてくれている周りの人のおかげです」と感謝の気持を言葉にした。
≪男子400m個人メドレーB決勝 青木健紘≫
青木健紘(あおき たけひろ 3年 香川・高松工芸)は、予選14位でB決勝に進んだ。最初のバタフライは4位で通過、背泳ぎで5位に下がったが、得意の平泳ぎで順位を3位に引き上げた。最後のクロールでしっかり粘り4分23秒00の3位(全体11位)でゴールした。青木健紘選手は「大会前日に右肩を痛めてしまったが、決勝は予選よりタイムを上げることが出来た。明日の200mは、昨年9位だったので、なんとしてもA決勝に残るレースをしたい」と肩の痛みをこらえた。
≪女子200m背泳ぎB決勝 山下安輝≫
山下安輝(やました あき 2年 山口・豊浦)は、昨年7位、日本選手権5位だったが、予選で振るわず13位でB決勝に進んだ。後半型の山下が珍しく前半から積極的に飛ばした。50mは1位、100mは2位だったが、後半は逆に失速して8位(全体16位)に後退した。山下安輝選手は「東アジア大会代表を狙っていたので、予選の結果はショックでした。決勝に残れなかった悔しい気持ちをインカレにぶつけます」と悔しさをこらえた。
世界選手権代表のチーム・ジャパン選手として出場しているOGの鈴木聡美(ミキハウス山梨)は、初日の100m平泳ぎに続き、50m平泳ぎも優勝し2冠を獲得した。最終日の200mで平泳ぎ2年連続3冠に挑む。OGの加藤ゆか(東京SC)は得意の50mバタフライを圧倒的な強さで制し、山学大時代からの連覇を6連覇に伸ばした。
この他の山梨学院勢は、男子200m背泳ぎの篠田大夢(3年 新潟・長岡大手)が自己新をマークし23位、女子50m平泳ぎの柴山鈴加(2年 富山商)24位、男子50m平泳ぎ重森俊二(4年 鹿児島情報)30位(自己新)、女子400m自由形浅山美貴(1年 静岡・磐田農)33位などとなった。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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