山梨学院大学は、産学官連携により経営教育及び研究の促進を目指し、経営に関する知の蓄積・共有・移転を進めていくことで山梨から日本のビジネスのさらなる活性化を図ることを目的に「山梨学院経営学研究センター」を設立し、5月25日に第1回目のワークショップを開催した。「山梨学院経営学研究センター」は、山学大の現代ビジネス学部、経営情報学部の教員が研究員として学界と産業界を架橋するシステムの構築のために、先端的・実践的な経営教育及び研究や定期的なワークショップ、ビジネス講座などを開催。近年多様化・複雑化する現代ビジネス環境を学界と産業界相互の連携により教育・研究面で活発な人材交流や知財の共有を推進する。この日開催された第1回ワークショップ では、研究員の一人である現代ビジネス学部の東秀忠准教授が「『よい製品』を『利益』に繋げる―製品開発から考える技術経営―」をテーマに組織構造や組織のあり方に着目し、自社にとってより大きな利益をもたらす製品開発や生産のあり方について講演し、参加者と議論を深めた。
山梨学院大学が開設した「山梨学院経営学研究センター(RIMS)」は、産学官連携により先端的・実践的な経営教育及び研究を促進し、知の蓄積・共有・移転を通じて山梨から日本のビジネスの更なる活性化を図り、地域の発展に資することを目的としている。センターでは、経営に関する先端的・実践的研究及び調査の実施とその成果の発表を行うほか、企業、自治体などから委託された経営に関する研究・調査や定期的に最新の研究成果の社会への配信と情報交換を目的にワークショップを開催する。
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5月25日には、山梨中央銀行との共催で第1回目のワークショップを山梨学院クリスタルタワー8階大会議室を会場に開催。ワークショップに先立ち、センター長の現代ビジネス学部・杉村聡教授がセンターの設立趣旨などを説明し「地域振興には産学官の連携が不可欠で"学"の部分で本学の一番良いリソース(資源)を地域に還元したいという思いでRIMSを発足させました。きょうから5回ワークショップが開催されますが、皆様が小さな事でも結構ですので、地域振興の鍵になるようなものをつかんで頂ければ嬉しいと思います」と挨拶。
ワークショップでは、センターの研究員を務める現代ビジネス学部の東秀忠准教授が「『よい製品』を『利益』に繋げる―製品開発から考える技術経営―」をテーマに研究成果の報告や意見交換を行った。講師を務めた東秀忠准教授は技術経営論、生産管理論が専門。「よい製品」を「利益」に繋げるために、効果的な製品開発のあり方について、身近なモノを事例に挙げ紹介。参加者と相互に意見交換しながらワークショップを進め、設計から製品が出来るまでを組織構造や組織のあり方について学説などの理論を踏まえ解説。さらに、利益に繋げるための流通・販売の経営戦略についてパソコンや自動車業界を例に詳説を加えた。参加者は東准教授の分かりやすく、時折ユーモアを交えた熱のこもった説明に耳を傾け、自社にとってより大きな利益をもたらす製品開発や生産のあり方について議論を深めた。東准教授は結びとして「技術が利益に繋がるためには幾つかの段階を経なければならない。まず、技術がきちんとモノになる かどうか。製品・技術・組織がしっかりと適合し、さらにモノが出来てもお金にはならないので、販売の戦略を考えなければいけない。技術だけを見るのではなく、組織・戦略との適合性をどのように考え、意識するかが重要になってくる」と語った。
次回は、7月20日(土)に現代ビジネス学部の千田直毅准教授が「戦略的な人的資源管理を目指して―戦略・組織・人事の適合―」をテーマにワークショップを開催する。
文・カメラ(Y.Y)
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