山梨学院パブリシティセンター
山学大・山学短大・山梨県連携事業
〜県民健康公開講座「おいしく食べて減塩生活」開講〜
〜健康栄養学部4年生が減塩レシピで食生活改善指導〜

厚生労働省が行なった国民健康・栄養調査で、山梨県が食塩摂取量全国1位であることが判り、生活習慣病を防ぐための食生活改善が求められている。食の専門家である管理栄養士を目指す山学大健康栄養学部4年生が、この課題をテーマとした栄養教育プログラムを授業で作成した。山梨県と山梨学院大学健康栄養学部は2010年から県民健康公開講座を教員指導で行ってきたが、今年度は学生が実施する内容に変更し、第1弾として県民健康公開講座「おいしく食べて減塩生活」を6月1日にキャンパス内51号館調理実習室で開催した。4年生の24人が、自分たちで考えた減塩レシピ集の中から、牛肉のおろしポン酢がけなど4品の減塩食献立を紹介した。糖尿病と戦う男性や主婦ら一般の県民40人が参加、講義を受けた後、学生たちのアドバイスを受けながら班ごとに4品の料理作りに取り組んだ。


厚生労働省が行なった平成22年度の国民健康・栄養調査では、20歳以上食塩摂取量の全国平均が男性11.8g、女性10.1gであったのに対し、山梨県内では、男性13.3g、女性11.2gと全国ワースト1位という数字が表れた。厚労省の食事摂取量基準(2010年版)では、1日あたりの食塩の目標量は、18歳以上の男性で9g未満、女性は7.5g未満とされている。食塩は、ほとんどの食べ物に含まれているため、普通の生活で不足する心配はほとんどなく、食塩摂取量が多い食生活が長く続くと、高血圧や胃がんなどの様々な生活習慣病を招くおそれがある。

今回の県民健康公開講座「おいしく食べて減塩生活」は、学生にとっては「地域の食と栄養活動実習U(地域食育活動)授業の一環として実施され、外部の一般県民に対する初めての公開講座となった。講座の一番のポイントは、"減塩でもおいしく"、味気なさを脱却して健康的でおいしい献立をいかにして作り出すかに力点が置かれた。学生たちは、配布資料を基に、「しょうゆやソースはかけずにつけて食べる」、「麺類のスープは残す」、「果物を食べる」、「香味野菜や香辛料を使う」などの食べ方や減塩ポイントの紹介を行い、「減塩食実習献立]について、実演で講義を行った。紹介したメニューは、「牛肉のおろしポン酢がけ」、「小松菜のわさびマヨネーズ和え」、 「えのきとにんじんのみそ汁」、「フルーツの盛り合わせ」の4品。学生が交代で講師を務めた後、参加者全員で実習を行い、班ごとに調理した料理を味わった。参加者の一人主婦の大久保文子さんは「牛肉のおろしポン酢がけは、塩分は少ないのに、ポン酢の酸味とかぼちゃの甘みが程よく重なり、とてもおいしく食べれました」と話した。糖尿病歴15年という70歳の金丸武士さんは「私の場合は、薬の代わりに食べ物をどうするかで、食事との戦いです。自己流で料理を作っていますが、学生さんのアイデアで視野が広がりました」と感想を語った。山梨県健康増進課伊丹幸子課長補佐は「塩分摂取が日本一という健康課題があるので、今年からの第2期連携事業は、減塩をテーマに取り組もうと話し合っています。今日のレシピは、簡単に作れて日常生活に取り入れることが出来るので、食生活改善推進委員の皆さんにも広めて行きたい」と述べた。講師を務めた学生の一人健康栄養学部4年日向誠さんは「一般の人の前で話すのは初めてだったので緊張しました。現在就活中で、もし管理栄養士として就職出来たら、こういう機会が増えると思うので、この経験を社会に出て活かして行きたい」と講師役を振り返った。指導に当たった健康栄養学部藤井まさ子准教授は「先週、大学生を対象にした朝食指導を行い、今週は一般の県民を対象にした公開講座を開きました。学生たちは、率先して努力を積み重ね、頑張ってくれました。講座を実施するための詳細な計画の立案、教材の作成、話し方の工夫、臨場感、すべてが社会に出てから役に立つと思います」と4年生の奮闘を称えた。

山梨学院大学健康栄養学部管理栄養学科は、山梨県で唯一の管理栄養士養成施設として2010年に開設された。現在の4年生は第1期生、先輩がいない新学部で、新たな道を切り開いて来た1期生にとっては、自らの明日の実戦力を高める、心と技術を磨く充実の実習となったようだ。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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