山梨学院パブリシティセンター
文科省研究開発学校に指定
〜理科の枠を越えた「科学科」を新設4年間研究〜
〜18年から21年に続き、異例の2度目の指定〜

山梨学院小学校は、文部科学省から、今年度から平成28年度までの4年間にわたる「研究開発学校」の指定を受けた。研究開発学校は、将来の教育の在り方を探るために、現行の基準を越えた教育研究を行うことが特例的に許されるパイロット校、実践を通して新しい教育課程・指導方法の開発を実験研究する。平成25年度は、全国の幼稚園から高校までの中から14校が指定校に選ばれた。山梨学院小が申請し指定を受けた研究テーマは、「小学生の『科学的リテラシー』育成を目指した新教科『科学科』における、教育課程、指導方法及び評価方法の研究開発」というもの。山梨学院小は、平成18年度から21年度に行った「アントレプレナー(起業家)教育」で、山梨県初の指定を受けており 、今回が2度目の指定となった。私立学校(幼小中高)の指定は過去10年間で12件だけで、そのうち2件が山梨学院小。短期間に連続して指定されるのは異例で、山梨学院小の研究力・教育力を、文部科学省が高く評価していることが示された。


指定を受けた研究開発課題の研究内容は、3学年から6学年において「科学科」を新設し、「科学的リテラシー」の育成を目指すもの。既存の「理科」の単元枠を組み替え、「出会い・体験の時間」によって問いや疑問を生み出し、「探究・深化」において問題を探求する。科学的知識を活用した問題解決能力の育成が研究テーマ。具体的には、オクトーバー運動場の建設に伴い、昨年、運動場西側に新設された自然観察園を活用し、栽培しているキャベツに産みつけられる蝶の幼虫や昆虫・植物を調べる身近な自然観察。ソーラーカーの秘密を探る物質・エネルギー研究。富士川の石や信玄堤など上流から下流までを調べつくして川博士になる研究等を実施して行く。

6月13日に公開授業が行われ、3年生の児童が「環境館」での授業と、「観察園」での自然観察をマスコミに公開した。子どもたちは、教室の授業で基礎的な知識を学んだあと、観察ボードを肩に掛けて観察園に移動した。キャベツの葉の裏側に小さな卵が産みつけられているのを虫眼鏡で発見、「これがモンシロチョウの卵だ、黄色いからまだ産みつけられたばかりだ」。「先生、向こうで小さいカマキリを見つけた」などと大興奮、目をキラキラ輝かせて、発見したものを観察ボードに書き込んでいた。指導を担当する市川寛教諭は「蝶を通して自然との関わり方を学ぶという視点で授業を組んでいます。興味の持ち方が、蝶をスタートにして、大きく広がって行く可能性を感じています。ふるさとの自然を見て行くものさしが出来て行くんじゃないかなと感じています」としている。山内紀幸校長は「科学や理科や技術は単独にあるのではなく、社会との関わりの中であるので、ソーラーカーを追求しながら、社会のためにどう役に立つのかというところまで考えてほしい。富士川を調べることで、科学的な事、歴史的な事、先人たちが川の氾濫と戦ってきたことなど、様々なロマンがあることが分かる。子どもたちには、自分が感じたロマンを自分で育ててほしい。まず感動からスタートして、出会いと探究を相互に連携させ、探求していく場をどんどん作って行こうと思っています」と話している。

山梨学院小は、指定を受けた新教科「科学科」の研究開発について、1年目に試行、2年目に授業の実施と評価問題の作成、3年目に公開授業研究会・講演会の実施、4年目に「科学科」指導要領と最終年次報告書を作成することにしている。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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