第46回東京都大学サッカーリーグ戦は7月7日、前期の延期試合を行い、暫定1位の山梨学院大と暫定3位の亜細亜大が山梨学院和戸富士見サッカー場で直接対決した。リーグ戦の優勝を占う天王山の試合で、山梨学院は素晴らしい戦いをした。まず前半15分、右サイドバックの井上拓臣がオーバーラップから亜細亜DFを抜き中央にクロス、このボールをFWの牛奥徹がダイレクトで鮮やかにネットを揺らし先制。32分に再び牛奥、36分に上田健太、40分に牛奥が今度はヘッドで合わせ前半だけでハットトリックを達成させてしまった。山学大ディフェンス陣は、亜細亜大にシュート場面をほとんど作らせなかったほどしっかり守った。攻撃は後半10分に井上賢光、後半30分に途中出場の唐澤大 夢が追加ゴールを決め6−0と圧勝。来週に日大戦を残しているが、7日現在7勝1敗1分けの暫定首位、快進撃で首位ターンを確定的にした。
今シーズンの東京都大学サッカーリーグ1部は、10チーム2回総当たり制。前期5月5日〜6月30日(予備日7月6日〜15日)、後期8月25日〜10月20日(予備日10月26日〜11月4日)。7日の和戸富士見サッカー場の試合は、雨で順延となった第4節の延期試合。6勝1敗1分けの暫定1位山学大と5勝3敗1分けの暫定3位亜細亜大との対戦となった。
第46回東京都大学サッカーリーグ戦
≪山梨学院大vs亜細亜大≫(7/7) 於 山梨学院大和戸富士見サッカー場 |
○ 山梨学院大 6 |
前半 4−0
後半 2−0 |
0 亜細亜大 ● |
得点 牛奥徹3、上田健太、井上賢光、唐澤大夢 |
山学大サッカー部は、強化指定クラブとして歩み始めて5年の若いチーム。第1期生は昨年の秋、関東リーグ昇格を果たせず涙で卒業して行った。7日の試合には、故郷の清水に帰った1期生の橋本純希さんが駆けつけ、後輩たちに「今年こそ関東に行くんだ」とエールを贈った。そして、5年目の山学イレブンは強く、逞しくなっていた。ディフェンス力が格段に向上していた。組織的に守り、穴が空いても、誰かがすぐにリカバリーした。亜細亜大にシュート場面を与えたのは2〜3回だけ、危ない場面はほとんどなかった。そして、攻撃力も飛躍した。前半15分の最初の得点は、お手本のようなゴールだった。右サイドバックの井上兄弟の兄、DF井上拓臣(4年 山学高)がオーバーラップから右エン ドライン沿いに切れ込み、センターにクロス、待ち構えていたFW牛奥徹(4年 甲府城西)が右足を振り抜き、ダイレクトでネットに突き刺した。32分にはカウンター攻撃から牛奥がワンタッチで2点目を決め、36分には上田健太(3年 山学高)が右サイドを突破してゴール。40分には、牛奥がヘッドでハットトリックを達成させた。前半だけで4−0として勝負を決めた。後半も10分に井上兄弟の弟FW井上賢光(2年 初芝橋本)がゴールを決め、30分に後半途中出場の唐澤大夢(3年 甲府城西)が豪快なヘッドを決めた。天王山と思われた試合は、終わって見たら6‐0、圧勝で首位ターンを確定的にした。
ハットトリックの牛奥徹選手は「複数得点は久し振り、チームの助けになれて良かった。ここ2年昇格出来てないので、最終学年で果たし後輩たちに残したい。この流れを持続できるよう頑張って行きたい」と語った。DF陣をリードする田中寛己主将は「大学から新しいグランド、クラブハウスを提供してもらい、僕たちは結果でしか恩返し出来ない。前期首位で折り返せそうでまずは一安心。後期は8月25日からなので、夏の間、プロのチームなどと試合をして、一からチームを作りなおして臨み、後期も同じような結果を出したい」と夏の精進を誓った。塚田雄二監督は「去年に比べると、守備のところを整備してシーズンに入った。今日は落ち着いてゲームが運べたかなと思います。いい形の中でチャンスをしっかり決めると今日のようなゲームになって勝ち切れる。こういう流れがいつもあるわけではないが、その確率が高くなるようにトレーニングして行きたい」と手応えをつかんでいた。
山学大サッカー部は、1年生部員39人が加わり、130人の大所帯に膨れ上がった。これまでは4年の三浦千奈さんが、たった一人のマネージャーとして、チームの何から何まですべてを一人で支えて来たが、やっと2人目のマネージャーが入部してくれた。短大保育科1年の菊嶋桃子さんが5月から加わり、三浦千奈(写真左)・菊嶋桃子両マネージャーの2人体制になった。三浦千奈さんは「4年なので、卒業した後を心配していたんですが、桃子ちゃんが来てくれただけでなく本当に良くやってくれる。同じ意識でやってくれるので助かっています」と話し、菊嶋桃子さんは「中学の時の同級生がサッカー部にいて、練習を見に来て素敵な部活だなと思いここでマネージャーをやりたいなと思いました。大変と言われればそうかも知れませんが,やりがいがありますし、選手が仲良くしてくれるので楽しいです」と2人とも笑顔を見せた。山学大サッカー部は、選手もマネージャーも、秋に笑うために、甲府盆地の暑さと戦い、ともに汗を流す。
文(M.T) カメラ(Y.Y)
アルバムはこちら