第95回全国高等学校野球選手権山梨大会は、大会2日目の7月14日、小瀬スポーツ公園野球場と富士北麓公園野球場で1・2回戦5試合が行われた。このうち、2年ぶり6度目の甲子園を目指す第1シードの山梨学院高は、小瀬球場第1試合の2回戦で韮崎高と対戦した。1回裏に韮崎に1点を奪われ先制されたが、2回表に犠牲フライですぐに追いつき、3回表に1番に抜擢された金城義の3塁打をきっかけに一気に9点を奪い逆転した。春の県大会初戦では硬さが見られたが、夏は初戦から打線がつながり、犠飛・スクイズ・連打で5回までに13点を奪う打撃力を見せた。エースの梅原隆斗は3回まで投げ、ヒットを許しながらも1失点で切り抜けた。山学ベンチは、二番手投手に羽田健人、 3番手に坂本秀仁を投入した他、4回と5回の攻撃では代打を次々に送り、全員野球で13対2(5回コールド)と韮崎高を圧倒した。
夏の高校野球山梨大会2回戦≪山梨学院高vs韮崎高≫(7/14)甲府・小瀬球場
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山梨学院高 |
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9 |
3 |
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13 |
韮崎高 |
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0 |
1 |
0 |
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2 |
5回コールドゲーム
山学バッテリー 梅原・羽田・坂本−結城、
3塁打 金城、2塁打 加藤・福本2・山口・安並(山学)、舛森(韮崎)、
安打 山学10・韮崎8、失策 山学0・韮崎4、
この試合の始球式は、山梨学院高ソフトボール部の塩澤こころ主将が務めた。右打者の内角一杯をつく見事なストライク投球で大喝采を受けた。「少年野球6年の時はピッチャーでした。狙い通りの内角に投げれて気持良かった。いつも隣のグランドで練習している野球部には、絶対甲子園に行ってほしい」とナインにエールを贈った。
エースの梅原隆斗(3年)は、春季大会では制球がままならず、四死球を連発した。回復具合はまだ8割程度の状態でマウンドに上がり、1回裏は2死からの連打と四球で2死満塁とされ、ぼてぼての内野安打で1点を奪われた。3回裏には1死から3連打されたが、2者連続三振で後続を抑え切った。まだ万全ではないが、徐々に上向きの状態になった。打線は、春と変わらず活発に打った。韮崎の草間聖也(3年)投手は、右アンダーハンドから、スローボールを多投して来た。山学打線は、ボール球に手を出さず、よく引きつけて鋭い打球を次々に放った。2回表の先頭5番加藤卓弥(3年)が右越え2塁打、山口大輔が(2年)が丁寧なバンドで送り、結城大輔(3年)の左犠飛であっさり同点に追いつ いた。3回表には、1番に起用された金城義(きんじょう つとむ 2年)の中越え3塁打をきっかけに、四球・失策・スクイズ・失策・適時打で続々と加点、四球後この回2度目の打席に入った金城の左前打をレフトが後逸する間に満塁のランナーが生還、さらに2番福本大賀(3年)の左越え2塁打で一気に9得点、この回で試合を決めた。山学ベンチは、二番手に右投げの羽田健人(はねだ けんと 3年)、3番手に左投げの坂本秀仁(3年)を投入した他、4回、5回の攻撃では安並大輔(3年)、渡邉拓夢(2年)、佐瀬辰哉(3年)など代打を次々に送り、ベンチ入り20人中18人を使う全員野球で13対2と韮崎高を圧倒した。
先発した梅原隆斗投手は「打たれてもバックを信じて、落ち着いて投げようと思いました。多少打たれたけど、ピンチで抑えることが出来たので少し自信がつきました。徐々に良くなっていければと思います」と初戦の投球を振り返った。大下拓馬主将は「春の初戦はガチガチで自分たちの野球が出来なかった。あの春の初戦は自分たちの中では非常に印象深く、あの試合があったから、今日の初戦は次につながる試合が出来たのだと思います。次も地に足をつけて、自分たちの野球をします」と語った。吉田洸二監督は「いいピッチャーに当たると、下位打線は打てなくなり、上位打線でしか対抗できなくなることもある。一戦一戦、しっかり戦って行きたい」と初戦を振り返った。
この試合の模様を、昨年の主将小林義弘選手(東洋大)、副主将坂上泰斗選手(日大)など昨年の主力メンバーが1塁側スタンドに駆け付けて応援した。「一戦一戦頑張って、是非甲子園に行ってほしい」と話し、「坂本〜、いいものを持ってるんだから、捻じ伏せてやるぐらいの気迫で投げろ〜、そうすれば勝てる」とマウンドの後輩に声援を送っていた。応援の指揮を執った浅川莉央応援団長は「新しい応援も取り入れて臨みました。今までで一番いい応援が出来ていると思います。次の試合も選手は熱く燃えると思います、私たちも熱く燃えます」と額から流れ出る汗を拭いた。
山梨学院高の次の試合は、20日(土)小瀬球場第1試合(午前9時開始)予定で、甲府南高VS富士北陵高の勝者と3回戦で対戦する。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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