第95回全国高等学校野球選手権山梨大会は、大会9日目の7月23日、小瀬スポーツ公園野球場で準々決勝4試合のうち2試合が行われた。大会第1シードの山梨学院高は、第1試合で日本航空高と対戦した。この日の山学打線はどこかちぐはぐだった。7回まで毎回の9安打を放ちながら、奪った得点は3回表の1点のみ、チャンスにあと一本がなかなか出なかった。逆に航空は5回裏のチャンスに集中打で3点を奪った。1−5とリードされた非常に苦しい展開で最終回を向かえた。土壇場の無死から2番福本、3番加藤が連打で出塁、4番菊池がライトスタンドに3ランホームランを打ち込み1点差、5番大下がヒットで出塁し7番金城のタイムリーで一度は同点に追い付いた。しかし、9回裏に航空 に1点を奪われ、サヨナラ負けを喫してしまった。2年ぶり6度目の甲子園出場は叶わず、山学球児2013年の夏はベスト8で終わった。
夏の高校野球山梨大会準々決勝≪山梨学院高vs日本航空高≫(7/23)甲府・小瀬球場
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山梨学院高 |
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4 |
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日本航空高 |
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3 |
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1× |
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山学バッテリー 梅原・上原・大城・坂本−結城、
本塁打 金澤(航空)菊池(山学)、2塁打 石田(航空)、
安打 山学14・航空9、失策 山学1・航空3、
山学の先発は梅原隆斗(3年)、航空の先発は田中蒼太(3年)、ともに左腕が先発した。山学打線は1回表に2死満塁としたが先制のチャンスを逃した。逆に2回に航空の4番金澤に本塁打され先制された。3回表に6番田中郁也(3年)の左前適時打ですぐに追い付いたが、3回裏に3連続四球のあとパスボールで1点を与え、5回裏には連続タイムリーと犠飛で3点を奪われた。この日の山学打線はどこかちぐはぐだった。5回のチャンスで送りバンドが併殺になるなど7回まで毎回の9安打を放ちながら、奪った得点は3回表の1点のみ、チャンスにあと一本がなかなか出なかった。土壇場の9回表無死から2番福本大賀(3年)、3番加藤卓弥(3年)が連打で出塁、4番菊池海斗(2年)がライトスタンドに3ランを打ち込み1点差、5番大下拓馬(3年)がピッチャー強襲打と1塁悪送球で2塁に進み、送りバンド後7番金城義(2年)のタイムリーで一度は同点に追いついた。しかし、9回裏2死3塁から航空の3番石田にレフトセンター間にサヨナラヒットを打たれ敗れた。
試合後、大下拓馬、福本大賀、安並大輔の3選手は、韮崎高、富士北陵高から託された分も含め、日本航空高の深澤翔太主将に生徒全員が折ってくれた千羽鶴を渡し甲子園を託した。たくさんの記者団に囲まれた中で大下拓馬主将は声を震わせながら「猛練習に明け暮れた2年半は、自分の中では何物にも代えられない大切なものです。もうちょっと長くやりたかったという思いはありますが、最後追いつけたというのは、練習して来た成果、自分たち3年生にとっては3年間の集大成です、後輩にはいいところを引き継いでもらいたい」と溢れそうな涙をこらえて記者団の質問に誠実に答えていた。吉田洸二監督は「今日は終始相手のペースで、苦しい試合でした。投手も、打者も、本来の力が出せなかった。9回に追いついたのは、2年4か月頑張って来た選手の執念です。頑張って来ていないとああはならない、褒めてやりたい。赴任して3か月半、3年生は良く頑張ってくれた、一緒に甲子園を目指したが、夢を叶えてあげられなくて申し訳なかった。後輩たちは、3年生を見習って、これから新しい山梨学院の歴史を作って行かなければいけない」と再挑戦を誓った。
1塁側山学応援席は、暑さに負けない熱い応援で選手に声援を送り続けた。スタンドで舞い踊り選手を鼓舞したチアリーダー部21人のリーダー塩入玲未部長は「選手は精一杯戦ってくれました。自分たちも精一杯応援したつもりです。最高の戦いをした最高の夏と受け止めているので、悔いはないです。野球部のみんなには格好良かったよと伝えます」と目を真っ赤にして泣いた後、最後は笑顔も見せた。試合後のエール交換、山学応援席は、涙をこらえて懸命に指揮を執る浅川莉央応援団長と、新たに加わった2人の1年生が羽織袴で声を振り絞り、チアリーダー部と吹奏楽部と全校応援の生徒が「フレー・フレー・ヤマガク」「フレー・フレー・航空」と声を揃えて最後の挨拶をした。応援スタンドも最後まで立派に戦い、球児とともに夏のスタンドに別れを告げた。
文(M.T) カメラ(平川大雪・今村佳正)
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