山梨学院高校吹奏楽部の83人が、この夏、超多忙な日々を過ごしている。先日まで、甲子園を目指した野球部を応援するため、毎試合応援スタンドで熱血応援演奏を行なっていたが、その一方で、自分たちの部活動の準備に全力で取り組んで来た。山学高吹奏楽部は、昨年11月の県高校芸術文化祭で吹奏楽部門が3年ぶり2度目、マーチングバンド部門は3年連続7度目となる県代表をダブル受賞、7月31日から8月2日に長崎県で開催される第37回全国高校総合文化祭「2013長崎しおかぜ総文祭」に両部門で出場する。1年生を加えた新編成チームにとっては、吹奏楽部門曲の練習だけでも大変であった。マーチング部門の練習に必要な時間は、なかなか確保できなかった。19日の1学 期終業式直後から、前庭を舞台にして、連日懸命にステップを踏み、猛特訓を重ねた。30日まで学校で練習を行い、31日夕方からの総文祭パレードに参加、1日に吹奏楽部門に出場、2日にマーチング部門出場、とんぼ返りして4日の県吹奏楽コンクールに出場、猛暑の中、東奔西走中。
今年の甲府盆地は、39度前後の高温が連日続いた"日本一暑い夏"、マーチングバンド部門の練習は、なるべく暑さを避け、午前中の早い時間か夕方を選んで行ったが、それでも噴き出す汗と戦う練習となった。なかなか列が揃わない、渡邉正樹顧問から、何度もダメだしを受ける、それでも誰も弱音を吐かない、弱音を吐いたらみんなに迷惑をかける、その思いからなのだろう、「もう一度やり直し」の声に、だれもが「ハイ」と答えて、すぐに元の隊形に戻り、懸命にステップを踏んで行く。全国の舞台では、演奏に、マーチングに、ものすごい情熱を傾けている学校がたくさん出てくる。急ごしらえのマーチングでは上位入賞は不可能な舞台だ。そのことは誰よりも部員たちが一番分かっている 。「一番という順番ではなく、自分にとっての一番の努力をしよう。自分たちが出来る、自分たちの精一杯を演じよう」という気持が、練習態度からひしひしと伝わってくる。若い思いとか、連帯感とか、そういうものが伝わってくる練習が、連日前庭で繰り広げられた。顧問の渡邉正樹教諭は「生徒は本当に良くやってくれている。体調に注意して頑張ってくれと言うしかない、夏を乗り切れと言うしかない」と話した。マーチングに花を添えるカラーガード8人の一人、3年の鈴木詩織さんは「8人の力を合わせて、バンドを華やかにしたい。笑顔で頑張ります」と気持を表現した。前島政道部長は「県代表として自信を持って、しっかり頑張って来たい。演奏も、マーチングも、山学らしさを出して、皆さんに感動を与えられるようにしたい」と話して長崎に向かって行った。スケジュールは、7月31日夕方から長崎市内で行われる総文祭パレード参加、8月1日に佐世保市で開催される吹奏楽部門出場、2日に大村市で行われるマーチング部門出場、とんぼ返りして4日に県吹奏楽コンクール出場となっている。その後も、9月の国民文化祭行事への参加と続く。今年の山学高吹奏楽部は、スケジュールがぎっしり詰まった多忙な夏から秋となっている。
文(M,T)カメラ(平川大雪)
アルバムはこちら