山梨学院パブリシティセンター
全日本学生レスリング選手権が開幕
〜山学大グレコ勢善戦及ばず上位入賞ならず〜
〜10年ぶりに女子部員入部インカレ初出場〜

文部科学大臣杯2013全日本学生レスリング選手権大会(インカレ)が、8月20日から23日の日程で東京・駒沢公園体育館で開幕した。グレコローマンスタイルとフリースタイル全7階級の学生日本一を決める大会。山学大からはグレコローマンに11人、フリーに18人が出場する。大会前半の20・21両日は、グレコの1回戦から決勝までが行われた。山学勢は、4年の内山雄貴(55s級)、3年の長崎宏樹(66kg級)・松野裕也(96kg級)、2年の雨宮隆二(66kg級)・佐藤拓真(120kg級)の5人が初日を突破し、2日目の準々決勝に進出したが、いずれもベスト8戦で敗れ5位に終わり上位入賞はならなかった。また、山梨学院高出身の青柳ななみが10年ぶりの女子部員として入部、インカレに初出場した。


55s級の内山雄喜(4年 群馬・前橋西)は、昨年の全日本大学グレコローマン選手権で準優勝するまで、まったくの無名選手だった。高校時代はフリーだったが、山学大入学後にグレコ55sの先輩梶雅晴(23年度卒)の練習相手を務めるうちに、グレコの楽しさが判るようになり転向、3年目に花開いた。今年は第1シード選手として大会に出場した。初戦の2回戦と3回戦は余裕で勝利したが、準々決勝で落とし穴が待っていた。相手の藤田侑志(日体大)はなかなか組み合わない、1Pはバックに回り2−0で取ったが、汗が多くなる2Pで投げに行った時に汗で滑り、返され連続ローリングを許し逆転負けしてしまった。内山雄貴選手は「優勝を狙っていたので悔しい、この悔しさはグレコ選手権で晴らします」。10月のグレコ選手権で、今年は銀ではなく、金メダルを獲得する。

66kg級の雨宮隆二(2年 韮崎工)は甲府市出身、中学時代までは柔道をやっていた。ロンドン五輪金メダリストの富士吉田市出身米満達弘選手同様に、県内唯一のレスリング強豪校韮崎工で才能を開花させた。高3の山口国体で優勝、高3で天皇杯に出場3位。大学入学後は、昨年のインカレ・大学グレコ選手権3位、今春の明治杯全日本選抜3位などの実績を重ね、世界ジュニア代表に選ばれブルガリアから帰国したばかり。本来は60s級の選手だが、この大会には一階級上の66kg級に出場した。2回戦・3回戦は簡単に勝利したが、準々決勝の相手屋比久翔平(日体大)は同じ世界ジュニアで66kg級3位を獲得した選手。1Pは0−0で互角に渡り合ったが、2Pに体格差で敗れた。雨宮隆二選手は「世界中ジュニアから帰国したばかりで体重を上げ切れなかった。グレコ選手権では60s級で出場し絶対優勝します」と雪辱の優勝を誓った。

同じ66kg級長崎宏樹(3年 長野・上田西)は、1回戦で盛根聖太(日本文理大)、2回戦で佐々木康平(国士舘大)、3回戦で金光輝明(東洋大)を下して2日目に進み、中村尚弥(日体大)と対戦した。1P開始直後にバックを取り1−0とリードしたが、その直後がいけなかった。ローリングに入ろうとしたところを返され、連続ローリングで逆転負けを喫してしまった。長崎宏樹選手は「ベスト8を決めた昨日の試合は練習通り動けた。準々決勝はローリングに行った時に緩み、乗られてしまった。まだ弱い、決めるべき時に決める大事さを改めて学んだ。グレコ選手権では必死に戦い優勝します」。長崎は失敗を糧にして戦う。

96kg級の松野裕也(3年 茨城・霞ヶ浦)は、初戦の2回戦で櫻井俊介(関学大)、3回戦で藪中右京(関西大)を下し準々決勝に進出した。対戦相手の大坂昂(早大)は大会2連覇中の実力者、力及ばず敗れた。松野裕也選手は「昨日はフォール勝ちしたが、今日は下がって取られたことが反省点。専門のフリーは2回戦が山場でそこで勝てば順調にいける、フリーにかける」と気持ちをフリーに切り替えた。120kg級佐藤拓真(2年 宮城・東北工大高)は、初戦の2回戦で本間育幸(大東文化大)を下し、準々決勝に進んだ。対戦相手の瀬川翔太(中京学院大)の圧力が強く、場外に押し出されるなどして敗れた。佐藤拓真選手は「昨年は1勝も出来なかったので、初勝利です。フリーにも出場するので、前に出て、フリーも1回戦を突破したい」。佐藤はまだ2年でまだ強くない。カザフスタンからやって来た巨漢の1年生ボルティン・アレッグと練習を重ね、これから強くなる。

男子しかいなかった山学大レスリング部に、この春女子55s級青柳ななみ(1年 山梨学院高)が入部してきた。小学校4年の時に山梨学院チビッコレスリングクラブに入会、子どもの時から樹徳館で練習をしてきた。塩山・松里中時代は、レスリングと柔道の両方をやっていたが、レスリングの方が面白いと山梨学院高からはレスリング一本に絞った。山学大レスリング部への女子選手の入部は10年ぶり2人目。4月の入学とともに親元を離れ女子寮に入寮、朝練習から男子と一緒にトレーニングに励んでいる。このインカレで公式戦デビューしたが、まだ、選手としては強くない。初戦で大川彩美(関西大)に敗れた。青柳ななみ選手は「選手としては弱くて、勝てないけれど、精神的に強い人間になりたくて取り組んでいます。いつか、1勝出来るようになりたい」。心の強い人間になるよう、樹徳館で技と自分を磨いている。

22・23の両日は、フリースタイルの1回戦から決勝までが行われる。グレコは上位入賞なしで終った山梨学院大勢は、フリーで巻き返す。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
| アルバム1 | アルバム2 |

Copyright (C) 2013 YGUPC. All Rights Reserved.