平成25年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子32回・女子29回)が9月28日、東京・日本武道館で開幕した。個人戦の学生日本一を決める2日間の大会。山梨学院大からは、男子12人、女子18人が出場する。初日は、男子は軽・中量級、女子は中・重量級の戦いが行われた。山梨学院大勢の内、女子78kg超級に出場した町純香(4年)、井上愛美(3年)、井坂希望(2年)の3人全員が準決勝に進出した。最初に町が決勝進出を決め、次いで、井上と井坂が対決、勝った井上が町と決勝を戦った。最終順位は、井上優勝、町準優勝、井坂3位となった。出場3選手が1位・2位・3位となるのは山学大柔道部史上初の快挙。この他の階級では、78kg級西田香穂と63kg級佐野 賀世子が3位となった。
町純香(まち すみか 4年 山口・西京)は、1・2年の頃は公式戦に出場する機会もなかったが、先輩の山部佳苗(ミキハウス)の稽古相手を務めているうちに強くなり、昨年のこの大会3位で頭角を現し、第1シードで大会に臨んだ。安井佳奈(竜谷大)、石橋貴穂(鹿屋体大)、藤原恵美(筑波大)を下し決勝に進出した。井上愛美(いのうえ まなみ 3年 愛媛・新田)は高校時代に頭角を現し、インターハイ優勝、世界ジュニア2連覇、今年のユニバーシアード無差別3位など実績を重ねてきた。木村千畝(環太平洋大)、後藤美和(創価大)、後輩の井坂希望を下し決勝に進出した。井坂希望(いさか のぞみ 2年 千葉・八千代)は高3の時全日本ジュニア3位、昨年の全日本選抜柔道3位の実績を持つ。山本沙羅(大阪体 大)、強敵の烏帽子美久(東海大)を下し、準決勝で先輩の井上愛美に敗れた。
≪女子78s超級決勝 町純香vs井上愛美≫
2人は試合前、「ガチンコで勝負しよう、どちらが勝っても恨みっこなし、終わったら握手しよう」と話し合い、決勝の畳に上がった。右組みの相四つ、町は奥襟を持って攻め、井上は返し技で反撃する。樹徳館で毎日練習していて、手の内を知り尽くしている2人の戦いは一進一退だった。3分が経過した時、一瞬の間合いだった。井上が払い巻き込みで有効を奪った、この一瞬が勝敗を分けた。井上初優勝、町が準優勝となった。2人とも自己最高位を獲得、握手を交わし抱き合った。井上愛美選手は「準決勝は後輩、決勝は先輩でやり辛かった。ユニバーシアードで右肩を痛め、万全な状態ではなかったが、攻める気持ちを忘れないで戦った。将来はオリンピックに出たいと思っています。まだ、山部佳苗先輩と公式戦で戦ったことがないので、山部先輩と対戦できる選手になりたい」と述べた。町純香選手は「目標だった1位、2位、3位を取れたのはうれしいが、個人的には優勝したかったので悔しい、力不足です」と語った。井坂希望選手は「井上先輩と対戦するところまで勝ち上がるのが目標だったので、そこに到達できてよかった。もっともっと技をかける練習をして、もっともっと強くなりたい」と話した。
その他の階級では、78kg級の西田香穂(2年 甲府工)と63kg級の佐野賀世子(2年 富山・高岡龍谷)が3位となった。男子66kg級の清水健登(4年 京都共栄)は5位となった。この大会で5位以上になった選手は、柔道日本一と冬季国際大会の出場メンバーを決める11月の「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられるため、6人は講道館杯に出場することが決まった。2日目の29日(最終日)は、男子は重量級、女子は軽量級の戦いが行われる。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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