山梨学院パブリシティセンター
全日本学生柔道体重別選手権 最終日
〜女子48kg級山崎珠美2連覇ならず3位〜
〜同じ48kg級の増田沙由美は躍進の3位〜

平成25年度全日本学生柔道体重別選手権大会2日目(最終日)の9月29日、東京・日本武道館で男子重量級3階級、女子軽量級3階級の戦いが行われた。初日の山学大勢は、78kg超級の井上愛美・町純香・井坂希望の3人が山学史上初の1位・2位・3位に輝いたが、2日目は勝ち運に恵まれなかった。48kg級の山崎珠美(2年)と57kg級の主将連珍羚(4年)は2連覇を目指したが、山崎は準決勝で敗れ3位、連は2回戦で敗れ、ともに連覇はならなかった。一方、高校時代は無名だった48kg級の増田沙由美(2年)が強敵に打ち勝ち、山崎と同じ3位を獲得した。男子の最重量100kg超級の鈴木誉広(4年)は不可解な指導で5位に留まった。また、増田沙由美と同様、高校時代 は全国大会に出たこともなかった52kg級の神山悠香(2年)が、樹徳館で稽古に励みベスト8入り、躍進の5位を獲得した。


≪女子48kg級準決勝 山崎珠美vs橘園 舞(国士舘大)≫
山崎珠美(やまざき たまみ 2年 三浦学苑)は、高校時代に全日本ジュニア優勝、講道館杯2位の実績を作った。普段は笑顔があどけない158cm・48kgの小柄な体だが、畳に上ると勝負師の顔になる。組み手争いに慎重な選手が多い中では異色な存在、どんどん前に出て、奥襟をガッとつかんで、ガンガン投げに出る。昨年の大会は1年生で優勝、今年は2連覇を狙った。昨年同様、初戦から相手を1分以内で投げ飛ばしオール1本勝ちで準決勝に進出した。しかし、準決勝の対戦相手橘園(たちばなぞの)舞(国士舘大2年)は、三浦学苑高の同級生、山崎の戦い方を良く知っている相手、いつものスタイルを封じられた。それでも果敢に前に出て残り2分40秒に技ありを奪い、いったんは優位に立った。しかし、残り1分03秒に技ありを返され、残り45秒に有効を奪われ敗れた。山崎珠美選手は「互いに相手の手の内を知り合っているライバル同士です。負けたのだから自分の力が足りなかった」と悔しさをこらえて語った。10月に東アジア大会(14・15日、中国・天津)と世界ジュニア選手権(23〜27日、スロベニア・リュブリャナ)に日本代表として連続出場する。山崎はこの悔しさを糧にして世界に挑む。

≪女子48kg級準決勝 増田沙由美vs遠藤宏美(筑波大)≫
増田沙由美(ますだ さゆみ 2年 東京・藤村学園)は、高校時代はまったくの無名選手だった。東京都予選の試合を見に来た山部伸俊監督から「山学大で柔道をやらないか」と声をかけられ、「環境と先輩に恵まれた山梨で強くなりたい」と山学大に入学した。入って見たら、同じ階級の山崎珠美を始め、同級生には高校時代から実績のある選手がずらり、練習は厳しく、最初はついて行くだけで精一杯だった。しかし、地道に努力して少しずつ力を伸ばし、2年目に関東大会を突破して大会初出場を果たした。初戦の2回戦で蓬田智佳(東海大)を下し波に乗った。準々決勝で1本勝ちをおさめ、自分では予想以上の準決勝に進出した。結果的には優勝した遠藤宏美(筑波大)との戦いで指導2を取られて敗れた。増田沙由美選手は「遠藤さんとは喧嘩四つ、自分の右四つに組ませてもらえなかった、レベルが違うと感じました。組合せに恵まれて、運よく3位になれただけでまだまだです」と謙遜した。稽古を重ねて、増田はこれから強くなる。

この他の山学勢は、男子100kg超級の鈴木誉広(4年 青森・弘前実業)が豪快な1本勝ちで準々決勝に駒を進め、田中大貴(国士舘大)と対戦したが、攻めているにもかかわらず指導を取られる不可解な判定で5位に留まった。「3回戦まではよかったが、準々決勝は思うように行かなかった」と肩を落とした。女子52s級神山悠香(2年 静岡・加藤学園)は、昨年は1回戦負けだったが、2年目は5位に躍進した。「もっと自力をつけて、本当に勝てる選手になりたい」。神山はもっと上を見つめて稽古に励む。

西田孝宏総監督は「力を持っていながら、力を出し切れなかった。運にも恵まれなかった、一言でいうとそういうことになる」と唇を噛み締めた。山部伸敏女子監督は「超級は、1位・2位・3位を取れたが、48(山崎)、57(連)、63(佐野)、78(西田)で優勝を狙っていたので残念。(男子は強いが、女子は強くなかった国士舘大が台頭してくるなど)各大学の実力差がなくなり、戦国時代に突入した」と大会を振り返った。

この大会で5位以上に入った選手と関東大会で2位以上に入った選手は、柔道日本一と冬季国際大会の出場メンバーを決める11月の「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられる。山学大からは、女子は48s級山崎珠美・増田沙由美、52s級神山悠香・高田知穂、57s級塚田紗矢、63s級佐野賀世子・小山涼子、78s級西田香穂・高松彩香、78s超級井上愛美・町純香・井坂希望の12人。男子は、66s級清水健登、90s級大町隆雄、100s級武本晃季・飯田健伍、100s超級鈴木誉広ら6人が出場することになった。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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