第６６回秋季関東高校野球山梨県大会は１０月６日、甲府・小瀬球場で３位決定戦と決勝戦が行われた。午前中の３位決定戦は、日本航空高が５−４で日川高との接戦に勝利した。決勝戦は午後１時プレーボールで開始され、山学のマウンドには、前日の日川戦は不調だった山口大輔が２日連続で上がった。そして、その山口が好投した。２回に２点を与えたが、しり上がりに調子を上げ、後半は強打の東海甲府打線に付け入る隙を与えなかった。被３安打で公式戦初完投勝利を上げた。打線は、３回に笠原雅矢の２塁打で逆転、６回に集中打と上原進の連日の適時２塁打で追加点、８回には稲葉皇介の２ランが飛び出し、８−２の大差で６年ぶり５回目の優勝を獲得、金メダルを胸にダイヤモンドを１周した。 山梨第１代表の山梨学院高と第２代表の東海大甲府高は、２６日から茨城県で開催される関東大会で、ダブル甲子園出場を目指す。

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秋季関東高校野球県大会　決勝　≪山梨学院高ｖｓ東海大甲府高≫（10/6）小瀬球場

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	合計
東海甲府高	0	2	0	0	0	0	0	0	0	2
山梨学院高	0	1	2	0	0	3	2	0	×	8

山学バッテリー　山口−笠原、　東海バッテリー　大柴・三橋・杉本―古屋
本塁打　稲葉（山学）、２塁打　渡邉・菊池・笠原・上原（山学）斉藤（東海）、山学１３安打　東海３安打、山学１失策　東海１失策、

前日の日川戦で死球を受けた菊池海斗主将（２年）の右指は、診察の結果、骨に異常はなく打撲傷と判明した。キャプテンは薬指と小指をテーピングで固めて強行出場した。マウンドには、山口大輔（２年）が不調だった前日に続き今大会３度目の先発登板をした。この日の山口は、力まない投球を心がけた。立ち上がりの初回は併殺で切りぬけ、２回に東海の７番斉藤駿介に２点２塁打を許したが、結果的には失点はこの２点だけだった。しり上がりに調子を上げた。守備陣は３回表２死１・３塁の場面で、走ったランナーにつられ一瞬逆モーションになりながら、２塁手の田中滉起（２年）が、ライト前に抜ける打球に飛び付くファインプレーで得点を与えなかった他、前日までは決まらなかった送りバンド がようやくながら決まった。３回に６番笠原雅矢（２年）の２塁打で逆転、６回に集中打と３番上原進（２年）の連日の適時２塁打で追加点、８回には８番稲葉皇介（２年）の２ランが飛び出し、８−２と大差をつけて東海大甲府高を圧倒した。

山口大輔投手「日川戦のピッチングを反省して、腕をしっかり振ることと、低め低めを心がけて投げました。関東は強いチームの集まりなので、チャレンジャーの気持ちでぶつかって行きたい」。上原進選手「ピッチャーを楽にさせてやりたいと打席に入り、２打席目と４打席目に打てて良かった。関東でもチームに貢献出来るように頑張りたい」。投打のヒーローは、気持ちを関東に切り替えた。菊池海斗主将は「今日は、この大会を通じて一番いい試合が出来たと思います。自分たちの力が関東でどれくらいか判りませんが、甲子園を目指して頑張って来たい。指の痛みは、試合中は感じませんでした」と語った。吉田洸二監督は「選手が少しずつ成長しているなと感じて見ていました。立ち上り悪かったピッチャーの山口が途中からよくなったこと、１打席目に打てないと引きずるタイプだった笠原が２打席目（逆転の２塁打）から切り替えられたこと、控え選手が何回も失敗しながら送りバンドを決めたことなど、ゲームの中でだんだんいいプレーが出来るようになったと思います、大きい大会に行くと普段通りの野球をいかに早くやれるかということが大事になって来ますので、普段の練習から緊張感を持って取り組み、関東大会に出た時には、逆に、伸び伸びやれるようにして行きたい」。監督は選手の少しの成長と、次のステップに目を向けていた。

野球部の選手が１・２年生に切り替わったのと同様に、応援スタンドの生徒も１・２年生主体に切り替わった。３年間応援団長を務めた浅川莉央さんの後を継いだのは、ともに英語科１年の眞田帆風さんと田中里奈さん、エール交換まで立派に大役を務めた。２人は「先輩には程遠いですが、先輩の経験を引き継いで、頑張って行きたい」と話した。チアリーダー部の門坂有紗新部長は「暑い中で選手が頑張ってくれて、自分たちも頑張った甲斐がありました。色々な部活の選手を笑顔で支えて行きたい」とボンボンをギュッと握った。そして、スタンドには、３年生野球部員の姿があった。梅原隆斗・福本大賀・結城大輔の３選手は「後輩たちには、自分たちが行けなかった甲子園に行ってもらいたい。その力はある、今日の勢いを関東でぶつけろ」と後輩にエールを贈った。２０１３年、秋、いよいよ関東だ！
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文（Ｍ．�T）、カメラ（平川大雪）
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