山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球秋季リーグ戦(第6節2戦目)
〜山梨学院・山田が作新学院にノーヒットノーランの快挙〜 
〜「打たせて取るが信条、全員で勝ち取ったもの」と謙虚〜 

2013年関甲新学生野球秋季リーグ戦(第6節2戦目)は10月14日、栃木県の宇都宮市清原球場で2試合を行った。第2試合は勝ち点に王手をかけ臨んだ山梨学院大と巻き返したい作新学院大戦が行われた。試合は山梨学院が4対0で勝ち、勝ち点を挙げ2位に浮上した。山梨学院の投手リーダー右腕・山田祐也(4年)が、9回を打者27、投球数111、四球1、三振11という内容でノーヒットノーランを達成。攻めては、4回裏二死二塁で5番・加賀美祐樹(3年)が邪飛で粘り相手投手の7球目を中前適時打し1対0と先制。続く5回裏には先頭の7番・田中貴也(3年)のセンターフェンス越えのエンタイトルツーベースを皮切りに、相手失策、犠飛、2連続安打、2連続四球で相手を翻弄。この回3得点を奪い4対0とする。9回表、山田祐也が先頭の7番打者を二塁ゴロに、8番代打を見逃し三振、9番代打を空振り三振に切ってとり試合終了。この瞬間に関甲新学生野球5人目の快挙となる無安打無得点試合を達成。山田が田中に、田中が山田に駆け寄り抱き合い、野手が、ベンチが、一斉に歓喜の雄叫びをあげた。山田は「打たせて取るが信条、全員で勝ち取ったチームのもの」と謙虚。「絶対に負けられない4連戦の一試合の出来事。後2試合に勝たなければもともこもない」と投手リーダーの顔に。優勝と関東出場権2校の行方は、3強の上武・山梨学院・白鴎の三つ巴となり最終7節に持ち越しとなった。最終節第1戦目は10月19日(土)群馬県の上武大学野球場において、午前9時30分から山梨学院大(暫定2位) 対 上武大(暫定1位)戦、正午から白鴎大(暫定3位) 対 平成国際大(暫定4位)戦が行われる。


□山梨学院は昨日の作新学院戦、プロ注目のエース・高梨裕稔(4年)が完投したものの、伊藤コーチが「プレーに執念が微塵も感じられない。『ワンプレー、ワンプレーを、遣り切るんだ』という、執念を前面に出して戦ってもらいたい」と選手に檄を飛ばした。7回、相手が崩れての勝利だった。向かえた第2戦目、先発は投手リーダー右腕・山田祐也(4年)。山田が「白鴎戦、第1戦目で高梨が勝ち向かえた第2戦目で7回に高梨の救援を仰ぎ、第3戦目では桃原投手を救援し負け、結局第4戦目を高梨に委ねた」。山田は「高梨の負担を払拭しなければ、優勝は見えてこない」と唇を噛んだ。臨んだ平成国際戦、ホーム球場で見事に完封勝利を挙げ高梨の負担をなくした。負けられない試合が続く山梨学院、第1戦目で高梨が勝利している。投手リーダーの山田がチームメートと整列し、作新学院大と対峙した。


●関甲新学生野球秋季リーグ戦(第6節2戦目)【 山梨学院大学 対 作新学院大学 】宇都宮市清原球場

 
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作新学院
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山梨学院
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●【山梨学院】
●[投手]山田祐也(勝ち2勝1敗)投球回数9回、打者27、打数26、投球数111、四球1、三振11【ノーヒットノーラン達成】
●[捕手]田中貴也(許盗刺 1)
●[長打]〈二塁打 田中貴也〉
●【気象状況】天気(晴れ)気温(21度)湿度(52%)降水量(0mm/h)風向(南)風速(3m/s) 


◆1回表、後攻の山梨学院は投手リーダー右腕・山田祐也(4年・山梨学院高)が1番打者を一塁ゴロ、2番打者を見逃し三振、3番打者を三塁邪飛と三者凡退に退ける立ち上がり。
◆2回表、山田祐也(4年)が先頭の4番打者を空振り三振、5番打者を左飛、6番打者を遊ゴロに仕留める。
◆3回表、山田祐也(4年)が先頭の7番打者を2ストライクから邪飛されると、際どいコースがことごとく外れ四球を与える。続く8番打者の初球に盗塁を仕掛けたランナーを、強肩捕手・田中貴也(3年・八重山商工高)が刺す。すると、山田が打者を3球で見逃し三振に切り取り、続く9番打者を三塁ゴロに打ち取る。
◆4回表、山田祐也(4年)が先頭の1番打者を捕手飛に、2番打者を右飛に、3番打者を二塁ゴロに打ち取る。
◆4回裏、先頭の2番・酒井雄史(3年・木更津総合高)が右前安打で出塁。続く3番・主将・平井慎也(4年・富士学苑高)の犠打で一死二塁。二死後、5番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府高)が邪飛で粘った後の7球目を中前に弾き返すと、酒井が二塁から一気に生還し1対0と先制する。
◆5回表、山田祐也(4年)が先頭の4番打者を見逃し三振に、5番打者を三塁ゴロに、6番打者を遊ゴロに仕留める。
◆5回裏、先頭の7番・田中貴也(3年)のセンターフェンス越えのエンタイトルツーベースで出塁。続く8番・秋山孝太(1年・敬愛学園高)のバントで田中が二三塁間に挟まれるが相手野手の暴投で無死二三塁。続く9番・鈴木悠介(3年・山梨学院高)の右犠飛で2対0。一死三塁、1番・渡辺晶也(4年・山梨学院高)の左前適時打で3対0。2番・酒井雄史(3年)の左前安打で一死一二塁。3番・主将・平井慎也(4年)の四球で一死満塁。4番・菊池紳弥(4年・学法石川高)の四球押し出しで4対0とする。
◆6回表、山田祐也(4年)が7番打者を投手ゴロ、8番打者を空振り三振、9番打者も空振り三振に切り取る。
◆7回表、山田祐也(4年)が先頭の1番打者を三塁ゴロに、2番打者を見逃し三振に、3番打者も見逃し三振に切って取る。
◆8回表、山田祐也が先頭の4番打者を三塁ゴロ、5番打者を中飛に、6番打者を空振り三振に仕留める。
◆9回表、山田祐也が先頭の7番打者を二塁ゴロに、8番代打を見逃し三振、9番代打を空振り三振に切って取る。
試合終了、この瞬間に関甲新学生野球5人目の快挙となるノーヒットノーラン(無安打無得点試合)を達成。山田が田中に、田中が山田に駆け寄り、野手が、ベンチが、一斉に歓喜の雄叫びをあげた。


《ノーヒットノーラン・メンバー》
投手・山田祐也(4年・山梨学院高)、捕手・田中貴也(3年・八重山商工高)、一塁手・菊池紳弥(4年・学法石川高)、二塁手・鈴木悠介(3年・山梨学院高)、三塁手・酒井雄史(3年・木更津総合高)、遊撃手・渡辺晶也(4年・山梨学院高)、左翼手・平井慎也(4年・富士学苑高)、中堅手・秋山孝太(1年・敬愛学園高)、右翼手・加賀美祐樹(3年・東海大甲府高)、DH・中村圭輔(3年・熊本国府高)


□ノーヒットノーランを達成した投手リーダー右腕・山田祐也(4年・山梨学院高)は「打たせて取るが信条、チーム全員で守って、そして攻めて、全員で勝ち取ったチームのもの」と謙虚。「5回に田中から『狙いましょう』といわれたが、打たせて取るタイプなので」冗談と受け流した。それでも「7回を抑え、8回からは意識して投球した」。「田中の指示どおりに従って、投げただけ」。何よりも「コントロールが良かった」と振り返る。ノーヒットノーランは「小学校で1回、中学校で1回、今度で3回目」。「ノーヒットノーランは『野手が守ってくれての結果』」、間髪容れず「それと、運です」と述べ。「絶対に負けられない4連戦の途中の一試合の出来事。後の2試合に勝たなければもともこもない」と投手リーダーの顔に戻った。
□好リードと3回表に四球のランナーを強肩で刺す女房役を演じた7番・田中貴也(3年・八重山商工高)は「祐也さんは、投手リーダーとしの役割を務め日頃努力している。それが報われて自分のことのように嬉しい」と感慨深く述べる。「4回から意識し、5回に祐也さんに『今日は狙いましょう』と言った」と白い歯を見せる。「祐也さんは『ない、ない』といっていましたが、今までで一番ストレートが生きていたので、本当に狙えると思っていました」と声が弾む。後半は「カットボールを決め球にしました」。投げた球種は「ストレート、カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップ、それにカットボール」と6種類。「全てが良かった」。「ベンチは7回ぐらいからざわつき、祐也さんには分からないように『平常心で行け』」とお互い喚起し始めた。「最後のバッターを空振り三振」に、田中のミットとに球が収まる「無我夢中で祐也さんに駆け寄りました。感無量です」と言葉を呑み、「来週、上武戦に勝たなければ」と顔が引き締まった。
主将・平井慎也(4年・富士学苑高)は「昨日は内容が良くなかったが、今日は山田を軸に守りからリズムをつくり、攻撃につなげる自分たちの野球ができた」と胸を張った。「山田は前回の平成国際戦で完封をするなど、調子が上がっている。今日はノーヒットノーランで素晴らしいピッチングだった」と称える。攻めては「ノーアウトから送りバントで得点圏にランナーを進め、得点を挙げるとい理想的な攻撃ができた」と振り返る。今、「チームは高梨と山田の2人の流れに乗り戦えている」と微笑む。上武戦は「こうは、上手くいかないと思う」と首を振る。「投手陣を軸に堅守で、粘って粘って、食らい付いていきたい」と述べた。
伊藤彰コーチは、「山田は最高のピッチングだった」と開口一番。「チーム全員の執念が山田のノーヒットノーランを生んだ。山梨学院大学は2008年の雨宮敬(巨人)以来の2人目」と満悦。山田は「素晴らしいメンタリティーの持ち主」と感慨し頷く。投げた球で特に「カットボールが良かった。ストレートの振り以上に良く腕が振れていた」と絶賛。攻めては「加賀美が二死二塁から良く粘り、執念の一打で酒井を生還させた。これが5回の攻撃につながった」と称えた。「チームは攻守ともに、これ以上にない勝ち方ができた」と手放しで喜ぶ。来週「チームが良い状態で、最終節の上武戦に挑める」と気を引き締め、「後は、全員で上武にぶつかるだけ」と闘志をあらわに球場を後にした。

文(H.K)、カメラ(平川大雪)
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