山梨学院パブリシティセンター
第90回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
〜総合2位で28年連続28回目の箱根路へ〜
〜オムワンバが最後まで耐え、個人1位の活躍〜

第90回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会が10月19日、東京都立川市(陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園)で行われた。山梨学院大学陸上競技部は今年1月の第89回大会で総合11位でシード権を失い2年ぶりとなる予選会。箱根駅伝予選会は、陸自立川駐屯地をスタートし、立川市街地を通り、昭和記念公園内にゴールする20kmのコースを各校10〜12人の選手が走り、上位10人の合計タイムで競われる。予選会には44校が出場し、来年1月に行われる本戦への出場権は、合計タイムが少ない上位13校が獲得する。会場には、朝早く山梨を出発した学生や教職員が応援に詰めかけ、選手たちに熱い声援を送った。山梨学院は、前回箱根2区を走り区間2位をマークしたエノック・オムワンバがスタート直後に集団を抜け出すと常に先頭集団に位置し、残り数100mでキトニー(日大)を振り切り、57分57秒の全体1位でフィニッシュテープを切った。また、井上大仁が5位でゴールし、上位10人の合計タイムは総合10時間05分33秒。山梨学院は、東京農業大(10時間04分35秒)に次いで総合2位となり、28年連続28回目の箱根駅伝本戦出場権を獲得した。


第90回箱根駅伝予選会は、東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地(立川飛行場滑走路)をスタートし、立川市街地を抜け、国営昭和記念公園にゴールする20キロのコースを各校10〜12人の選手が走り、上位10人の合計タイムで競われる。予選会から第90回大会へは合計タイムの少ない上位13校に出場権が与えられる。昨年まで実施されていた関東インカレポイント(アドバンテージタイム)の併用は今回から廃止された。

立川市上空は早朝から厚い雲が覆い、午前8時過ぎからは小雨もぱらついた。9時過ぎに雨は上がったものの、時折冷たい風が吹き、選手や観客を苦しめた。会場では、朝早く山梨をバスで出発した応援ツアーの教職員の他、カレッジスポーツセンターが募集した「カレッジスポーツ観戦ツアー」に参加した36人の学生が同じキャンパスで学ぶ仲間に熱い声援を送った。
山梨学院のスタート位置は滑走路いっぱいに広がった44校の中央。午前9時35分、ピストルの号砲とともに44校521人の選手が一斉スタート。スタート直後エノック・オムワンバ(2年)が集団から抜け出すと他校の留学生らもそれを追随。オムワンバはオーバーペースにならないよう周りの選手を意識しながらレースを進めた。選手たちは滑走路を2周、約5キロを走り、立川市街地の8キロ、昭和記念公園内の7キロのコースの合計20キロを疾走する。オムワンバは市街地に出てからも先頭集団に位置し、市街地から公園内に戻ると日本大学のダニエル・ムイバ・キトニー(2年)とトップ争いを繰り広げる。オムワンバは公園内のアップダウンを耐え、残り1kmでラストスパートをかけ、残り数100mでキトニーを引き離し、出場521選手の先頭でフィニッシュテープを切った。山梨学院はオムワンバに続き、全体の5位で井上大仁(3年)がゴール。その1分10秒後には、昨年の箱根駅伝チームエントリー登録前に疲労骨折が判明し、4年生で初の箱根路の夢が断たれ、卒業を1年延期し再びの箱根路を目指し、誰よりも努力を重ねた森井勇磨(4年)が41位でフィニッシュした。山学勢の記録は次のとおり。

山梨学院大学 10時間05分33秒  最終総合順位 2位

順位

記録

氏名

学年

前回箱根路

57:57

エノック・オムワンバ

2区

59:25

井上大仁

3区

41

1:00:35

森井勇磨

49

1:00:41

田代一馬

50

1:00:42

佐藤孝哉

59

1:00:51

兼子侑大

83

1:01:11

伊藤淑記

86

1:01:14

礒野裕矢

101

1:01:27

有泉 潤

105

1:01:30

前田拓哉

8区

119

1:01:50

前田直人

156

1:02:11

山本 新

午前11時過ぎから公園内「みんなの原っぱ」で結果発表が行われ、山梨学院は10時間05分33秒の総合2位で、28年連続28回目の箱根切符を手にした。総合2位の結果がアナウンスされると陸上部員や山梨から応援に駆けつけた一般学生や教職員らから拍手や歓声が沸き起こり、"チーム山梨学院"が喜びを分かち合った。総合1位は10時間04分35秒の東農大。2位山梨学院以下3位東海大、4位神奈川大、5位國學院大、6位大東文化大、7位専修大、8位日本大、9位拓殖大、10位城西大、11位上武大、12位中央大、13位国士舘大までが本戦出場権を獲得。

結果発表後、報告会が行われ出場全選手が一人一人喜びや感謝の言葉を口にした。松山雄太朗主将は「朝早くから沢山の方々に応援していただき、山梨学院は幸せなチームだと改めて感じました。本戦出場権を2位で獲得しましたが、上位の大学に見劣りしないよう最高の戦いができるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします」と話し、上田誠仁監督は本戦に向けて「ここが勝負ではなく、本大会に出なければ真の勝負はできません。大手町で流した悔し涙を晴らしたわけではありません。本戦で晴らすしかないと思っています。1週間前にグラウンドのホワイトボードに「現在とは過去からの結果で、未来への原因。だから今を頑張ろう」と書きました。過去に戻ってやり直すことはできません。来年の箱根に向けて日々頑張っていくしかありません。きょうの課題、反省をこれからの日々で解決し、さらに強く逞しく育てて、来年の箱根路に登場したいと思います」と決意を語った。また、大学を代表して込山芳行学生センター長は「勝負の世界では強い人が勝つのではなく、勝った人が強いのです。正月は感動する走りを期待します。山梨県民にとって正月の箱根駅伝は望みです。あと2か月、怪我なく下剋上で優勝目指して頑張りましょう」と選手を激励した。また、報告会後報道陣の取材に対し、1位でフィニッシュテープを切ったエノック・オムワンバ選手は「監督のアドバイスでゆっくりのペースからだんだん上げていった。最初は遅めのペースで5kmからペースを上げた。15km過ぎから公園内のアップダウンが苦しかったけど我慢した。1kmでラストスパートをかけた。もし前半飛び出していたらオーバーペースになっていたかもしれない。本番では、モグスさんの記録を抜きたい」と笑顔で語った。また、最後まで上位集団につけ粘りの走りで日本人2位、全体5位でゴールした井上大仁選手は「全体的に落ち着いて走れた。日本人トップを狙っていたが、前に追いつけると思ったがダメだった。後ろからの追い上げには競り勝つことができた。箱根では、もう一つ上で勝負し、チームではシード権内の5位以上を目指し、3強と言われている日体、駒澤、東洋を倒したい。大手町で笑顔で終われるようにチーム力を発揮したい」と語った。

第90回箱根駅伝は来年1月2日・3日、東京都大手町から神奈川県芦ノ湖までの往路5区間、復路5区間の往復10区間で行われる。第90回の記念大会では学連選抜は編成されずに、前回シード校10校と予選会通過校13校の計23校が出場する。28年連続28回目の出場となる山学大陸上部はチームスローガン「逞しく這い上がれ」を胸に、チーム一丸となって2か月半後の戦いに臨む。

文(Y.Y)、カメラ(小池裕太、Y.Y)
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